#189 世界の終末まで90秒?
2023年1月24日、終末時計の時刻が残り90秒だと発表された。
終末時計は、アメリカの原子力科学者会報が定期的に発表しているもので、核戦争などによる人類の終末を午前0時として、その終末までの残り時間を「あと何秒(分)」という形で表している。
ちなみに、時計が15分しかないのはデザイン上見栄えが良いからという都合らしい。
終末時計が最初に発表されたのは1947年で、東西冷戦による米ソの核開発がすすめられている真っ最中。最初の時刻は残り7分だった(その後の推移は以下のHPを参照)。
その後、米ソが水爆実験に成功した1953年には残り2分となり、一時的な融和が進むが80年代の軍拡競争で残り3分となった。
米ソ冷戦が終わった90年代初頭は17分と過去最長を記録したが、その後終末時計の針は終末に近づいている。
これは核戦争への脅威だけが原因ではない。近年の傾向としては、核戦争だけでなく、原発事故、気候変動や感染症の蔓延の脅威なども加味して終末時計が決められるようになっている。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の影響は核戦争への脅威を加速させたことは確実で、2022年にはあと100秒、2023年にはあと90秒と過去最短を更新し続けている。
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