今週配信で観たライブ(後藤正文×中村佑介/おとぎ話/藤井風)
8.15 中村佑介20周年展 中村佑介×ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文 Live&トークショー(アーカイブ8.21まで)
大阪あべのハルカスで開催中のイラストレーター「中村佑介20周年展」。そのイベントの一環として2002年のデビュー以来ほぼ全ての作品で20年に渡ってジャケットに中村のイラストを使用しているアジカンのVo&Gt後藤正文とのトークショーが開催された。トークパートは中村さんの仕切り力が凄すぎて情報量も笑いもたんまりあるハイカロリーさ。でもかなり貴重な話が多かった。特に『サーフ ブンガク カマクラ』に至るまでのステップが近しい中村さんの口から語られるところは必見だと思う。最後はサインをめぐってのじゃんけん大会までオンエア。色々とほっこりした。
後半はゴッチのアジカン縛りによる弾き語り。「弾き語りでアジカンの曲やってるとバンドでやりたい!って思う」と語っていた姿が印象的で、今のアジカンの風通しの良さが窺える。しかしアコギ1本で紡がれる曲も新鮮でいつも素晴らしい。「De Arriva」は原曲の孤独感がさらに際立ち、「UCLA」はブルースハープもまじえてフォーキーな装いに変わっていた。必聴だと思う。アジカンでのフェスのセトリを悩む問題なども口にしていたが個人的には自由にやったって、としか思わないな。ラストの「生者のマーチ」まで和やかさと確実な歌心で届けられた1時間。是非ともゴッチ弾き語り、生で観たい。
<setlist>
1.ソラニン
2.荒野を歩け
3.触れたい 確かめたい
4.De Arriba
5.UCLA
6.迷子犬と雨のビート
7.転がる岩、君に朝が来る
-encore-
8.生者のマーチ
ここからはアーカイブは残ってないですが、あまりにも素晴らしかったので8/13の夜に配信されていたライブ2本の感想を書き記したいと思う。
まずはおとぎ話「幻の野音」。本来はバンド悲願の日比谷野外音楽堂でのワンマンライブで僕もチケットを確保していたのだけど台風7号メアリーの猛威により中止。配信にて同時刻から開催されたのは無観客生配信による新代田FEVERでのライブだ。この日はみっちり26曲。野音で予定されていたセトリを全て披露したことになる。正直、1年前から準備していた大舞台ゆえメンバーのことを思うと切なくもなったが演奏する姿はマイペースかつ自由そのもので安心した。有馬和樹(Vo/Gt)は「新代田野音!」と繰り返し、牛尾健太(Gt)は「ビューティフルサンセット、、」と野外を思い浮かべていく。
その姿こそ、まさにおとぎ話のロックンロールそのものだと思った。少年心を忘れることなく、逆境をもひらりとかわしながら、音楽の説得力で多幸感をもたらしてくれる。愛や恋のトキメキと溢れんばかりのロマンと優しさで胸いっぱいにマジカルな心地をくれる。そんな時間がずっと続く居心地の良い配信ライブだ。最新作、そして初期作、更に節目となった代表作『CULTURE CLUB』『ISLAY』からの楽曲を多めに作り、純粋に良いメロディを求めてきた時期と昨今のグルーヴ進化を並列にした、バランス感抜群のセトリだった。一刻も早くワンマンが見たい。来年のクアトロ、予定空けてる。
そしてライブ当日に突然生中継されることが発表されたRISING SUN ROCK FESTIVAL.2022での藤井風のステージ。0:45というなかなかの時間帯からのスタートで夜中の野外ライブの映像を生中継で見るなんてなかなか新鮮。そのワクワク感のままステージにふわり現れた藤井風が歌い出したのがVaundyの「踊り子」だったから大いに驚く。この日の藤井風はVaundyのコロナ感染による代打出演。それゆえのカバーという小粋さ!しかしここから3曲、Vaundyのカバーを連続して粋を超えて透徹した音楽表現として成立させていた。飄々とした振る舞いも、カリスマすぎる。
「何なんw」「帰ろう」で自分の世界も提示しつつ、この日の軸はコロナでライジング出演が叶わなかったアーティストの曲をカバーしてこの祭りを成立させること。King Gnu「Vinyl」をジャジーに歌い、カネコアヤノ「祝日」は素朴でひらたい歌で聴かせる。BiSH「オーケストラ」は原曲の美しさを掬いあげる丁寧な歌唱でそれぞれのアーティストを自分に降ろすシャーマン的なパフォーマンスだった。今日の欠員がこの4組だったことも偶然に思えぬ。現行ポップスの全てを飲み込み放出するような畏怖すらあった。最後は盆踊りで季節感も完璧。スターすぎる存在に興奮した。
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