#1 Salesforceは標準に寄せるのが正解?! 分かっちゃいるけどやめられない4つの作り込み
初めまして!sharewareです。(株式会社リゾルバが運営するSalesforce利用企業向けのソフトウェア事業です)
2023年1月公開を目指してサービスを準備中です。
Salesforce利用企業様向けの発信をとおして、繋がれたらうれしいです!
はじめに
さまざまなPRJの現場やSNS上でのユーザ企業の方、プロの開発やコンサルの方の嘆き/つぶやきをみていると
“Salesforceの標準やベストプラクティスに寄せずに、がっつり作り込んでしまう”というケースがよくあるようです。
開発自体がダメということでは、絶対にないのですが、
製品のポテンシャルが活用しきれず、人手の作業にお金や時間といったコストをかけてしまい、しかもそれが長い目でみても続いてしまう、というようなことであればもったいないですね。
今回は、この分かっちゃいるが避けられない件について解説していきます。
(そしてsharewareの紹介も・・・)
結論、プロジェクトの関係者は互いに無駄な作り込みを避けるべきだと思っているけど、結果的に作り込んでしまう、という力が働くだけのようで、声高に叫んだり精神論では避けられない問題です。
タイトルの答えだけが気になる方は↓の方の
"分かっちゃいるけどやめられない4つの作り込み"のところまで飛ばしても大丈夫です。(全文で5分、結論だけで2分程度で読めます)
なぜ作り込みが起きるのか?
1.SIer、コンサルが悪い説?
実はエンジニア目線でみても価値が低い気がするわりには難しい作り込みがあるとモチベーションがでなかったり、マネジメント側も開発中や後々の問題になるリスクが高かったり、現場の残業も増えたり、何より手離れも悪いです。
コンサル目線でみても初期のシステム投資がかかりすぎたり、
業務改善が遅れるとフィーの算段も変わってくるので厄介です。
パッケージのカスタマイズができる人は増やしやすいですが、作り込みの多い開発案件に対応できるできるひとは増やしにくく、アサインが難しかったりするのは事業目線ではボトルネックになるのも事実です。
コモディティなものの方が当然扱いやすく全体としてはスケールしやすいんです。
短期的には、やること増やせば増やすだけ売り上げあがるから作り込む、
みたいな、お商売という事情もなくはないですが
結局のところ予算とリソースあってのことですし、
予算をかければかけるほど、ユーザ企業さん側も背に腹は変えられないムードに・・。
裾野のひろーい中小企業向けのマーケットでは”無理に作り込む”は、中長期的にあんまりいいことにならない考え方だなと、多くの人が体感してることだと思います。
2.ユーザ企業が悪い説?
普通に考えて、”そもそもSalesforceを知らない”という状態のことがほとんどだったり、もしいても、“自社の経営戦略と業務に詳しくて、システムにさわれる人、がSalesforceを知っている”ということってかなりマレです。
また、多くのユーザ企業のキーマンの方は「うちの事業と業務は同業と比べても特殊で複雑」と言うようにとっても解像度高く業務をみていたりします。細かな売り方や商品設計の違いとか、例外的なプロセス、取引先との歴史と慣習、などが見えていると、抽象的なベストプラクティスの概念や要件/運用のフィットがすんなりイメージできるかは疑問です。
“Salesforce”も知らなければ
“ベストプラクティス”も分からず
“作り方もしらないから寄せ方も分からない”って感じなので
作り込みをするか製品を活かすのかを明確に判断することって難しいですよね。
3.Salesforceの人が悪い説?
Salesforceサービスは決算を読んでも分かる通り
“Land&Expansion”、最初買ってもらってからライセンスが追加されて顧客企業の売上が育ちます。
作り込みで機能や使い方、特定の開発ベンダーにロックされてしまうと、製品活用の拡大スピードが落ちて損ですし初期コストがかかるなら、その後の追加投資ハードルもあがります。
もちろんライセンスを売る仕事ではあるので売ることを頑張るインセンティブはあると思うのですが、そもそも安くはないものに安くない無理な作り込みを載せて提案して受注するのはむしろ難しいですし、
手のかかる売り方よりはリスクの低い売り方の方が新しい商談に力を割きやすいはずです。
4.結局全員引き金になる可能性がある
まとめてみると、
みんな短期的にみると、作り込んだ方が得or楽ということはありそうだけど、中長期でみるとまぁまぁ困るのが分かります。
構造的なものなので、精神論で解決できそうにありません。
全然Salesforce関係ないのですが、先日こんな出来事が…
先日オフィスの物件候補で内装工事の見積もり取得に初挑戦したのですが見事に想定よりゼロがひとつ多くガクゼンとしました。
あとで思うと、
建物の構造的にむずかしい箇所とか、
配線のとおし方が難しくなる造作とかもあった気がしますし、
自分で家具運び込んだり、一部DIYできる部分もありそうで、
ほんとうは初めからこの辺りを、会話しながら擦り合わせられるパートナ探しや進め方が必要だったなと・・・
今回はコストが合わなすぎて断念しましたが、
環境に適していない作り込みのオーダーをわたし自身がしていたと思います。
・・・と、
やはり目的に合わせて手段を提案してくれる人だったり、
手段に踏み込んで要望を調整できる人を大切にした方がいいな、
というのは間違いないこととして、
結局"人だよね"の話になってしまうと元も子もないので
こういった悪気なく"作り込みに発展しやすい要求の発生ポイント"についてsharewareが発見した4つの分類をご紹介します。
分かっちゃいるけどやめられない4つの作り込み
■sharewareプロダクト4つの源泉
はじめは要望とか意見という形でカジュアルにでた内容でも
・どの程度のレベル感の要望なのか
・超重要なのか
・そもそもできるのか
・現実的にはどの方法でどの程度のコスト
を判断すると、どれも絶妙で、
Salesforce製品やAppEx製品の拡張で受け止めるか、提案を変えるか、ユーザ企業が妥協するか、コストをかけるか、など当事者間でオーナーシップが浮きがちなテーマです。
買い手のユーザさんがいいと言うならそれでいきましょう、というのが一番ラクです。
少しだけ解説するとこんな感じです。
1.小さな機能
例えば帳票1枚だけ出せるとか、操作がちょっとだけ便利とか、今回の利用範囲だとそれで十分そうだけど、それだけができる製品はなくてワンショットで作るとまぁまぁ高くつく。
2.将来の機能
当たり前にできそうなんだけど、意外とできない機能。当然将来の製品改善のロードマップにのってるけれど少し先で、我慢がするのは地味に厳しい感触なので、作りたくなる。
3.未知の使い方
ローコードPlatform機能の拡張による最新の実装方法など、実は製品のポテンシャル的には有効に解決できて、拡張性やメンテナンス性にすぐれてるけれど、まだ手段としては一般的でなく、従来からの開発による拡張手段で対応されやすい。
4.身内向けの仕様
グローバル製品ならでは。狭すぎず、広すぎずな再現性のあるニーズは国産の別SaaSで一部カバーされるけれど、代わりにSalesforceじゃないと出来ないことも多く、悩みの種。
これらは、一つ一つは小さくて、予算や工期的に許容できそうだったりするのでお金を出す人や作り人、誰かが了承してちょっとずつ増えていって、段々作り込みが重なっていきます。
これらの要求を出したくなった場合、出てきた場合、誰かに答え委ねたりせず、情報収集とコミュニケーションを尽くして対応した方がよさそうです。
■sharewareの担うポジション
上の4つの要求は
ビジネスの変化と共に重要性が下がったり、
代替案が見つかりそうだったり、
何と何をトレードオフすることになるのか買い手側も見えなかったりするのでなるべくなら、最初に検討や開発コスト(時間やお金)すらかけたくないですよね。
ここの領域に、コストが低く、簡易にFitGapできて、後腐れもなく安心してあとで捨てることさえも簡単なツールがあれば、
製品の比較選定や開発の見積もり取得と精査、予算の上申などプロジェクトの検討や実行コストのムダを抑えて走りやすいはず、そう考えました。
走って、課題がより明確に見えてからであれば、AppExchangeの神機能やCSのありがたさ、カスタム開発してでも必要な機能の要件もしっかり分かり有意義な時間とお金の使い方ができるはずです。
ただ、この領域をプロダクトにするには一つ一つの付加価値が低く、将来的に代替される部分もありビジネスが非常にしづらいためプレイヤーがなかなか出てこないのも実情です。
今回この儲かりそうにない領域に対して、地道に取り組んでいきたい、と思っています。
一つ一つが小さく、無数のユーティリティが必要になります。
それを小さな運営コストで作り続けないといけない。
そのため、1つ1つはサポートも機能追加も手厚くはできないため、サポートツールやツール活用者の皆さんとの規約も新たに設計しています。
また、買い切りで永続ライセンスを有効化するような仕組みも開発しました。
ゆくゆくは、これまで製品化しようか無償で出すにもどこで出そうか迷われていた開発者の皆さんと協力してラインナップを増やせればとも思っています。
Salesforce導入企業と内製利用の爆発的な増加を背景に、兼任/専任の一人Admin(Salesforce管理者)の方も増えています。
圧倒的に不足する手数と時間、運用や引き継ぎ/増員を睨んでなるべく減らしたい作り込み、現場から絶えずあがってくる要望、
こういった状況でSalesforceのカスタマイズ、パートナ製品やインプリ企業のサービスに続く武器の一つとしてsharewareを提供していきたいと思います。
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