アイドルもサラリーマンも、働く理由はなんでもいい
〜キンプリから考える「仕事のスタンス」〜
10/5にフジテレビの新しい深夜番組で『RIDE ON TIME』というのが始まった。”1つのテーマに長期密着取材し、4週にわたって放送する「連続ドキュメンタリー」として、テーマを深く掘り下げていく番組”だそうだ。
この初回で登場したのが、今をときめくジャニーズの新星グループ「King & Prince」だった。現在25歳、彼氏と同棲中の安月給OL(私)が突如、彼らの魅力にどっぷりハマってしまった。気づけば出ている番組を追うようになっていて、この番組も当然のごとく楽しみにしていて、鼻息荒めに放送を観たのである。
このnoteでは、そんな番組を見ていて改めて感じた彼らの人間的魅力と発言から見えてきた「働く意味」について考えてみた。
---
まず、彼らの魅力は「アイドルらしさ」と「アイドルらしからぬ」の2つを併せ持つところだ。
アイドルらしさは、まさに「ダンスと歌」がうまくてイケメン揃いであるところ。ジュニアとしての下積みも長く、その時からがっちりファンを掴んでいるので、デビューはまさに「満を持して」。
嵐やHey!Say!JUMPが中学性くらいでデビューしたのに比べると、年齢も成人するかしないかくらいのメンバーで構成されていて、やや遅咲きとも言える。
ジュニア時代に「デビューできるのはほんの一握り」という競争社会の中で鍛えられているので、みなパフォーマーとしてのプロ意識が高く、テレビでのコメントも気遣いに長けている。
これだけレベルが高いと、今までジャニーズファンでなかった人もはまってしまう理由が分かる。
そして「アイドルらしからぬ」は天然(正直言っておバカ)で、かっこよさだけでなく個性を発揮し、「自分らしさ」を大切にしているところ。カッコつけるだけでなく貪欲に個性を出していく姿は、人間くささを感じ、親近感を抱きやすい。
「らしからぬ」の方は、個性を尊重する時代の象徴のようで、とても今っぽい考え方。
お笑い芸人は「○○芸人」という頭文字がついていてお笑いというより単にその道のプロの人では…?という人もいるし、一般人だって○○クリエイターという具合に、オリジナルの肩書きを持つ人が多くいる。「無理しない自分にあった働き方」を追い求める時代の風潮を感じる。
*
キンプリの概要を軽く書いたが、Ride on Time内で平野紫耀くんの発言がなんとなく引っかかったので、シャワーを浴びながら思ったことについて、書いていく。
彼はチームの中でもセンターをはる存在で、「王道のアイドル」と言われいている。整った顔立ちに加え、ハスキーだけど聴かせる歌唱力、鍛え上げられた筋肉から繰り出すアクロバット、幼少期から培った確かなダンス力、そしてジャニーズ1とも言えるほど「天然おもしろバカ」なのである。
(これで好きにならない人はいないと思うんだけど....)
そんな彼が番組内で、「自分はアイドルに向いていない」「ダンスも歌も好きだけど、親のために頑張っているところがある」というような発言をしていた。
このニュアンスのエピソードは、結構いろんなところで見かけている(ジャニ雑誌のインタビューとかでね)が、彼の口から話しているのは初めて観た。
この発言、一見おばさん的ファン視点で話すと「なんて健気なの...お母さん思いで、責任感がある、いい子すぎませんか....」って観れると思うんですが、あとあと冷静になって考えるとちょっと寂しい発言だなと思ってしまった。
母子家庭の長男として育ったという彼はきっと「僕がお母さんを守らなきゃ」という強い使命感をもっているのだと思う。
けれど、この発言は聞こえようによって「自分のためじゃない」という風にも捉えられるなと。
アイドルはお仕事、みんなが仕事をしているのとおんなじような感覚のところもある、という内容の発言をしていたのだが、
私は「歌もダンスも大好き!好きなことできて幸せ!」というのをきっと心のどっかで期待していて、逆にそういう社会人的なスタンスであることに「無理していないかな」と心配になった。
自分がもし親で、お金がなかったとしても子供には好きなことしてほしいなと思う。だから、これって親からしたら悲しい話だよなと。でも、それはそれでアイドルのスタンスとしてもありだし、私たち会社員もそういうところあるじゃん、という風に感じた。
「家族を食わせるため」に嫌な仕事やあまり好きでない仕事をしているひとも、いるだろう。私だって「生活のために」やっているところはあるし、「好きなことで食べていく」だけが、素晴らしいわけではないと分かっている。もちろん、好きなことがないという人もいる。貪欲でなくたって、一生懸命頑張っていると思うし、十分な働く理由だ。
彼が今とても頑張っていて、仕事をする理由は「親」のためであると言っているけど、結局は自分を満たすためだし、仕事だからと口では言いつつも、楽しかったり満たされている瞬間は多くあるはずだ。
だから、平野くんがいつか「自分の好きなことができている、今が幸せ」と思えるようになる日がくるといいな、なんて説教くさくも思いながら、ずっと応援していきたい。
私はほんと最低で最高なので「好きなことしかできない」タイプだ。けれども巡り巡ってキンプリみたいなキラキラしている人と根底にある感情は一緒だな、と重ね合わせて安心できた。
---
私は友達やつながりのある人、みんなのことをいつでも応援しています。理由はあってもなくても良くて、日々に楽しい瞬間があって、満たされる瞬間があって、自分が壊れない程度に頑張ればいいと思います。そんな風に労働を続けれるのがある意味、普通で素敵なことだよね。
最後にひとつだけ言いたいことは「お母さんのために頑張っているから素晴らしい自分もそうならなきゃ」と筋の通ってない理由で自分にプレッシャーをかけたり、子供に「平野くんはお母さんのために頑張っているんだから、あなたもそういう風になりなさい」と他人に強調することはダメだ。そして、平野くんの「親のため」だけを持ち上げて褒めすぎるのは良くない。
すっごくファンで盲目な恋ならば難しいかもしれないが、そいいうスタンスもあるよね、と冷静に受け止めることも時に必要だと思う。