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あずきちゃん、緊張の愛の告白

当時小学4年生だったあずきちゃん。
友だちを5人くらい連れて店にやって来て、
かき氷を食べた。
なんかいつもと違い、
緊張感のある雰囲気が漂っていた。

すると、あずきちゃんが、
「おっちゃん、あずき、今から告白するねん」
「告白? 告白って愛の告白か?」
「愛というか、『付き合って』って言う告白」
「おう、そうなんか」
「緊張するわあ」
「どこで告白するん?」
「親水公園」
「親水公園か。知ってるやついっぱいおるんちゃうん?」
「そやで。みんな見てると思うわ」
「うまくいくとええな! 応戦してるで」
「ありがとう!」

かき氷を食べ終えると、
連れて来た友だちを引き連れて親水公園に向かった。

30分ほど経った頃、
あずきちゃんたちが店に戻って来た。
10人くらいに増えてるやん!

「おっちゃん! うまくいったわ! ありがとう!」

報告しに来てくれた。

それから2週間後くらいに、
あずきちゃんは男の子と2人でやって来た。
告白をした子だろうか?
そうに違いないと思うが、聞くのはやめた。

男の子を連れて来たのはそれっきりだった。

もちろん、私も彼氏とどうなったかは聞いていない。

こんな子どもたちが増えたら、
世界から戦争なんて無くなるのになあって思った。

(らおばん)

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古本喫茶店主らおばん
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