【ASDの方へ】人の気持ちが分からないのは、曖昧な表現が苦手なだけ!


始めに
職場や生活の中で、「空気が読めない」と言われる、「人の気持ちが分からない…」と自分自身の中で感じている方、もしくは身近にそのように感じる人がいるという方はいませんか?

実はそのような傾向は、発達障がいの一つである「ASD(自閉症スペクトラム障がい)(以降、ASDと呼びます)」の特性が関係しているかもしれません。ASDを含め、発達障がいは、外見からは判断ができません。そのため、障がいの特性からくる言動をその人の性格だと思われてしまい、「空気が読めない人」、「わがままな人」と捉えられることが多くあります(>_<)

ASDのことについて理解することで、職場で仕事がしやすくなったり、今ある悩みや困りごとを感じにくくなる可能性があります!
では、まずはASDの詳細を見ていきましょう!

ASD(自閉症スペクトラム障害)とは
ASDは、「Autism Spectrum Disorder」の頭文字をとったものであり、「Autism spectrum=自閉症スペクトラム」と「disorder=障がい、不調、病気」を合わせた言葉です。
ここでの「障がい」というのは、「日常生活で困難が発生している状況」という意味になります。
ASDは先天性の脳機能障がいである発達障がいの一種といわれています。生まれつきの特性であるため、親のしつけや育て方、育った環境により発症するものではありません。
ASDを持つ方は、ASDの特性によって周囲とのコミュニケーションのずれが生じることがあります。「どうして周りの人と同じように出来ないのか?」「自分は周囲が出来る当たり前のことが出来ていない」という悩みを抱え、自尊心の低下につながることもあります。
では次に、そのASDの特性について紹介していきます!

ASDの特性
1. 曖昧な表現が分からない
ASDのある人は、「行間を読むこと(文章や言葉に表れていない隠れた意味を読みとくこと)」が苦手で、抽象的な表現では理解することが難しい場合が多いです。また、想像して動くことが苦手なため、言われた以上のことに意識が向かないことがあります。

例えば、
 ・「明日はいつもよりもう少し早く来てください」⇒「もう少し早く」がどの程度なのか、具体的に何分くらい前なのか分からない。
 ・「ちょっと出かけるから子どもを見ていてね」⇒「見る」だけで、子どもが危ない状況でも「見る」以外の対応をしない。
 というような例が挙げられます。

2.思ったことをそのまま発言する
「正しいか間違っているか」を自分のルールに従って発言をするために、相手の気持ちを考えて言い方を変える、といったことはなく、ストレートな物言いになることが多いです。
また、「社会的なルール」や「暗黙の了解・暗黙のルール」を理解することが難しく、その場にそぐわない言動をすることがあります。
例えば、
 ・髪を切った友人に対して、「その髪型はイマイチだ」と言う。
 ・部署の方針を踏襲する上司に対して、「そんな効率の悪いやり方をする意味がわかりません」と発言する。
 というような例が挙げられます。

3 .こだわりが強い
好きなことに没頭してしまい、他のことが出来なくなることがあります。また、手順通りに進めることに強くこだわってしまい作業が遅くなる、あるいは知らない手順だと先がどうなるか分からず、強い恐れや抵抗を感じたりします。そのため、周囲からは、いつもと違う状況に対応できず、「融通が利かない」と認識されることもあります。

例えば、
・仕事を忘れて、ゲームに没頭する。
・通勤するときは、いつも同じ道でないと落ち着かない。
というような例が挙げられます。

これまでに紹介した、「曖昧な表現がわからない」、「思ったことをそのまま発言する」、「こだわりが強い」といった内容で困ったことが多く生じる場合は、ASDである可能性が高いです。もしかしたら自分はASDかもしれない!という悩みが続いているのであれば、まずは自分の特性はどんなものなのかを知ることから始めていくのが良いかもしれませんね(・口・)!!

ではASDの特性を知ったところで、「もしかして自分はASDなのかな?」と悩んだときに、まず自分で実践できる対策を紹介していきます!

人の気持ちがわからず、相手の気分を害してしまいそうなときの対策!
自分では悪いことを言っているつもりがなかったり、悪い行動をとっているつもりがないのに、相手を怒らせたり、「その言動は失礼だ」と指摘されてしまうことはありませんか?実は相手の気分を損なっていることがあるかもしれません。

この解決策として、会話中にやるべきこととやってはいけないことを把握しておきましょう。相手の気分を害さないためには、会話をする上での「社会的なルール」や「暗黙の了解・ルール」を知っておくことが重要です。以下のことを生活中・あるいは仕事中に意識してみましょう(^^)

【意識すべきこと6項目!!】
1.話しかけられたら、「はい」と返事をして、体ごと相手の方を向く。
2.自分が呼びかけるときには、まずは相手の名前を呼ぶ。
3.用件はいきなり切り出さずに、相手の都合を確認してからにする。
4.「ありがとうございました。」や「申し訳ありません。」をつける。
5.最後まで言い切る 最後まで聞き取る。
 会話の流れを断ち切るような行動(話を最後まで聞かないなど)を避ける。
6.うなずきやボディランゲージなどの会話に必要なもの以外の、余分な体の動きは避けるか控える。

こういったことを意識することで、日常生活や職場でより良いコミュニケーションを図ることが出来るかもしれません!(^〇^)/
「一度自分で実践してみても、悩みや困りごとが解決できない」と悩む方のために、次にASDについて相談できる支援機関を紹介していきます!

ASDについて相談できる支援機関
・発達障がい者支援センター
生活から仕事に関することまで、発達障がいに関する幅広い相談に対応しています。発達障がいの可能性がある方でも相談できます。
支援内容は自治体によって異なるため、まずは近隣のセンターについて調べてから訪問するようにしましょう。

・障がい者就業・生活支援センター
 名称の通り、障がいのある方の仕事と生活の両方の相談ができます。
 障がいのある方の安定した自立生活を支援しており、「働けなくて経済的な不安がある」、「朝なかなか起きることが出来ない」という様々な悩みに対応しています。
 まず、何をすればいいのかわからず困った場合は、こちらに相談すると良いでしょう。

・就労移行支援事業所
 障がい福祉サービスの一つで、一般企業への就職を目指す障がいのある方(65歳未満)を対象に、安定して就労することを目指して支援を提供している機関です。全国に多くの事業所があり、サービスの内容は事業所によって様々です。一般的には、通所する中で生活リズムの調整や職業スキルを習得し、おおよそ2年の期間内に就職することを目指します。

まとめ
ASDというのは、上記で紹介したとおり、特性によって日常生活で困難を感じている状況を表しています。
ASDの特性により、社会的なコミュニケーションややり取りがうまくいかず、自分自身や周囲の人がストレスを抱え込んでしまうこともあります。そのまま状況が改善されないと、引きこもりやうつ病などの二次障がいにつながることもあります。
悩みや困りごとがある場合は、適切な支援を受けられる相談先に頼りましょう。発達障がいに対する社会の理解は年々高まってきており、数多くの支援機関があります。


今回紹介した内容を見て、「もしかしたら自分はASDなのかもしれない」、「もしかしたら身近なあの人はASDなのかもしれない」と思った方がいらっしゃるかもしれません。自分が、あるいは身近な人が日常生活で似たような経験で困っているなら、是非今回の記事に書いた対策や支援機関を参考にしていただきたいです(^^)

ASDの特性で働くことにお悩みの方への支援機関として、「就労移行支援事業所」があります。Shake Handsもその中の一つです。
数多くある移行支援事業所の中でも、一番会社のオフィスの雰囲気に近い事業所 「Shake Hands」は障がい者の就労をトータルで支援します!!

【就労移行支援Shake Hands 】
TEL:077-511-9296
HP:https://www.fukurou-care.com/
公式LINE ID:@835rxceg


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