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あっ! の後のポロリ

昨日もトイレのお話をさせていただいたが、
本日のトイレのお話を。

弊店の周りには店がない。
夜になると店外は真っ暗で、弊店だけが明るく灯っている状態となる。

そんなところにあるので、
トイレに行きたくなると、
弊店にやって来る人たちが多いということを
開業しばらくして理解した。

開業して1週間ほど経った頃、
大きなものなど3つほどのカバンを抱えた女子中学生がやって来た。
「いらっしゃいませ」
「すみません、トイレ貸してください」

弊店のトイレは厨房を通ってから行かなければならず、
小さなトイレなので、
客席でカバンなどを置いて行ってもらったり、
靴をスリッパに履き替えてもらったりしなければならない。

彼女はカバンを置き始めた。
焦っているのがわかった。
カバンを置いて、スリッパに履き替えた時、
「あっ!」
と言って、お尻に手を当てながらトイレに向かった。

間に合っていれば良いのだが。

用を足し、
「ありがとうございました」
と彼女は去って行った。

便器の外に、
おひとつポロリと彼女の分身が落ちていた。

あの「あっ!」の時のものだろう。

こんな子どもたちが増えたら、
世界から戦争なんて無くなるのになあって思った。

(らおばん)

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古本喫茶店主らおばん
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