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三つのシャーンティ
ヨーガで使われる言葉、サンスクリット語にシャーンティという言葉があります。
調和、平和、落ち着き、などと訳されています。
伝統的なヨーガのクラスではクラスの最初と最後にシャーンティを3回唱えます。
3回にはそれぞれ意味があります。
調和、平和、落ち着きがあって欲しい場所が3ヶ所あるのです。
その3ヶ所に向けてシャーンティがあることを願っているのです。
1ヶ所目は自分の中。
私の中がシャーンティでありますように。
くつろげる体。落ち着いた考え。
ざわざわすることなく集中できる思考状態。
まずは自分の中に調和、平和、落ち着きがあるべきです。
2ヶ所目は自分の身の回りの世界。
私がいつも過ごしている環境が整っていることも大事です。
自分の家、家族、職場。
私が影響を与えることのできる範囲の世界のことです。
私が努力することで整えることができる世界のことです。
より良い環境に変えることも一つの方法です。
もしくは変えずとも、そのまま受け入れることももう一つの方法です。
彼らに「そのままでいいよ」と、あるがまま受け入れてあげること。
その態度が彼らを落ち着かせることもあるでしょう。
3ヶ所目はもっと遠くの世界。
自然災害は個人の力ではどうしようもありませんが、
災害が起きている中で人は落ち着くことはできません。
だから人は祈ります。
祈りは効果があるのでしょうか?
意味があるのでしょうか?
あります。
もし意味も効果もなければ、長い歴史の中で人は祈ることをやめていたはずです。
大災害が発生した時、人々は祈ります。
自分ができることを全てした後、これ以上は私は無力だと感じていても、
もう一つできることが祈りだからです。
五感が届かないエリアの世界があります。
そこに働きかけるのが祈りです。
年が変わるタイミング。
祈りのタイミングです。
3回のシャーンティ。
私に、周りに、世界に平和があるように祈ってみましょう。
祈れる人がいて、祈りの輪が広がって、
世界はだんだんと平和に近づいていくはずです。
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