マハーバーラタ/6-18.バガヴァッドギーター⑯~良い特性と悪い特性~

6-18.バガヴァッドギーター⑯~良い特性と悪い特性~

シュリーバガヴァーン(クリシュナ)は言った。
「アバヤ(恐れがないこと)、サットヴァサムシュッディ(考えの純粋さ)、ジニャーナヨーガ(熟考)への専心、ダーナ(チャリティー)、ダマ(器官の統制)、ヤジニャ(儀式)、スヴァーデャーヤ(自身のヴェーダの系統に従った詠唱)、タパス(規律)、アールジャヴァ(一貫した考え)、アヒムサー(傷つけないこと)、サッテャ(真実に満ちていること)、アクローダ(怒りの解消)、テャーガ(手放すこと)、シャーンティ(考えの解消)、アパイシュナ(他人を中傷しないこと)、生きとし生けるものに対するダヤー(思いやり)、アロールプトヴァ(切望がないこと)、マールダヴァ(優しさ)、フリー(謙虚さ)、アチャーパラ(肉体的な動揺のなさ)、テージャ(輝き)、クシャマー(落ち着き)、ドゥルティ(不屈の精神)、シャウチャ(清潔さ)、アドローハ(悪意がないこと)、ナティマーニター(誇張しないこと)、これらすべてがデーヴァの富に生まれた者の為にあるのだ。バーラタ(アルジュナ)よ。

パールタ(アルジュナ)よ。ダムバ(偽善)、ダルパ(傲慢)、アビマーナ(他人からの尊敬を求めること)、クローダ(怒り)、パールシャ(荒々しさ)、アジニャーナ(分別のなさ)、これらはアスラの富に生まれた者の為にあるのだ。

デーヴァの富はモークシャの為に、アスラの富は束縛の為にあると考えられている。パーンダヴァ(アルジュナ)よ、悲しむな。あなたはデーヴァの富の為に生まれてきたのだ。

この世界に現れている二種類の者達がいる。ダイヴァ(デーヴァに属する者)とアースラ(アスラに属する者)だ。ダイヴァについてはすでに詳しく語った。パールタ(アルジュナ)よ、アースラについて聞きなさい。

アースラの人々はプラヴルッティ(探求すべきこと)とニヴルッティ(手放すべきこと)を知らない。彼らの中にはシャウチャ(清潔さ)も、アーチャーラ(正しい行い)も、サッテャ(真実)もない。

彼らが言うには、この世界はアッサテャ(不誠実)で、アプラティシュタ(倫理的な基本がない)で、アニーシュワラ(神はいない)で、アパラスパラサムブータ(男女の結合によって生まれたもの)で、カーマハイトゥカ(情熱によって動くもの)であり、それ以外何もないのだと。

この見方に従うのであれば、考えが破壊されている世界の敵達は、その劣った考えと残酷な行いで世界を破壊する為に存在していることになる。

叶えることが難しい欲望に頼り、ダムバ(偽善)、マーナ(尊敬を求めること)、マダ(傲慢)だらけの人たちは、モーハ(妄想)によって適切ではない目的を叶える為に様々な行いの道を進む。

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