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直径50cmの意識

大人につれて、人混みが苦手になっている。

ディスニーランドには毎日5万人の人が来ていて、道も多くの人がすれ違う。久しぶりに行くと、アトラクション待ちの時間が過ぎるのが遅すぎて、列に並ぶ前後の人が気になってしまう。

毎朝、新橋で感じる窒息にも似た息の詰まる感覚。

休日の鎌倉だって、イメージの中にあるゆったりとした様子はなく、駅は人で溢れかえっている。

フェスに行くと歌う人は遥か遠くにいて、気持ち良さそうに歌っているけど、こちらは隣の人と密着しすぎて蒸し暑い。そのことを出来るだけ無視しながら、音楽に集中するために夢中でジャンプをする。


いつからだろう、こんなに人にまみれることに嫌気がさすようになったのは。


もう15年も前、小学生の頃はもっと自分の居心地のいい場所を探したり、見つけたりすることがうまかったように思う。

今思えば学校や学童保育も、かなりの人口密度の環境だった。都会や観光地に遊びに出かけても、今ほど「人がいっぱいで疲れる」なんて思ってなかった。

自分のことに一生懸命で、周りの人の動きなんて気にもならなくて、ただ言えてる世界だけが目の前にあって、頭の中を支配していた。

そのことを思い返すと、なんとも幸せな気持ちになるし、そこにストレスフルな日々を和らげるヒントが眠っているような気がしている。


パーソナルスペースは「意識が届く範囲」ということなのだろう。自分の立っている直径50cmだけが、見えてればそれでいい。と、やや混みの電車で外の景色を眺めながら考えていたのだった。

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まりも
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