投票による得点制棋戦が見たい!という話
勝敗だけで決まらない、得点制の棋戦がみたい
かれこれ1年半ほどV将棋界やニコニコ将棋界隈の棋戦に時々顔を出すようになって、純粋な棋力勝負の他に目隠し将棋、フリーズ将棋、チーム戦、ハンデ戦など様々な企画を視聴者として楽しませていただきました。
ただそんな中で、ふと「将棋の勝敗だけで決まらない棋戦ってないな」と思い、そんな棋戦があったら面白いんじゃないか、と考えてみた次第です。
私が提案してみたい棋戦は、「勝敗以外にも得点がつき、それらの得点によって勝負の勝敗が決まる」というものです。
「将棋に負けて勝負に勝った」というのが現実になる訳ですね。
得点の振り方
さて得点の振り方について、いろいろな案があるとは思いますが、私は以下のような案を考えてみました。
1. 勝敗による得点 20点
あくまで将棋で戦う以上、勝敗に全く点がつかないと将棋が成り立ちません。ですので一応この点は必須でしょう。
2. 視聴者投票による得点 50点
今回の肝となる部分です。youtubeやニコ生の投票機能を使って、視聴者が「次の試合も見てみたい」と思う対局者に投票し、得票数によって40点を分けます。
例えば得票率が40% vs 60%だったらそれぞれに20点、30点が入ります。
3. 実況解説による得点 30点
この企画の調整役です。
主観的かつ大雑把な視聴者投票に対し、客観的な評価を行います。
まず実況解説がいくつかの評価項目を事前に決めておきます。
それらは対局者には知らされず、対局後に明かされ満たした方に点数を加えます。
両方に点数を加えてもいいし、両方に点数が加わらない場合もあると思います。
例えば
・そもそも段位差があったのによく頑張った
・面白い序盤構想を見せた
・機敏な仕掛けを見せた
・苦しい局面で粘りを見せた
・級位者らしからぬ鋭い一手を繰り出した
・優勢ながら1手差の斬り合いに踏み切った
・長手数の詰みを読み切った
・コメント欄が特に盛り上がる一手を放った
・今回あまり本領が発揮できていなかったので、次戦でリベンジが見てみたい
・良い将棋を反則で落としたので今回は見逃してやりたい
などなど。
これらの合計100点を両対局者で取り合い、より多くの得点を得た方の勝ちとします。
生じうるメリット
投票のために視聴する人が増える
視聴者が応援したい人は、次の対局を実現させるために投票のために見に来るモチベーションが生じるかもしれません。
個別の枠が盛り上がる
中継枠だけではなく、各対局者が対局中に何を考えているのかが分かれば投票の基準の一つとなりえると思います。
各対局者の枠も盛り上がる可能性があるでしょう。
感想戦や事前対策にも目が行く可能性がある
視聴者の投票基準に感想戦のうまさや事前の準備などが入る可能性もあります。これまで注目されづらかった勝敗以外の部分も注目されやすくなりそうです。
面白い将棋が増える可能性がある
勝ちより魅せる将棋を目指せば、視聴者にとって面白い将棋が増える可能性があると思います。
デメリット
登録者数勝負になる
登録者が多いVtuberがファンの数で圧倒してしまう危惧があります。将棋Vの常連視聴者さんを見ている限りではあまり贔屓をし過ぎずに判断してくれそうですが、そうでない視聴者も多くいるでしょう。
実況解説の評価項目が難しい
何を以て評価項目とするかは難解です。対局者に意識されすぎないよう多めに考えておく必要がありますが、そんなに思いつかなかったです。
他力本願寺
こういう企画は自分でやれ!と言われそうですが、ニコ生視聴者はコメント欄を見る限りYoutubeよりも治安が悪そうなので難しい気がしてます。
また将棋Vのように長期間にわたり多数の参加者を抱えて運営できる人がいません。この辺りはうらやましく思うばかりです。
発想の発端
最近いろいろあって、今の将棋動画・将棋実況に「勝つこと」が求め過ぎられていると感じたことです。
私は強い人が勝つだけの将棋が嫌いです。(良い悪いではなく、個人の好みとして)
強さを誇示する場ではなく、時に優勢から大悪手を指してひっくり返ったり、時に級位者らしからぬ鋭い一手で湧き上がったりして動画や実況を楽しめたらいいな、と思っています。(この辺りは人によって大きく差があるので、共感してもらえないかもしれません。)
だからこそ角筋も見えないしせっかちだし汚いこの界隈に入りました。
強さを求めるのはプロ棋士、AIがやってくれると思います。
アマチュアなんですから、将棋は和気藹々と楽しめるものであってほしいものです。
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