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私を育ててくれたもの⑦           リボンの騎士

昨夜放送された『鬼滅の刃』遊郭編では、炭治郎たちが女装姿で登場した。
女装や男装、女らしさや男らしさ、ジェンダーについて、私が初めて考えたのは小学生のときである。
もともと少女漫画に連載されていた手塚治虫の「リボンの騎士」が、テレビアニメ化されたのだ。
国王になれるのは男子と決まっているシルバーランド。姫であるサファイアは男子と偽って王子として育っていく。そのサファイアが「リボンの騎士」に変装して悪人と戦うという物語である。
現在、ネットで見ることができるので、興味のある方はぜひ見てほしい。
本当は女の子。だけど、自分でも王子らしくあろうとするサファイア。
美しいアニメと、音楽もすばらしく、さすが宝塚ファンだった手塚治虫の作品だと納得させられる。

タイトルの写真は、1997年開通の都営12号線の記念 T カードである。この記念カードにリボンの騎士サファイアが採用されたと聞き、私は喜び勇んで買い求めた。でも、よく見るとこれはサファイアだけど、リボンの騎士の扮装ではなく女の子の装いになっている。
T カードはいまではもう使うことができない。
時間が経つのは本当にあっという間だ。

子どものころのアニメでは、女の子の主人公は魔法使い、
戦隊ものなら5人に一人、9人でも女性は一人しか入っていなかった。
魔法使いじゃないと、女の子は力が発揮できず、
グループのトップになることもなかった。
日本は2022年の男女格差指数で146か国中116位。男女雇用均等法などと言いながら約40年たっても男女不平等のままだ。この現実が変わらないことは本当に問題だと思う。
ジェンダーの問題は「男」とか「女」の話ではなく、「人間として平等か」という点である。ときどき引き合いに出されるさまざまな要素は、「性差」によるものではなく「個人差」だと私は思っている。

サファイアが女性であることを堂々と名乗り、
女王になってもいいし、ほかの道に進んでもいいと思う。
家柄が個人の自由を奪うのもかわいそうな気がする。
高貴な人たちの自由も一緒に喜べるような社会にしたいものだ。


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