パパを見送る③

そして告別式…

お坊さんがお経を読み、お焼香が終わった後、棺桶を真ん中に移動する。お花を中に入れる為に…

その頃から、張っていた気がぷつっと切れた。

あたしったら大泣き。今まで全く泣かなかったのに、この時になったら大声で泣き叫ぶ…たった1人あたしだけ

「パパ…パパ…」と泣きながら棺桶にしがみついた。そんなあたしを息子が後ろで支えてくれていた。娘曰く、お母さんはそこから少し離れて見ないようにしていたらしい。

叔母が(パパのお姉さん)〇〇←あたしの名前。息子に支えられてんじゃないよ(意地悪じゃなく、しっかりしなさいって言う意味で)とか、他の親戚からは〇〇ちゃんは最期まで面倒見てたもんね…とか言われたのを、うっすら覚えてる。大泣きのあたしをよそに、棺桶には蓋がされた。そして数人の男性の手で霊柩車に乗せられて、斎場へ向かった

あぁもう書いているだけで胸が苦しい

斎場へ着いて、最後のお焼香…最後のお別れ…また慟哭…最後のお別れだもん。やだもんお別れ…お焼香の後、皆ぐるりと棺桶の周りを周りパパを見る。

動かないよねそこから…「パパ…パパ…」と大泣きするあたしに、叔母が〇〇、そんなに泣いてたらパパがいけないだろ…って…

それでさらに泣くよね。そのとき、あたしは周りが全く見えていなかった。ただ、息子がそばにいてくれたことしかわからなかった。そして、お棺の蓋が本当に閉じられた。そして火葬炉の中に押し込まれていく…それを近くでお母さんと姉、大泣きのあたしと見ていた。そこでお母さんが崩れて倒れそうになった。慌てて支えて我に返った。泣いてちゃいけない、お母さんを支えなきゃ…

それから、数時間待ち骨を拾い、挨拶をして告別式が終わった…

実家に帰ってきて、葬儀社の人が、簡易祭壇を作ってくれたり、花や供物を運んでくれたり、狭い実家はまたバタバタだった。その日の記憶ももうない。

後から娘に、今まで全く泣かなかったから、危ないなぁと思ってた…と言われた。多分パパが死んだんだ…と実感した瞬間だったんだろうなと思う。悲しむ間も無くパタパタ動いてたから…

それから約1ヶ月間くらい実家にいた。お母さんがとても心配だったから…あたしの家族も理解があり、実家にいることを許してくれたからありがたかった

それから5年…あっという間なのか、まだ5年なのかよくわからないけど…

パパの形見として、昔付けていた蝶の金のネックレスを譲ってもらった。おしゃれでカッコよかったパパ。

親が亡くなるのは辛い。順番…と言ってしまえばそうかもしれないが

生きているうちにしか親孝行はできない。お母さんは今も1人で実家で暮らしている。まだ元気にしているけど、もう70を過ぎている。

毎日元気にくらしてくれればいい。先のことを心配する必要は何一つないよと伝えている。

パパが大好きだったお母さんを不安にさせたりしないからね。

パパ今でも大好きだよ