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自分事として生きる
こんちは!副業社労士まさゆきです。
NHK「英雄たちの選択」を毎週見ています。先頃放送の「本田宗一郎 イノベーションで世界を目指せ」は秀逸でした。歴史家磯田道史氏の「日本型経営の特長『社員が会社を自分事化したこと』が高度経済成長の要因。社員に『ウチは社長がだらしないのを社員の皆さんが支えてくれている。ありがとう!』『社長、部長、課長は符合、会社で自分を実現する権利は社員皆平等』と語り自分事化に成功したのが本田宗一郎、今の日本企業に足りない点(筆者要約)だ」とのコメントが腑に落ちました。
『自分事化』は「当事者意識を持って取り組む」ことですが、良くない使い方をされている印象が私にはあります。「会社を自分事化」することと「会社に『しがみつく』こと」を混同している人がいます。上司が「会社の仕事を自分事化して取り組みように」部下に対する「仕事を言い訳出来ないよう押し付けるキラーフレーズ」として使われます。
私が思う『自分事化』とは「会社が求めることと、自分が出来ること・やりたいことに向き合い考え、自分がやるべきことを決めて如何に実現して会社時間を充実させること」です。仕事が進まない理由を他者に求めず、課題と向き合い、自分で解決出来る課題から解決して『自分事化』する。『他人事』の仕事は他者に振り回され憂鬱です。『自分事化』した仕事には充実感があります。
最近会社でよく見る光景。
昭和の管理職は、自分の成功体験(上司に怒られ長時間働いて昇進した思い出)を部下に押し付けるとパワハラになり、身動き出来なくなっています。部下は、上司との価値観との違いに自分の思いの伝え方が解りません。管理職が「どうしたいか教えて欲しい」と部下に語り掛けて自分事化すればいいのに…時間がない?聞く勇気を持てない言い訳でしょう。
余人に代え難いスキルを持つ定年間近の昭和職人に対し「定年延長して若い人に伝承して欲しい」会社の思いは大抵上手く行きません。昭和職人と若い人のスキル差が大きすぎコミュニケーションが成立しないのが原因です。「変なことを聞いたら馬鹿にされる」若い人は恐れて質問を恐れます。昭和職人は伝え方が解らず困惑しています。マニュアル化?マニュアル化可能なら定年延長までするスキルではない。時間だけ経過し、昭和職人が退職して伝承は失敗に終わります。
若い人は昭和職人と対峙する覚悟を決め、昭和職人は若い人と向き合い我慢して丁寧に教える…『自分事化』です。
安全第一・コンプライアンス遵守は最優先事項、今や会社存続に欠かせない。ただ、安全・コンプライアンス遵守のあまり顧客満足度が低下すると、売上が減り会社は存続しない、安全・コンプライアンス遵守と顧客満足度両立が経営課題です。ただ、末端社員には「安全・コンプライアンスを遵守して売上が落ちても仕方ない」言い訳が(口に出しませんが)蔓延しがちです。
経営者は、社員と「安全・コンプライアンス遵守と顧客満足度両立のためどう仕事のやり方を変えるか」腹を割って話し合うべきです。会社が無くなれば経営者も社員も共倒れ、社員に『自分事化』を促します。
社員は転職すればいい?自分事化出来ない社員が転職先で成功するには余程のスキルが必要です。
副業社労士の私は会社と一線を画し会社もそれを認識しています。何時切られても不思議ではなく、仕事を自分事化し、私の価値を会社に認識させるよう常に危機感を持っています。
そして『自分事化』は自分の為でもある。もうすぐ60歳、あと何年自分が思う人生を過ごせるか…社労士も会社も『自分事化』して充実させる、無駄な時間は不要です。
会社以外の時間充実を優先する人が増えていますが、会社と自分の時間、両方充実させることは可能です。貴方の選択は?
ではまた次回