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行くことに意味があり! 秩父札所2番 曹洞宗大棚山真福寺 私の百寺巡礼297

大棚山(おおたなさん) 真福寺は、9世紀頃、大棚(たいほう)禅師によって開基されたと伝えられています。そのため、真福寺周辺には、大棚禅師の名前を冠した「大棚山」や「大棚川」といった地名の名残があります。

伝説によると、大棚禅師は、嫉妬の悪念にかられて鬼になってしまったことを苦しみ懺悔する老婆をあわれみ、供養のためにお堂を建て、聖観世音菩薩を安置しました。このことがこの真福寺のはじまりとされています。


札所2番は無人寺というよりも、山の中にお堂があるだけだ。そこで、バス停からすぐ近く、利便の良い光明寺が納経所となっている。


こちらの光明寺から山道を登っていくと、札所2番になるのだ。
実を言うと、1週間ほど前に御朱印だけ頂き、池袋駅で友人と会う約束もあるもので、山登りは辞めてそのままバスに乗って帰ったのだ。

ということで、1週間後、昼前に山登り!


このように、道路に道標があるのは有難い。しかも、道が1本しかないので迷う事がない。


登山家の話を読むと、山は午前中に登れ、とあるが本当にその通りだ。日も短くなって暗くなると何があるかわからないし、道が狭いし、崖にガードレールがないのは、暗いと怖い。歩きながら、車を避ける為に道の端に行き、崖から落ちそうに・・・

実を言うと、こんなにキツイ山だとは思わず、山を歩く格好をしていなかったのだ。オシャレで沢山の物が入るショルダーバッグであったので走りにくい。

私は、札所1番から歩いて行ったのだが、標高差は約200m。

それよりも、道の途中にあった看板が恐怖・・・
「熊の罠に注意」とな。
更には、熊を狙う猟銃に注意?はあ。秩父市上吉田の薬師堂に行く時にも同じ注意書きがあったな。


やっと到着!



迎えてくれたのは、熊・・・
ではなく、こーーーーんな可愛い猫だった。
すぐ近くの農家さんの飼い猫・ミーちゃん。
私の姿を見ると、近寄ってスリスリ、抱き着いてきたのだ。
ご、ゴメン。。。バスの時間が・・・逃すと2時間待ち。
ミーちゃん。連れて帰ってくればよかった。


岩に囲まれたお堂に、仏像たち。この高篠の辺りは石仏が好きなのだろうか。札所4番、瑞岩寺と石と仏が見事にマッチしていた。

この何にもない空虚さ。これが又良い。


真福寺からの景色だ。

北村薫先生の小説に、俳句教室で俳句を教えている先生がそれを辞めると言う時に、埼玉県の南部は何もない。自分の故郷・長野は山が多く、俳句を作りやすいというような趣旨のセリフを呟いていた事を想い出した。
それを本当に感じる。埼玉県は、西部の山間部と東部、南部の平野部は全然違うのだ。同じ県?か!と言いたくなる。
山があると水も美味しい、空気も美味しい、心も癒される。俳句も出て来る。

帰りはバスの時間を気にして約2㎞の道のりを走った。


走ったので、かなり余裕だった。
バス停前にある和菓子屋さんで名物の定峰饅頭を購入。
出来たてで温かい。と、すぐに食べてしまうのであった。
お店の女性に伺うと、札所2番まで行く人はあまりいないらしいのだ。
途中まで行きながら、遠い・・・と帰ってくる人が多いのだとか。
多くは、光明寺さんで御朱印だけ貰い、全部集めた!のような方が多いそうだ。

今回、私は、光明寺さんで御朱印を頂くだけで納得はしなかった。何故なら、それでは、メルカリで限定御朱印や狩野英孝ちゃん直筆御朱印を転売している人を批判出来ない。と思ったことと、最近の私の信条として、御朱印を集めるのが目的ではない!その場に行き、お寺の雰囲気に触れること、神社を参拝すること、を目的とすることがあるからだ。
お寺はあくまでも檀家さんのものであって、突然の訪問者の為のものではないのだ。だから、声をかけることは辞めた。

朝は寒く手袋をはめていたのだが、大汗をかきながら山道を走り、この場所に来られたこと。感謝したい。
ミーちゃんにも会えたし。

錦秋や 猫を抱きつ お堂観る

秩父札所2番 曹洞宗大棚山真福寺
秩父市山田3095
西武バス・定峰線・栃谷バス停から徒歩35分(登り)。下りは走って10分。


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