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#262 砂漠で溺死が相次ぐ理由

「砂漠での死因第1位は溺死である」という。
統計的なデータが見当たらないので、1位かどうかは断言できないが、世界各地の砂漠で溺死が相次いでいるのは事実のようだ。

乾燥帯では降水量が少ないため、洪水が起こることは稀だ。
しかし、その分土地の排水機能が乏しいため、ひとたび洪水が起こると甚大な被害を起こすことがある。

リビアの洪水もその例だ。リビアは乾燥帯だが上流から流れてくる川が通る地域で、ダムを建設して水害や水不足を防いでいた。
リビアでは、9月10日から11日にかけて、地中海で発生した低気圧の影響で1年分の雨が一気に降った。

加えて、政情の不安定によって公共施設の維持更新が進んでいなかったこともあり、老朽化したダムが決壊。犠牲者は今もなお増え続けており、未だに被害の全貌が見えていない。

砂漠での洪水被害は、周囲の山脈から雪解け水が流れ込む川や、低地のオアシス、そして、「ワジ」とよばれる交通路に集中しやすい。ワジとは、かつての大雨で一時的な川が流れた地形のことだ。日本ではこのような地形を「水無川」や「涸れ谷」とよぶ。

砂漠や砂漠の上流部で大雨が降ることで、そうした場所では一時的な洪水になる。その様子が分かるのが以下の動画である。

【レバノンでの洪水の様子】

【サウジアラビアでの洪水の様子】

砂漠の本当の脅威は、砂嵐や日差ではなく、洪水なのかもしれない。

【目次】

【参考】


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