【オナワザ】#12 メンヘラ息災
「メンヘラ」という言葉が広く浸透してきました。
「彼女が浮気だってキレちゃって、別れるとか言い出すから大変だったよ」
「マジか。それただのメンヘラじゃん」
と、日常会話でもフランクに使われますね。
そんな「メンヘラ」という言葉ですが、皆さんは定義をご存知ですか?
知りませんよね、私も知りませんでした。
ネットで調べてみると、このような定義が出てきます。
人間関係で不安にかられやすい人、心に病気を患った人のことを意味する。
なるほど、確かにこういう人っていそうだな、と思えます。
ただ、どこか定義に違和感を覚えました。
「人間関係で不安にかられやすい人」と「心に病気を患った人」って同じでしょうか。
人間関係で不安に思うことってたくさんありますよね。
自分のこと悪く言われているかもしれない、嫌われているかもしれない、そんなことが日常茶飯事な世の中ですから。
では、不安に思うことは「病気」なのでしょうか?
そんなことはありません、何なら健全な精神状態でしょう。健全な状態だからこそ、それが損なわれることに不安を覚えるのです。
逆に言えば「何も不安に思いません」という人の方が「サイコパス」でしょう。
以上のことからも分かる通り、定義から曖昧なのです。
そして、ネットの説明にはこんなことも書かれています。
鬱、不眠、死にたい、精神薬、DV、かまってちゃんなどのワードが多いほど、メンへラという言葉が現れてきます。
確かによくメンヘラと揶揄される人のTwitterには「死にたい」などのワードをよく見ます。
そういうことをすぐに発信しちゃう人がメンヘラというわけですね。
でもそれが何だというのでしょう。
かつてイエスキリストは「罪の赦し」のために死を選びました。つまり、進んで「死」を選んだわけです。
もし仮にキリストが処刑される前、Twitterで「ああ、マジ罪深いわオレ。早く死にたい。」とつぶやいたらどうでしょう。
それは「メンヘラ」に当たるのでしょうか?
いえ、当時であればキリストの門下生たちがこぞってRTしたことでしょう。
また、仏教の中では「死」を快楽に溺れる現世からの「解脱(げだつ)」であるとしています。
つまり「死にたい」とは、仏教では「悟りを開きたい」「御仏になりたい」ということなのです。
それも「メンヘラ」に当たるのでしょうか?
もしそうであれば全国のお坊さんは全員メンヘラということになります。
「死にたい」と思うこと自体はそもそも後ろ向きな言葉ではありません。
「死」を怖がっている人ほど、突きつけられた現実を受け入れられず「メンヘラだ!メンヘラが出たぞ!」と騒ぎ立てるのです。
いいですか、メンヘラと揶揄されようが自分の思った感情を素直に出せる人は健康体です。
しかし自分の気持ちを言えないまま、不安を募らせてパンクしてしまう人の方がよっぽど不健全だと思いませんか。
ガスが腸に溜まったままでは健康に悪いのと同じ。
屁をこいて、ガスを抜いて、それからすこやかに過ごせれば良い。
「メンヘラ」はガス抜きが上手な「メン屁ラ」です。
さあ、あなたも今日から「メン屁ラ」してみてはいかがですか?
というわけで、本日のことわざはこちら。
メンヘラ息災
【意味】
メンヘラ的にネットで不安やネガティブな感情を吐露することで、日常生活が非常に健やかなさま。
【例文】
僕の彼女は時たまナイフを持って大暴れするが、普段はいたって健康。まさにメンヘラ息災だ。