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リアルとオンライン、両方OKになった世界で起きる変化とは?

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2020年、コロナがもたらしたもの。
世界中の企業・組織にとって、大きな転換点となりました。

リモートワークが常態化したのがコロナ禍だとすれば、
「リアル」も再びOKになってくるコロナ後の世界は、
いったいどうなるのでしょうか?

シェア街コミュニティラボにて、住民の方たちとともに考えました!

「人との出会い」はオンラインが先に?

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外出自粛が盛んに謳われた、2020年。
「リモート(Zoom)飲み会」という言葉が流行りました。
人と人の出会いがオンライン化された、とも言えます。

それに伴い、SNSで情報発信をする人の存在感が増すのではないか、という意見が上がりました。従来のようなマスメディア(テレビや新聞)における、全国規模で著名な人から、マイクロインフルエンサー(小規模だが一定のフォロワーに影響力を与える人)的な現象がより広まるのではないか、と。

そのひとつに、地方のアイドルがたくさんいる例が挙げられました。現在はバーチャル上のみで会えないけれども、現地に行けば会うことができる。オンラインの環境でファンになってから、リアルの世界で対面し、ツアー化される可能性も。

そんな「オンラインから人を知る」は、ゲストハウスにおいても起こり得るかもしれません。例えば、宿泊を希望する人がオーナーと話したい、というとき。オンラインで知り合うところから始めることで、実際に会う際の敷居が低くなると思われます。

参加者の方の中でも、コロナの中でオンライン上だけで知り合った人が多い、という声が上がりました。最初はオンライン上で、ゆるやかに知り合う。それから「リアルで会う」喜びを実感していく。そんな流れが継続するかもしれません。

「はたらき方」はプロジェクトベースが増える?

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「オンライン化」は、はたらき方にも影響を与えました。
リモートワークやワーケーションといった言葉が日常的に飛び交うようになったのも、コロナ禍の最中ですね。

カナダ在住で、元より(コロナの前から)オンラインのツールを使いこなし働いていた住民さんからは、「場所も距離も関係なく、プロジェクトベースでの働き方が進むのでは」というアイデアが出ました。移動制限が大幅にかけられた一方、海外と共同で計画を立てる動きも、「オンライン化(=どこでも会議できる)」の波によって、逆説的に増えるかもしれません。

また、出張文化の衰退も挙げられました。地方の仕事だと、現地まで赴かないといけないのが従来のやり方でした。それが「コロナで行けない」ことになり、オンラインで気軽に話せるように。ある住民の方は、仕事で仙台市まで行くのに片道で一時間、往復で二時間かかって大変だった中、その分の移動時間がすべて仕事に当てられてありがたかった、と実体験を語られています。

一方、オンライン化によって常に自宅から働くことで「息がつまる」のではないか、という意見も。いつも同じ風景でいる中、出張が良い意味で息抜きにもなっていたのでしょう。「オン」と「オフ」のバランスが、さらに求められる時代へと移行しつつあるのかもしれません。

「EC」はメリットを与えつつ...?

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「オンライン化」は流通にも影響を与えました。「巣ごもり」需要が加速した中で、スーパーの食品を通販で注文したり、Uber Eatsを利用された方も多いのではないでしょうか。

この「地理的な距離」を問わない利点は、住民さんも実感されたそうです。例えば、東京の有名なお店で手に入るような食べ物も、地方にて通販で取りよせられるようになったり。また逆に、東京にいながら松本のものを消費できるようになったり。「どこでも」が加速された利便性は、コロナ禍の生活を特徴づけるものでしょう。

その一方で、どこまでこうしたEC (E-Commerce: インターネット上のモノやサービスの取引) が残るかは、考える余地も。コロナのため、やむを得ずオンラインで対応してきた店舗が多い中、実際は(特に郵送は)手間がかかって、収益の構造上あまり儲からないのでは、と。またオンライン上のみだと信頼関係を築きにくい、という懸念も挙げられます。リアルがOKになれば、結局お店だけに戻るのではないか? という意見も出されました。

流通のしくみにおいて、何が利点であり、何が不利となるのか。その線引きが緻密に検証されていくのが、コロナ後の世界かもしれません。

「大学」は、オンラインとオフラインが並行?

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「大学」においても、オンライン化の波はやってきました。対面での授業・講義は避けられ、ビデオツールで交わされるように。キャンパス上での「リアル」な時間が減った中で、どんな変化が起きつつあったのでしょうか。

現役の大学生住民さんからは、「横のつながり」が生まれづらい、という声が上がりました。東京に新しく移り住むも、最初から授業がすべてオンラインとなり、同期と知り合う機会がない。「勉強」の時間だけでなく、新しいコミュニティに入ることで得られる学びの機会が失われているのではないか、と。

オンラインのみの世界は、「文化が断絶しやすい環境」なのかもしれません。例えば、学園祭が中止された結果、運営を体験していない以後の世代が受け継ぐのは、困難を要することに感じられます。講義等においてのオンライン化は残るだろうとも予測される中、リアルでしか伝わらない「学び」の価値は、これからのコロナ後の世界においても大いに試されていくと思われます。

「組織」は、帰属感を持ってもらうための活動が増える?

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大学生と同じく、「つながり」の欠如感は、新卒の社員さんにも感じられていたのではないか、という意見も出ました。出勤がなくなり、業務がオンラインに移行した中で、「ほんとうに私は所属しているのだろうか?」と不安に感じられたりも。

「リモートワーク」や「副業」の流れがこれからも継続していくとすれば、いかにして組織への帰属感を保つかも問われてきそうです。

ある住民さんは、外資系の企業で働いている中、ノベルティ(会社によるグッズ)が送られてくる実例を挙げました。社員の人たちに着てもらえるようにと、ロゴが入ったパーカーなどが送られてくるそうです。

また、理念の共有を行う目的で、会社についてのクイズが送られたり。自社が何を目指しているのか、知れる機会を増やしていくが肝要なのではないか、と。他にも仕事における目標設定や評価を多く用いることで、働いている人の意識を促したり。また社員インタビューを行うといいのでは、という意見など、多彩な考えが出ました。

組織の中で、どのようにして人と人の信頼関係を醸成していくのか。オンラインとリアルが融合した世界では、ますます問われてきそうです。

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