過去を忘れる者は過ちを繰り返す
20世紀を生きた者として
この夏、スイスとポーランドを旅した振り返りを、何回かに分けてしてきましたが、なかなか、これだけは簡単に書けなくて、今日に至りました。いまだにどう表現しようかと悩んでいます。
いつかはアウシュヴィッツを訪れたいと長く思っていました。ここで(ここだけではありませんが)起きた出来事、ホロコーストについては、もちろんそれなりに見聞きしており、実は、現地を訪れて初めて知ったというようなことは、ほとんどありません。
幸運にも、唯一の日本人ガイドである中谷さんに案内いただきましたが、非常に分かりやすい素晴らしい説明で得心のいくものでした。それは別の言い方をすると、これまでに自分が受けてきた教育、マスメディアや書物等から得た知識、それに基づいて形成されてきた考え方などを改めて確認できたのであり、あらたな気付きや発見があった訳ではありません。当時の収容所の様子、展示物は、この出来事の悲惨さを伝え、やるせなさを、改めて感じさせてくれましたが、あくまでも「改めて」です。
自分は何故アウシュヴィッツを訪れたのか?何故訪れたかったのか?
EUの教育プログラムに組み込まれているとのことで修学旅行なのか、欧州各国から21世紀生まれであろう多くの若者が訪れていました。
同じ20世紀を生きた者として、少しだけ使命を果たしたような不思議な安らぎを感じながら、人類最悪級の負の遺産をあとにしました。