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2024年ベストドラマ トップ10

良作の多い年だったと思います。私は明確なメッセージにひた走るタイプの作品を苦手としていて(良質かつ誠実なのは分かるが好きになれない)、ゆえに近年のドラマのトレンドは刺さりづらかったのですが、配信限定も含めると今年は久しぶりに連続ドラマであることの豊かさを堪能できました。大半は配信中。皆さま是非!(特に1位)


10位 3000万

ふとした結果で3000万円を手に入れてしまった家族が巻き込まれるブラックサスペンス。あまりにもリアルタイムで報道されている事件と近似しすぎて辛い週もあったが、それを凌駕する展開の力。正常化バイアスのために次の瞬間には悪い方向に進んでるという笑えない笑い。ふとした拍子に闇の側へと踏み入れかねない緊迫感は今だからこその手触り。ショッピングモールやスーパーの場面での生活と不穏の対比が絶品だった。


9位 虎に翼

朝ドラはここまでやれる、という可能性の拡張。稀代の喜劇役者・伊藤沙莉の表情、発声、リアクションが至極抜群。何でもないシーンでこそ光る凄さ。


8位 滅相も無い

自分の人生をどう語るのか、そして突如現れた“現実の裂け目”に対して何を託すのか。演劇 × 映像の豊かな実験、これが地上波で流れていた奇跡。


7位 私のトナカイちゃん

悪意や憎悪、不可逆な苦しみ、絶対的な理解できなさ。ケアや寄り添いで安易にまとめず、他者関係の地獄と希望の可能性を両立させたラストシーンが圧巻。



6位 地面師たち

”最悪の展開“を求めてしまう破壊願望が快楽中枢を突き続けるドラマ。こういう犯罪サスペンス系の作品ってそりゃあドキドキするだろ!という感じで今まで軽視しがちだったのだけど、本作は劇中で”悪を欲望する本能”への言及があり、丁寧な手ほどきでその悪行に魅了されてしまった。凛と設計されたルックも、キャラものとして抜群なセリフ回しもよく、また劇伴も上質。テクノがこれほどまでに物語を小気味よく運んでいくとは。


5位 海に眠るダイヤモンド

現代の東京と戦後の端島をミステリー的に繋いで味の異なる面白さを付与しつつ、伏線らしきものをある種ぶん投げる結末を見せたのが痛快。考察に溺れるな、という野木亜紀子からのメッセージ。最終話はだいぶ泣いてしまった。悲しみや苦しみではなく、どうにもならなかった過去を前にしてどう歩いていくのか、誰と出会い直していけるかという祈りに泣いた。廃墟に息づいた血と汗をノスタルジーではない形で呼び覚ましたのだ。


4位 不適切にもほどがある!

自分の子供を抱きながら、不確かな未来を不安に思ったあの日々の伴走者として居てくれたこと、忘れない。生や死すらも超える、親愛の物語だった。


3位 三体

得体の知れない概念で導く不気味さと、知能を結集させるお仕事ドラマ的な熱量と、迫る地球の危機の比喩などSFエンタメ要素山盛りだけど整然としていて、既視感と未知感の配分も絶妙。何シーズンでも観てたい面白さ。


2位 新宿野戦病院

“医療ドラマ”って超苦手なジャンルだったけどさすがクドカン、病気をミステリーに用いたり、院内政治のドロドロを描いたりせず、真っ当に医療の物語を描いてくれた。今なお最前線の脚本家であり続けている証拠がここに。


1位 THE CURSE/ザ・カース

観る前には戻れない、というレベルのとんでもないドラマ。金持ちバカ夫婦の失敗ショー、搾取と善行の狭間を突く風刺コメディ、色々積み重ねておきながら最終話で全部どうでもよくなっちゃう。これぞ贅沢な不条理。観れて良かった。



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