【オナワザ】#30 スタバでMac
キツめの関西弁に「いちびってる」というものがあります。
「いちびる」は「調子に乗っている」を意味し、関西人が調子に乗っている人を揶揄する際に使われる言葉です。
私はどうもいちびりやすい性質なようで、気づけばマウントを取り、有頂天になり、痛い目にあってから、凄まじい自己嫌悪に陥ります。
そして今まさに私はいちびっていることを自覚しました。
スタバでMacを開いているのです。
私の中でこれほどのいちびりはございません。自分がクリエイティブだとか、オシャレだとか思っているから、そんな卑劣な行為に及ぶことが出来るのです。
いつも私の屁理屈を読んでくださっている方々に、ほんとお詫びのしようがございません。自分が自分で情けなくなります。
贖罪の意味を込めて、ここはひとつ「スタバでMac(以下:スタマ)」がいかに愚かなことかを、体現者である私自らが懇々と述べていくことにします。
まさに自ら十字架を背負い、その十字架に架けられていったキリストのような。そんな面持ちで私はこの罪深き魂を焼き払います。
まずスタマが世間に与えるイメージを整理しておきます。
<世間のイメージ>
・意識が高い
・IT関連、クリエイティブ関連のプロジェクトに携わっていそう
・Adobeとか使ってそう
・Facebookのメッセンジャーでたくさんやりとりしてそう
こんなところでしょうか。
スタマをしている人間として言わせていただきましょう。
「スタバでMacを開いているヤツは無能である」
これを聞いて驚かれる方、憤りを覚える方、たくさんいらっしゃると思います。
確かに世間的にもスタマは「意識高い系」の代名詞として扱われますが、それが「無能」だとは言い切られていません。少なくとも私の周りでは。
なぜ無能なのか?
それは、スタマをしているとそれだけで「やってる感」を感じてしまうためです。
「やってる感」とは何か。
ご説明致しましょう。
例えば何かの企画をするためにAとB、2つのチームが結成されたとします。
Aチームは議論が白熱して1時間の予定が延長した2時間半もかかったとします。全員で喧々諤々の議論を重ねて、最終的に全員が納得する企画が完成しました。
一方、もうBチームは50分も談笑し、最後の10分で1人が出したアイディアで決定してしまいました。
「やってる感」が強いのはどちらでしょうか?
それはもちろん前者の2時間半かけたチームですよね。2時間半も脳みそをフル回転させていたわけですから。
では「良い企画」が出来たのはどちらのチームでしょうか?
そう、これに関してはどちらとも言えないのです。なぜなら企画などという0から1を生み出す作業は、時間をかけたところで良いものが出来るとは限らないから。何ならリラックスムードを作り出していたBチームの方が斬新なアイディアが出てきたかもしれません。
要するに、結果として出てくる成果ではなく、それまでのプロセスで満足してしまうこと。
これが「やってる感」です。
スタマはまさにこの「やってる感」をひしひしと味あわせてくれる。すると、大したことをしていなくても満足してしまうんです。
すると、満足する閾値が低くなるので、他の場所で作業することと比べて成果の程度も低くなる。つまり自分に酔いしれているだけで、結局は何も生み出していないのです。
わかりやすく言えば「創作活動がしたい」というより「クリエイターって名乗りたい」ということですね。全く本質を見失っている、手段の目的化です。
※秋山さんは本物のクリエイターです。
そういうことを言うと、スタマをする人たちはこぞって「スタバは作業に適した環境で、Macは機能が優れているんだよ」と言います。
一言、言わせてください。
「嘘をつけ!」
いいですか、今まさに私はスタマをしていますが、隣のジイさんバアさんの仲睦まじい歯槽膿漏の話が入ってきて全く集中できません。「沁みるからホットなんかな?」とか詮索してしまう始末。
そしてもう片方の隣に座っているおそらく大学生はさっきから数十分参考書の同じページを開いたままです。そして、そんなことが気になって見てしまう自分は全く集中できていない。
つまり、スタバは「集中できそう」な環境ですが、本当に「集中できる環境」かどうかは別問題ということです。
これに関してはスタバのブランディングが優れていると言うしかありません。だって原価10円程度のコーヒーを入れものと店内装飾や雰囲気だけで何十倍にもして販売する会社です。実態のない雰囲気を作るスペシャリストと言っても差し支えないでしょう。
Macに関しても同じです。私は断言しますが、最初に買ったのがWindowsだったら絶対にMacは使っていません。いちびってMacを買ったらそっちに慣れただけです。
しかも使うのはマイクロソフトが作ったパワポやエクセルだけ、アドビもキーノートも使ったことがありません。いや、嘘です、アドビは1回チャレンジして挫折しました。
要はスタマしている人はスターバックスとアップルに騙されていると言うことですね。悔しい。
だからこそ、本当に成果を出したいのであれば「意識高い」や「オシャレ」のイメージとはかけ離れた行為をするべきです。
例えばフードコートのキッズスペースなんかがいいかもしれません。少年たちにもみくちゃにされたり、ゴムボールを投げつけられたりする中で考えたわんぱくで奇想天外なアイディアはまさにクリエイティブそのものでしょう。
はい、今日は自戒を込めた内容でした。結局やりたかったことの5割ぐらいしかできていません。
もう二度とこんな過ちは犯しません。
本日のことわざはこちらです。
スタバでMac
【意味】
手段にこだわって、本来の目的を見失っている状態。またはそのような行為。
【例文】
ジムに行くなんてスタバでMacだよ。
洗濯バサミを片手で開閉させれば十分握力のトレーニングになるよ。
このブログはラジオでも放送しました。
シャニカマの愚声に興味ある方はご覧ください。