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[思考] 脳は変化を嫌うが、変化を求めてやまないのもまた脳でもある

今日もいいお天気で、洗濯物がさっさと乾いてくれて、ありがたい。

ついこの前、「もう我慢は美徳じゃない」って記事を書いた。その記事の中で、人が変われない一つの理由は過去の延長上に生きているからで、過去を断ち切ることで新しい自分を手に入れられると書き、その具体的な方法を書いた。

人が変わりたいと思うのに変われないのは「脳が変化を嫌うから」って巷じゃよく言われてるよね。

「脳は変化を嫌う」

ほとんどの人がこのことを当たり前だと思い、またこれを大前提にして話している記事だったり本だったりをよく目にする。でもこれって本当なの?って、この前の記事を書いている途中で、ふと単純に疑問が湧いた。

「脳は変化を嫌う」「脳は変化を苦痛に感じる」

本当?
確かに、人間はいつも通り=いつもの習慣が好きだ。
でもそれって、脳が変化を嫌っているということなのか?

人間の脳の進化の過程での区分

調べてみたら、脳の”全て”が変化を嫌うわけではない、という答えに辿り着いた。(実際に、「脳が変化を嫌う」というのは脳科学では証明されていない。)

まず脳には進化の過程による分類で、「爬虫類脳」「哺乳類脳」「人間脳」の3つに分類される。爬虫類脳から順に古い脳だ。

ここで爬虫類脳と呼ばれているのが、「脳幹」と言われる部分。脳の中心部分で生命活動の維持、ホメオスタシスの恒常性、つまり心拍、呼吸、血圧、体温などを調整を反射的に担う部分だ。
実はこの脳幹は人間だけにある部位でははく、トカゲやワニのような爬虫類にも存在する部分ため爬虫類脳と呼ばれている。

ちなみに哺乳類脳と呼ばれているのが「大脳辺縁系」。情動や意欲、記憶や自律神経活動を担当する部位。猫や、馬など、哺乳類にも存在する。
最後に人間脳と呼ばれているのが、「大脳新皮質」。脳で一番最後に進化し、人間にしかない部分のため「人間脳」と呼ばれている。知能や言語、繊細な運動、創造性や倫理観など、高度な精神機能を担当する。

では、この「脳は変化を嫌う」傾向をまるで脳全体の本能的傾向かのように一般化して考えていいのか?

「脳の変化を嫌う説」は一体どこから来ているのか?

それは、爬虫類脳の働きでもある、「生命活動の維持」から多くの人が仮説としてたてたものではないか、と推測する。

この生命活動の維持とは、例えば寒くて体温が下がると鳥肌が立ち体温の低下を防いだり、暑い時に汗をかいて体温を下げたり、走った時に息が上がるのも、体に酸素をもっと取り入れようと呼吸数を増やしたりする、体の反射的なものによるもの。
こうしたことから、爬虫類脳に限っていえば、それが司る機能が自分の体の状態を安定的に保つものであることから、「脳は変化を嫌う」や「脳にとって変化は苦痛」が当てはまるのかもしれない。

ただ、爬虫類脳の外側にある哺乳類脳や人間脳が司っていることはもっと複雑で、一方では「変化を嫌う」かと思えば、もう一方では「変化を求める」「新しいものが好き」「好奇心」を発揮する傾向を併せ持っている。
一概に、脳全体が「変化を嫌う」わけではないのだ。

脳が変化を嫌うのはあくまでも「身体的、生理的な変化」であって、それは外側からの影響である。

人間の好奇心や遊びの精神は、娯楽である趣味や、芸術、文化活動、知的な創造活動などに当てはまる。これらがいつの時代も発展し、新しいものやことが生まれてくるのはある意味「変化」を求める人間の本能的な動機なのだ。
毎年発表される新しいスマホ、新しいデザインの自動車、新たなライフスタイル、ファッションの流行など、人間は自分や仲間、社会、文化、文明の「変化」を求め続け、「変化への欲求」を持ち続ける稀有な動物なのであることは間違いない。

スモールステップの法則

ここまでに書いたように、人間の脳は変化を嫌う部位もあれば、変化を求める部位も存在することがわかった。そして確かに人間は、「急激な変化」を嫌う。
そこで、スモールステップの法則というのは、いきなり大きな変化を取り入れず小さなことから少しずつ、自分や相手が抵抗なく受け入れられる範囲で物事を進めたり取り入れることだ。一気に達成することが困難な大きな目標を細分化し、比較的容易な目標から順番に達成していくという戦略だ。

例えば、ワーホリに英語が不安でワーホリに行こうか悩んでいるそこのあなた。まずは、日本で外国人に話しかけてみるとか、外国人が集まるバーに行ってみるとか、英会話に行ってみるとか、いきなり外国に行くよりもハードルが低いことをしてみては?

私の結論

ということで、私は脳の進化の過程を考慮するなら「脳は変化を嫌う」よりもどちらかというと「変化を求める」の方が強いのではないかと思った。自分の内側から湧いてくる変わりたいという自分自身の欲求に、反射的に脳が嫌がるとは思えない。
もし「変わりたいのに変われない」という人がいるなら、そもそも本当に心から変わりたいと思っているのか?あなたの心(脳?)のどこかで、「このままでもいいか」という怠惰がいるからだと、私は思う。

そして最後に、タイトルにある「脳は本当に変化を嫌うのか?」という問いに対しての私の答えは、今まで「YES」だったものが大前提を疑ったことで「NO」になった。
そう考えられるようになったら、何か新しいことを始めるのことに対して少しハードルが下がったように感じる。

では、今日も良い1日を!!!


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シャカ@NZからの記録
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