マハーバーラタ/6-3.バガヴァッドギーター①~アルジュナの悲しみ~
6-3.バガヴァッドギーター①~アルジュナの悲しみ~
ドゥリタラーシュトラは言った。
「サンジャヤよ、ダルマの宿る土地クルクシェートラに戦う意欲に燃えて集まった私の身内達とパーンダヴァ達はどうなっているのだ?」
サンジャヤが言った。
「ドゥルヨーダナ王はパーンダヴァ軍の隊列を見てドローナ先生に近づいて話しかけました」
ドゥルヨーダナは言った。
「ドローナ先生、あなたの優秀な弟子であるドゥルパダの息子によって配置されたパーンドゥの息子達の大軍を見てください。
ビーマとアルジュナに匹敵する無敵の達人がいます。サーテャキ、ヴィラータ王、偉大な武勇のドゥルパダ王、ドゥリシュタケートゥ、チェーキターナ、勇敢なカーシーの王、プルジット、クンティボージャ、男の中の男シャイビャ、とても力強いユダーマンニュ、勇敢なウッタマウジャス、スバッドラーの息子(アビマンニュ)、ドラウパディーの息子達、これら全員がマハーラタ(一人で一万人を相手にできる熟練の戦士)達です。
しかし、偉大な二度生まれの中でも賢いドローナ先生よ。私達の軍の中にも有能なリーダー達がいます。彼らの名前を挙げましょう。
まずは誉れ高いドローナ先生、あなた。そしてビーシュマ、ラーデーヤ、いつも勝利の人クリパ、ソーマダッタの息子(ブーリシュラヴァス)、ジャヤドラタ。他にも私の為に命を捨てた多くの戦士がいます。全員が様々な武器を扱う達人です。
私達の軍はビーシュマによって守られているので、決して敗北することはありません。敵軍はビーマによって守られていますが、敗北するのです。
私達の全軍はそれぞれ持ち場に配列され、全員でビーシュマだけを守るべきです」
サンジャヤが言った。
「クル一族の長老であり、勇敢さで知られるビーシュマはドゥルヨーダナを励ます為にライオンのような唸り声をあげてほら貝を吹きました。
するとたくさんのほら貝やケトルドラム、チューバ、トランペット、牛の角の大騒音が始まりました。その音は大地を揺さぶるほどです。
次に、白馬に引かれた戦闘馬車の中に座っていたクリシュナとアルジュナも神々しいほら貝を吹き始めました。
全ての感覚器官を統括する神と呼ばれるクリシュナはパーンチャジャンニャという名のほら貝を、アルジュナはデーヴァダッタという名のほら貝を、恐ろしい行いをする人であり、狼のお腹を持つ男ビーマはパウンドラという名の巨大なほら貝を鳴らしました。
クンティーの息子のユディシュティラ王はアナンタヴィジャヤという名のほら貝を、ナクラはスゴーシャという名のほら貝を、サハデーヴァはマニプシュパカという名のほら貝を鳴らしました。
熟練の弓使いであるカーシー王、偉大な武勇の人であるシカンディー、ドゥリシュタデュムナ、ヴィラータ、負け知らずのサーテャキ、ドゥルパダ、ドラウパディーの息子達、強力な武器の使い手であるスバッドラーの息子(アビマンニュ)がそれぞれの場所でほら貝を鳴らしました。
そのすさまじい音が空と大地に響き渡り、ドゥリタラーシュトラの息子達の心臓を貫きました。
馬車の旗にハヌマーンを鎮座させているアルジュナは、戦場に集まったドゥリタラーシュトラの息子達を見て、弓を持ち上げ、まさに攻撃を始める前にフリシーケーシャ(クリシュナ)に話しました」
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