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けっしん

今日、駅前の花屋でコスモスを見かけた。
そういえば、コスモス見てないな、と思った。
3年前まで、私のうちのそばには畑があった。
そこには季節ごとに花が咲くこともあった。
コスモスも見ることができた。
畑作業をする人を見かけなくなったと思っていたら、
あっというまに住宅が17軒も建てられた。

古いハガキが出てきた。いただいたのはくどうなおこさん。
詩集『のはらうた』の「けっしん」が
版画絵で印刷されたもの。

 けっしん    かぶとてつお

つよく
おおしく
いきる!
それがぼくの
けっしんです

でもときどき
むねの やわらかいところが
なきたくなるのね
なんでかなあ

くどうなおこ『のほらうた』より

私はこれまで何度か一大決心をしてきた。
そういえば、いつもこんな時期だったなあと思い出す。
高校3年の進路を決めるとき。
新しい仕事につくことを決めたとき。
ニューヨークに行こうと決めたとき。
長年住んだ家から引っ越すことを決めたとき。
もちろん、決心するまでは堂々巡りしたり、
悩んだりしていたけれど、
決心すれば目的に向かって力強く動き出していた。

それは、「やわらかいところ」はそのままで
「なきたいきもち」を方向転換させたのだった。
おそらく、目のまえのコスモスではなくて、
遠くを見はじめたのだと思う。
そして、いまも前を向いている。
できるかどうかはわからないけれど、
目標に向かっている。
この秋が、それに向かって力を与えてくれる気がして
今日は「けっしん」を書いてみた。



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