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安心できる場所があったんだろうか

ふと、自分の人生で、安心できる場所があったんだろうか、と思う。

この寂しさの感情は、今起こっているんだろうか。もしくは、過去の記憶だろうか。

小さい頃、母に手をひかれて、母の実家に里帰りした。お正月だから、いつもの帰省である。特段の事情はない。

ただ、前にも書いたかもしれないが、私の父は私が1歳の時に病気で亡くなり、私たちは父方の実家で、祖母、つまり母から見て姑と暮らしていた。母と祖母の間には、ずっと緊張感みたいなものが流れていたように思う。

そんな緊張感を意識したのは、その母に手を引かれて、実家に里帰りした、前述のシーンだったかもしれない。母の実家に向かう道のりは、母の喜びと安堵が伝わってきたように思う。

物心ついた頃から、暗い、軒下をぼうっと照らす街灯の映像が頭に浮かんできたことが度々あった。その映像は、私の実家にあったものなのか、それとも、母の実家に向かう道すがらのものだったのか。


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