【毎日ご飯のことばかり考えていた、あのときの私へ】~健やかって、意外とカンタン。~
「今日のご飯はどうしよう」
気がつけばご飯のことばかり考えていた。
みんながまだ起きてこない朝の布団の中で、トイレの中で、通勤中の電車の中で。
私はシャープに勤めて30年。
その間、仕事をしながら、二男二女の4人の母としてずっとご飯を作ってきた。
4人の子育てに追われたあの日々
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栄養満点のおいしいご飯を食卓に並べた瞬間、家族みんなの目が輝く。
「うわー、おいしそう」と、笑顔があふれる。
私は席についてゆったりとした気持ちで家族を見守っている。
**
ご飯を囲んでこんな家族だんらんをするのだー!
そんなことを夢みていたのだけど、かなしいかな、現実は理想とほど遠かった。
髪を振り乱しながらキッチンでひとり、料理と向き合い、フライパンを振った手がもう握力をなくし、プルプルしながらも必死で配膳し、ようやく自分が食べる頃にはクタクタになっているのが日常だった。
だって、焼きそばを作るだけでも大変なのよ!
これは、子どもたちがまだ小中学生の頃の話。
仕事から急いで帰り、キッチンに立つ。
「お母さん、おなかすいたー!」
「ちょっと待っててねー」
おなかをすかせている子どもたちの声に背中を押されながら、フライパンにめんを入れる。しかし、家族6人分を一度に作るのは、無理な話だ。
何度かやってみたけど、めんがべちょべちょになるのがオチ。
仕方なく、いつも2回にわけて調理する。肉と野菜を追加して混ぜている間、私はずっとキッチンに立ちっぱなしで落ち着く暇もなし。
やっとできたと、ほっとするのもつかの間、今度は野球少年の長男から「おかわり!」の声が飛ぶ。
あちゃー!さっき肉を全部使ってしまった。
もっと段取りよくしなくちゃ。反省しながら、また、ありあわせで作る。
(あー、いつになったら私は食べられるんだろう)
献立がマンネリ化してくると、心がざわつく。
この子たち、栄養は足りてるかな。
添加物の多いものが増えていないかな。
なんだか味気ない食卓になっていないかな。
そんな思いが頭をよぎる。
「奇跡のごっくん」
私がこんな風にご飯のことばかり考えてしまうのは、あの日の体験が心にずっと残っているからだ。
今から22年前のこと、生後9カ月だった次女が夜中にけいれんを起こした。
急いで病院に駆け込んだけど、脳に障害が残った。脳炎だった。
つかまり立ちができるようになって、離乳食もそろそろ卒業かな、という時期に。突然、立つことも話すことも、笑うことも、そして食べることさえできなくなってしまった。
次女の小さな体にチューブを通して、栄養を届ける日々が続く。
「18歳まではこの病棟ですが、その後は別の病棟に移ることになると思います」。
ああ、もう退院はできないのかな。
そんな時、一人の先生が「赤ちゃんの脳は宇宙なんですよ」と言ってくれた。
脳は未解明なことも多い。まして赤ちゃんの脳はまだ小さく、大きな可能性を秘めているのだという。次女はリハビリを続けるうちに、少しずつだが回復傾向が見られるようになった。
ある日、その先生がまたこう言った。「食事をためしてみませんか」。
ずっとチューブのままではなく、こちらから働きかけて、食べる力を引き出してあげることも必要だと。ただ、誤嚥をしてしまうと、命に関わる危険な状態に陥る可能性もある。医師の間でも相当議論があったようだった。でも、その先生は何かあってもすぐサポートできる体制があるのが病院だから大丈夫、と力強く言ってくれた。
次女だって、きっと食べたいはずだ!
先生、お願いします!
まずは水を飲みこむ訓練から始めることになった。
小さな次女のまわりをたくさんの医師や看護師さんがずらりと囲む。
みんながかたずをのんで見守る中、スプーンひとさじの水が慎重に彼女の口元に運ばれた。
「ごっくん」
次の瞬間、部屋中に歓声が響き渡った。「飲み込めた!」
その声とともに、私の目にも涙があふれた。
食べることに一歩近づいた瞬間だった。
その日から、まるで彼女の体にスイッチが入ったかのように次々と変化が起きた。
ぐらぐらしていた首がピッと上がり、腰もしっかり座るようになり、言葉も出るようになった。おかゆも「ごっくん」ができるようになると、徐々に普通食も食べられるようにまでになった。そして、次女は食べているときに、一番よく笑った。
軽い障害は残ったものの、なんとそこから数カ月で、元気に退院することができたのだ。
「食べること」が引き出す力って、すごい!
言われてみれば、私たちの体や脳って、ぜんぶ口から食べるものでできている。
毎日食べるご飯を大切にしたい。
家族の健やかな暮らしや笑顔につながるのが、きっと毎日のご飯なんだ。
あの日の「ごっくん」が私にそう教えてくれたのだった。
ヘルシオのプロモーション担当に
それから約20年が経った2020年、コロナ禍真っただ中に、私は思いもかけず異動となり、ヘルシオシリーズのプロモーション担当になった。
シャープに入社以来、「日本語ワープロ」「海外向けザウルス」「家庭用LED照明」や社内ベンチャーなど、いわゆる黒もの家電からそれ以外の仕事まで転々としてきた。
次女の入院では、仕事を辞めることも考えたけど、周囲の支えのおかげで今まで続けることができた。そして、「ごっくん」の奇跡を見てからは、いつか食べることに関わる仕事がしたいと思っていた。
だから、この異動は跳びあがるほどうれしかった。
私は、対面で実施できなくなったヘルシオ料理教室をオンラインで開催したり、コミュニティサイト「ホットクック部」の運営を通し、ヘルシオシリーズの魅力をお客様に伝えることを任された。
ヘルシオとは、2004年に発売された業界初の過熱水蒸気で調理するウォーターオーブンのことだ。
外はパリッと、中はジューシーなおいしい仕上がりを実現し、しかも余分な脂や塩分を落としたノンフライ料理や減塩料理といったヘルシー料理を簡単に作ることができる。
発売当時は健康志向が高まりつつあるも、「健康なもの=まずい」というイメージがまだ強かった時代。
たとえば、まずい!でお馴染みのあの青汁のキャッチコピーを覚えている人も多いのでは?健康によいものなら我慢してでも飲もうか、と私も気になったものだ。他にも玄米食や自然食品などの健康食品の人気が出始めていた頃だったけれど、味にちょっと物足りなさを感じたこともあった。
そんな中、「健康」と「おいしいさ」の両立にこだわって、実現したのがヘルシオだったのだ。
当時、私も喜び勇んで購入した。初代ヘルシオ1号機はまだ実家にある。
この画期的な登場から20年が経った今、ヘルシオは、日々の生活にゆとりを求めるお客様の声にこたえて、さらに「簡単にできる」を追求している。
ヘルシオには「まかせて調理」機能が追加され、食材を入れてキーを押すだけでよくなった。食材の種類や量、また冷凍か冷蔵にも関係なく、ヘルシオが食材全体がちょうどよく仕上がるように調節して加熱してくれるので、温度や時間を手動で設定する必要がなくなったのだ。
しかも、ヘルシオ1台あれば、焼いたり、炒めたり、揚げたり、蒸したりといったフライパンと同じ(もしくはそれ以上の)料理ができてしまう。でも、フライパン料理と違って、火加減を調整したり、ひっくり返したりする必要がないので、調理中にずっとキッチンにいなくてもいい。
同じく、食材を入れてキーを押せば、カレーやスープ、煮物が作れる水なし自動調理鍋「ホットクック」や、ヘルシオと同じ過熱水蒸気で調理する「ヘルシオ トースター」などがヘルシオシリーズとして展開されている。
これが簡単ではなくて何なのだ!
ヘルシオシリーズの担当になった私は、さっそく当時の最新機種のヘルシオやホットクック、ヘルシオ グリエ(現在の最新機種はヘルシオ トースター)を買い揃えた。
まず、感動したのが焼きそばだった。
え?オーブンで焼きそばを「炒める」?どいうこと?
シャープ社員でありながら、最初は半信半疑だった私(ごめんなさい!)
レシピ通りやってみる……。
まず、ヘルシオの角皿にめんを4つ並べる。その上にキャベツやにんじんを重ねて、ソースをかける。最後に肉を広げて、ボタンをピッと押す。
待つこと20分。
すると、「♪できあがりました!」の声。
あとはトングで軽く混ぜてお皿に移したら、完成してしまった。
えー!
ここまで片手だけでできちゃったんですけど。
左手にフライパン、右手に箸を持ち、必死になってかき混ぜていたあの奮闘の日々は何だったのか!こんなにラクして作れていいの?しかも、めんがもちもちしていて、おいしい!
さらに!
焼きそばのめんって、わかる人にはわかってもらえると思うのだけど、なぜか3袋入りがスタンダード。4人で食べると、2袋あまるから冷凍して、次にまた買って2袋使うと、今度は1袋余る。こんな感じでいつも冷凍庫にめんが残ってしまう。
でも、これもヘルシオが解決してくれた。だって、冷凍めんと冷蔵・常温めんを同時にいれても大丈夫なのだから。
これが簡単じゃなくて、何というのだっ!
もう 感動しかない。
助かるわー!
心の中で叫びながら何回作ったことか。(というか、ボタンをピッしたことか)
ホットクックも驚きの簡単さだった。
「自動かきまぜ機能」がついていて、カレーはもちろん、ソース作りが抜群にラクにおいしくできる。私の一推しは「葱油ソース」と「あめ色玉ねぎのステーキソース」。
どちらも「もっとクック」という別売りのヘラ状のかきまぜ器具をセットするのだが、玉ねぎソースなら、スライスした玉ねぎと油をホットクックに入れてボタンを押すだけ。
1時間後にポン酢と合わせれば、甘くて深みのある「あめ色玉ねぎのステーキソース」が完成するのだ。
フライパンだったら、ずっと鍋をかき混ぜてなきゃならないし、うっかりほったらかしにしたら焦がして一巻の終わりになってしまうけど。
「葱油ソース」も同様で、どちらも冷蔵庫で常備しておけば、サラダチキンや豆腐にかけるだけで絶品の一皿になる。子どもたちにも人気で、おかずがないときはご飯にかけて満足してくれる。
友人が遊びに来た時もこれを出すと、決まって感嘆の声があがる。
「これ、手作り?すごい!わざわざありがとう、大変だったでしょ?」
「とんでもない。材料いれてピッとしただけなのよ。ゆっくりしていってね(にっこり)」
ソースを添えながら優しい人になれる。いや、ほんとに謙遜じゃなくて簡単なんだものっ。
ヘルシオ、失敗しませんから
やっぱり、ヘルシオといえばこの安心感と信頼感だ。私がフライパンで作るより、再現性が高く失敗がないのだ。
だからもう、今はガスをほとんど使わなくなった。
(強いて言えば、だし巻き卵を無性に食べたくなる時が定期的にやってくるので、その時はガスを使うかな。あとはお湯を沸かすときぐらいかも)
ヘルシオやホットクックにすべてまかせられるから、とにかくラクなのだ。まかせている間は、ひと息ついて、好きなことさせてもらっちゃう。今、私はご飯ができあがるまでの時間が一番、ゆっくり過ごせるようになった。
そういえば、作り置きもしなくなった。
材料さえあれば、「これとこれを入れたらあれが作れるね」とヘルシオやホットクックにまかせられる。ちょっと待てば、おいしい料理が食べられるのだから、自然とそっちを選ぶようになってしまった。
あと、いい食材をちゅうちょなく選べるようになった。
今までは火加減や味付けに失敗するかもしれないと思って、食材にはあまりこだわってこなかったのに、いい肉や新鮮な魚を見つけるたびに、思わずにんまりしてしまう。
だって、おいしく食べられるのが、わかっているから!
こうなるともう、みんなにもっとヘルシオやホットクックを使ってほしくてたまらない。
実は私もヘルシオの簡単さに気づいていなかった
でも、どうしたらもっと身近に感じてもらえるんだろう?
私自身を振り返ってみた。
実は、ヘルシオを使いこなす前は、どこか「特別な時に使う調理器具」と思い込んでいた。
たとえば、休日にクッキーを焼くとか、クリスマスにローストチキンを作るとか、特別な料理のためのもの。それが、私が持っていた、いわゆる昔からあるオーブンのイメージだったのだ。だから、普段の料理をヘルシオで作ろうという発想になかなかならなかったし、フライパンの方が慣れているからラクだと感じていた。
さらに最初の頃なんて、「まかせて調理」キーがあるにも関わらず、なぜかスルーして、手動で温度を設定していた私。ここでも、「オーブンはこう使うもの」という長年の思い込み抜けなかったのだ(ちょっと恥ずかしい……)。
本当にフライパンと同じように「焼く」「炒める」「揚げる」「蒸す」ができるなんて!
それもボタン一つ押すという簡単な方法でいいなんて!
脳内変換ができていなかった。
それが、周りのヘルシオグループのメンバーに教えてもらったり、成功体験を重ねたりするうちに、ばっちり脳内にもインプット完了。気づけばヘルシオが一番身近な頼れる調理器具になっていた。
案外、私みたいな思い込みを持っている人って多いかもしれないな。
そう考えていた時、会議で出た案を聞いた瞬間、心が躍った。
「ヘルシオのカフェがあったらどう思う?」
「ヘルシオだけで作った料理を提供するの。普通は厨房でシェフが料理している姿が見えるよね。けど、ヘルシオカフェでは、厨房に並んでいるのはヘルシオで、そこに食材をいれてボタンを押すシェフの姿が見えるようにするの。ヘルシオがフライパンの代わりになることを目の前で体感してもらえるんじゃない?」
「うわ、それいいかも!」
みんなの目がキラリと光った。
毎日の料理に使えることを伝えたいね。
メニューは普段の食卓にのぼるような身近な料理にしよう。
それなら、食材も調味料も身近なスーパーで揃うものにしてたら?
手軽さを感じてもらうためにも、ワンプレート料理にしてはどう?
日常の料理だけど、カフェだからゆったり過ごせる雰囲気も感じとってもらいたいよね。
次々とアイデアが膨らんでいった。
こうして、ヘルシオ20周年記念、期間限定「ヘルシオカフェ」の開催が決定した。
カフェの運営は、社員の手作りにこだわった。
調理のスタッフの方以外、席への案内、料理の説明、試食品の提供、会計……をヘルシオに関わる販売・企画・開発のメンバーたちが担当した。
いつもはモノづくり側の立場で、お客さまと直接、接する機会がない私たち。お客様が、目の前で食べている姿やその表情を直接感じとりたかった。
そして、お客様にもヘルシオシリーズにかかわっている私たちのことを知ってもらいたいという思いもあった。
なぜなら私は、この仲間と一緒に仕事をするにつれ、ますますヘルシオへの信頼を高めていったから。販売や企画のメンバーは、お客様の声に丁寧に耳を傾むけ、「こんな機能があったら、こんな場面で役に立って便利になる」と開発者に提案する。開発者は、一つひとつの技術に対して真剣に、何度もテストを重ね、妥協なく改良を続ける。「確かにこうしたらもっとよくなるのになあ」と、どんな小さなことにも全力で取り組み、応えてくれる。メンバーが一丸となったとき、いっきにギアがあがる。その熱意とプロフェッショナリズムに心から敬意を抱かずにはいられなかった。
そんな私たちのことも含めて、お客さまにヘルシオシリーズをお届けしたかった。
いよいよオープンしたヘルシオカフェ
連日、たくさんの方が訪れてくれた。
中には熱烈なファンの人もいて、毎日日替わりで食べにきてくれる人もいた
さらに、市販の調味料を使いホットクックの「パパッとおかず」で作った料理や、「ヘルシオあたため」で復元した冷凍食品・総菜を温めた料理も皆さんに試食してもらった。
身近な食材もボタン一つでふっくらおいしく仕上がるのだ。
裏技も隠し味もない。種も仕掛けもない。ただヘルシオに入れてピッした料理だ。
口をもぐもぐさせながら目を丸くして笑顔になる。そんな表情が、あちこちでたくさん見られた。
お客様がヘルシオで作った料理を実際に食べるシーンを見たのは初めてだった。私たちが関わったもので、こんなにも人を笑顔にできるなんて!
さらに嬉しかったのは、ある30代前半の共働きご夫婦のテーブルに伺った時のこと。
と、へルシオのカタログを指しながら教えてくれたのだ。
彼女がちらっと彼を見て微笑んだ。
もう胸がいっぱいになった。
ヘルシオの簡単さや手軽さを伝えたいと企画したカフェだったけど、私たちが一番届けたかった思いは、ヘルシオが私たちの健やかな生活を毎日支えてくれることでもあった。そして、その思いをしっかり受け取って、体感してくれている人がいた。
ヘルシオを愛用してくれているお客さんと接していると、どこか共通して「健やかに生きたい」という価値観を持っていると感じることがある。
疲れて帰った夜、家で作ったご飯が、体だけでなく心までほっと満たしてくれる。
ちょっと自堕落な生活を送っていても、家のご飯で立て直せることがある。
食べることで体も心も健やかになって、毎日の生活を少しでも豊かに整えたい。
そんなふうに思う人たちの集まりではないだろうか。
だから、初めて会ったばかりでも、すぐに打ち解けられるのかもしれない。
夜に開催したホットクックの「ファンミーティング」で、「隣の人とホットクックの良いと思うところを話して自己紹介してください」と声をかけただけで、会場があっという間に笑顔と歓声でいっぱいになった。
あっという間に意気投合。推しアイドルについて語る熱気がそこにはあった。
料理は一人で黙々とすると孤独になりがち。
でも、誰かと共有できれば、エンタメになる。
ヘルシオは、「好き」や「大切なもの」を分かち合える存在にもなっていたのだ。
日々の食事やちょっとした時短の工夫、家族が喜んでくれた料理。
そんな「小さな発見」や「嬉しかった瞬間」が、ヘルシオを通じて、家族や仲間とのつながりや時間になっていく。
だからこそ、ヘルシオには「ただの調理家電以上の力」があるのだと感じる。
使う人の暮らしをもっと豊かにしたい、食卓にもっと笑顔を増やしたいという想いが込められている。
健やかって意外とカンタン
ヘルシオカフェを開催していた10日間、私は家を留守にしていたけれど、一度も家族のご飯のことを心配することはなかった。
もう22歳に成長した次女が、家族のご飯を担当し、毎晩、私に写真を送ってきてくれていたのだ。
「今日の晩御飯~!」
メイン料理に、色とりどりの副菜が並ぶ。まかせて料理で同時調理した野菜の数々や、ホットクックで煮込んだ料理が見事にそろっている。
次女のちょっと誇らしげな顔が思い浮かぶ。
次女はあの「ごっくん」以来、元気に育ち、養護学校を卒業して今は高齢者施設で働いている。ただ、障害の影響で、量を正確に把握したり、微妙な調整をしたりするのが少し苦手。たとえば、買い物に行くと、2人前だけでいいのについ多めに買ってきてしまう、なんてこともある。
でも、ヘルシオなら彼女も安心して使えるのだ。分量が減っても増えても、押すのは「まかせて調理」ボタン一つ。肉が1人前だろうが3人前だろうが、あとはへルシオが調整してくれる。ガス料理だとどうしても不安があった火の管理の心配もない。最初はヘルシオを扱うのもドキドキしていたようだけど、今では楽しそうに使いこなす。
実は彼女、私が担当するオンラインのヘルシオ料理教室に何度か参加するうちに、自分で使い方をマスターしてしまったのだ。パターン化された操作が彼女にもわかりやすかったのだろう。
特にハンバーグは彼女の大好きな料理の一つで、よく家族に作ってくれる。
みんなで出来上がりを待って、ヘルシオを開けたとたん、蒸気が立ちのぼって、肉汁からしみだす匂い部屋に広がる。すると、家族みんなが、「うわー、熱々だね」、「おいしそうだね」と自然に笑顔になる。
あ!これって私が思い描いていた理想の家族だんらんではないか!
かつては一生チューブで生活するかもしれないと覚悟した次女が、こうして家族の健康までサポートしてくれる一員になっていて、私が思い描いていた暮らしができているなんて。
あの日、病室で「ごっくん」と飲み込んだ瞬間を思い出すたびに、今、こんな穏やかで温かな日常がここにあることが夢のように感じる。
もう、今では家を出ている上の2人の子どもたちも、頼もしい。
27歳になった長女は、職場の近くで一人暮らし中。
ランチタイムはさっと自宅に戻り、ホットクックで用意した料理を食べているとか。食費も浮くし、健康的にダイエットもできて「ヘルシオさまさまー」と喜んでいる。
25歳の長男は体を使う仕事柄、タンパク質たっぷりの食事が欠かせない。彼の部屋にはしっかりヘルシオとホットクックが置かれ、定番は鶏の胸肉蒸し。まさか一人暮らしの男子の部屋で、こんな健康的な食生活が営まれることになるとは。
実は2人とも家を出る際、「プレゼントにほしい!」とお願いしてきたのが、ヘルシオとホットクックだったのだ!うちの子たちは、へルシオやホットクックに慣れ親しんでいる、いわば、ヘルシオネイティブたち。当たり前のように毎日使っている。
(…というか、ひょっとしてフライパン料理ができないだけかも!?まあ、ヘルシオがあるから大丈夫か!)
離れて暮らしていても、家族の会話は尽きない。
「今日、何食べた?」
「ねえ、聞いて。ヘルシオでこんなおいしいのができたんだよ!」
「今度、教えに行こうか?」
「いいよ、いいよ、オレもう自分で作れるから」
「もー! じゃあ、今度帰ってきとき、みんなで一緒に食べよ!」
それぞれがおもいおもいに好きなものを食べて、笑って。
これからも、そんな風に過ごしていきたい。
さあ、今日もおいしく、「いただきます!」
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