16:りんごのぐみ食べながら思ったこと

林檎はヨーロッパで長い歴史があるらしい。ヨーロッパのイメージはなかったのだけれどそういえばアダムとイブが食べた禁断の果実は林檎だった気がする。そんなことを考えていたら降りる駅を間違えちゃった。神様はなんでずる賢い蛇をエデンの園に住ませたのかな。アダムとイヴのことを試していたのかも。意地悪な神様!最初から試練があることは決まっていたんだ。イヴは退屈だったのかも。だってお喋りをしてくれる相手はたった一人しかいないんだもの。だから蛇の嘘を信じちゃった。もしかしたら嘘だとわかっててそれでも今と何かが変わることを期待していた?待っていたのは地獄だった。わたしならきっと蛇なんて入れない。ピンク色で可愛くてふわふわしたものだけしかはいれない世界を創るの。甘いお砂糖とフリルとリボンのドレスを着て傷つくことのない世界。みーんな幸せな顔して笑ってる。朝、鏡を見ても浮腫んだ不細工な顔はなくて寝起きでもきらきら可愛い女の子。どんなメイクをしてもどんな服を着ても誰もが可愛いって褒めてくれる。そんな世界に生きたかった。今はわたしにはここはちょっと窮屈すぎる。

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