衣装持ちの相
「着るものに困らないよ」
数年前に霊能者に言われた言葉である。
わざわざ言うことだろうか、と当時は斜に構えた。
また別のところでも同じことを言われた。
ちょっと占いをかじった人で首の後ろ、うなじにある黒子を指して『衣装持ちの相』を教えてくれた。
聞いた時は昔の人は着るものに困らないことが一大事だったかもしれない、しかし現代はファストファッションに溢れ着るものに困らないのは当たり前だろうと思った。
しかし『衣装持ち』それは着物を指しているのかもしれない。
『銀太郎さんお頼み申す』東村アキコ先生のマンガを読んで思ったのである。
ちょっと野暮ったい女の子が銀太郎さんと一緒にいるうちに着物の世界に触れ、着物沼にはまっていく話である(ざっくり)。
野暮ったい女の子と銀太郎さんは『衣装持ちの相』を持っている。
着物の世界に惹かれる女の子と私を重ね合わせ、衣装持ちの相が数年越しに腑に落ちた。
私も衣装持ちの相ならば、銀太郎さんみたいな女性になれるかなと心密かに願うのである。
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