台北のディーホアジエで歴史に触れる一杯:姚徳和青草号
台北の観光地といえば、古い街並みと新しい文化が交錯する迪化街(ディーホアジエ)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この歴史あるエリアにひっそりと佇む「姚徳和青草号」は、青草茶の専門店として70年以上の伝統を誇る名店です。今回の記事では、姚徳和青草号の魅力やおすすめの楽しみ方についてご紹介します。
迪化街の歴史
迪化街は、台北市大同区に位置する歴史的な商店街で、その起源は1851年に遡ります。当時からお茶、布製品、漢方薬材などを扱う商店が軒を連ね、台湾随一の問屋街として栄えてきました。
このエリアは、かつて「大稲埕(ダータオチェン)」と呼ばれ、台湾の商業活動の中心地として重要な役割を果たしていました。特に日本統治時代には「永楽町」と称され、商業の発展とともに独特の建築様式が形成されました。
迪化街の建物は、バロック風の商館や洋館、モダニズム建築などが混在しています。これらの建物は1階部分が店舗、上階が住居や倉庫として利用される「三進式町家」の構造を持ち、間口は狭いものの奥行きが深いのが特徴です。また、「亭仔脚(ティンザイジャオ)」と呼ばれるアーケードが設置され、雨や日差しを避けるための歩道として機能しています。これらの歴史的背景と建築様式が迪化街の独特な景観を形成しています。
2000年には「大稲埕歴史風貌特定専用区」に指定され、景観保護が進められました。現在では、伝統的な商店とともに、おしゃれなカフェや雑貨店も増え、観光地としての魅力を高めています。
伝統と現代が融合する空間
「姚徳和青草号」は、1940年代に創業され、台湾の青草茶文化を支えてきたお店です。2017年にはリノベーションが施され、伝統的な趣を残しつつ、モダンで洗練された空間が広がります。迪化街のレトロな雰囲気に溶け込むおしゃれな外観と、木目を基調とした温かみのあるインテリアは、訪れる人々を癒しの時間へと誘います。
お店に一歩足を踏み入れると、ハーブや薬草の豊かな香りが迎えてくれます。壁には青草茶に使われる様々な薬草が展示され、それぞれの効能や名前が記載されており、青草茶の奥深い世界を垣間見ることができます。
青草茶とは?
青草茶(チンツァオチャ)は、台湾で古くから親しまれている薬草茶の一種です。複数のハーブや薬草をブレンドして作られるこのお茶は、身体を内側から整え、リラックス効果をもたらすとされています。お店ごとにブレンドのレシピが異なるため、どこで飲んでも新しい発見があります。
姚徳和青草号の青草茶は、特に飲みやすいと評判です。ほのかな甘みとミントの爽やかな後味が特徴で、初めて青草茶を飲む方でも抵抗なく楽しめる味わいになっています。
メニューのおすすめ
姚徳和青草号では、以下のようなバリエーション豊かなお茶が楽しめます。
青草茶(チンツァオチャ)
複数の薬草をブレンドした、爽やかな飲み心地のお茶。身体をスッキリさせたいときにおすすめです。蘆薈茶(ルーホエイチャ)
アロエの果肉がたっぷり入ったお茶で、ほんのり甘く、デザート感覚で楽しめます。茅根茶(マオゲンチャ)
チガヤの根茎から作られるお茶で、自然な甘さとスッキリ感が魅力。苦茶(クーチャ)
非常に苦味が強いお茶ですが、身体のバランスを整えたい方に人気。
これらのお茶は1杯20–30元(約80–120円)と手頃な価格で楽しめます。また、ティーバッグや薬草の入浴剤などの商品も販売されており、自宅で台湾の伝統的な青草茶を味わうこともできます。
アクセスと営業時間
姚徳和青草号は迪化街の永樂市場の向かいに位置し、MRT北門駅から徒歩約10分の場所にあります。迪化街の散策途中に立ち寄るのにぴったりです。
住所:台北市大同区迪化街一段21号
営業時間:8:30–20:00(日曜定休)
休日の午後や観光中の休憩スポットとしても最適。青草茶を飲みながらほっと一息つけるひとときを楽しめます。
迪化街の魅力と青草茶の余韻
迪化街は、布市場や乾物店が軒を連ね、台湾らしい雑多な活気を感じられるエリアです。姚徳和青草号で青草茶を味わった後は、周辺を散策してみるのもおすすめです。台湾伝統の食材や雑貨を探しながら、地元の生活に触れることができます。
また、迪化街周辺には「霞海城隍廟」や「永楽市場」などの名所もあり、台湾の伝統文化に触れることができます。迪化街のノスタルジックな雰囲気と活気ある商店街を散策しながら、台湾の歴史と現代の融合を感じてみてください。
青草茶の清涼感と迪化街のノスタルジックな雰囲気に包まれて、心も身体もリフレッシュできる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?