【海外在住エッセイ】てるてる坊主にさよならした日。
シアトルは雨季シーズンが長く、晴れ間が続く快適なシーズンは夏の3か月ほど。
北緯が高いせいもあって、
その時期は夜の8時を過ぎても昼のように明るいのです。
ただ逆に、秋から春の終わりまではどんより曇りが多く、今度は北緯が高いせいでその間の日照時間はぐーっと減ります。早い時は夕方4時半には外が真っ暗。
夜が長いとなればちょっぴり物悲しくて、更に雨が続くとなれば余計です☔️
シアトルに移住したころ、下の子もまだ小さかった事もあって、てるてる坊主を作ったんですよね、晴れますようにという願いを込めて😌
タコ糸をぐるぐる巻きにしたりして、簡易的にバルコニーの天井に貼ったんです。釘とかも一切使わずに。
雨が降ったら取れてしまうかもなぁ、なんて思いながら。
そして雨季シーズン。横なぐりの強い雨は少ないのですが、弱い雨でも長く続けばてるてる坊主にとっては驚異なはず。
ですが、てるてる坊主は落ちなかったのです。
ただ、ティッシュでできている彼らのカラダは泥だらけ。そして夏がやって来て、私たちは日本に一時帰国。
シアトルに戻ったら流石に落っこちているかも知れないなぁ、なんて思っていたらちゃんとそこに居たんですよね。こんな感じで⬇️
驚きと嬉しさと少しの怖さを抱えて、また1シーズン、1シーズンと彼らは雨季を乗り越えて、やがて6年が経ちました。
雨の日も風の日も彼らはそこに居てくれました。
お顔も泥で汚れてティッシュの服もボロボロに。
でも、私の意志で彼らをバルコニーから取ってしまうのは何となく気が引け、そっとしておく事に。
子どもに聞いても、そのままで良いんじゃないか、むしろなんか怖い、呪いでもかかってるんじゃなかろうか、みたいな事を言い出したものだから、やっぱりそのままに。
そんなこんなで過ごしていたらある日、バルコニーが騒がしく……
そうだ、今日はメンテナンスがあったんだと思い出し、いつまでバルコニーは使えないの?なんてスタッフの人と話してたんです。
それから2.3日後、ドリルの音も無くなり、メンテナンスが終わったであろう頃にそっとバルコニーのドアを開けました。
天井が取り替えられ、ほっとしていたら何かが足りない事に気づき……
もう一度見てみたら、彼らがいないのです。⬇️
とうとう、お別れも言えずに、彼らは私たちの元を去って行ってしまいました。
こうやって別れは突然来るものだと、
伝えたい時に気持ちは伝えなきゃと、
彼らに気づかせてもらったような気がします。
てるてる坊主氏、
長い間、見守ってくれてありがとう。
しかし、後日。
メンテナンスはもう完全に終わったので、バルコニー内の落ち葉をお掃除してたんです。
傘立てが元に戻されていなかったので、よいしょ、と移動したら……
いました。彼らが。
明らかにメンテナンスの方がどうして良いのか分からず、ここに置きましたー、って感じの置かれ方だったのですが、戻って来てくれたように思い、かと言ってバルコニーにまた吊るすのも違うような気がして、端にそっと置き直しました。
まだ守りたいものがあって戻ってきてくれたのか、
意外に居心地が良くて帰ってきたのか、
はたまた、何か良い事でも起こしてくれるのか、
なんて、科学的根拠のない話が苦手な私が、非科学的な事を考えているなんて何とも勝手な話だな、と自分にツッコミを入れておいた今宵でございます。
とにかく、お帰りなさいです。
てるてる坊主たち。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました🍁
しゃろん;