国から売るなと言われた商品を扱うこと

 ご無沙汰してます。ごきげんよう、しまてるです。

 通算4度目に渡る非常事態宣言は、もはや都民にとってエマージェンシー感がほとんど無く、日常事態宣言といった有様です。

 そんな中、都政は驚くべき意向を示しました。


酒=共通の敵だから卸すな。

 酒類販売者として後頭部を思いっきりバールのようなもの(つまりバール)でぶん殴られたかのような驚愕と痛みを受けました。

 なんと何の法的規範も無く、検討や行政手続きすらしないまま西村康稔経済再生担当相は、7月8日に「飲食店に酒卸すなよ」と文書を出した上で発言したのです。

卸すなよ、飛ぶぞ。

 翌日さらに驚いた事が発生しました。なんと金融機関から各酒販業者へ「酒売るなよ、お上の命令だぞ」とお触れを出す意向を表明。

 これには、腹部を大きな金槌のようなもの(つまり金槌)でぶん殴られたかのような驚愕と鈍痛を受けました。既に満身創痍です。

 もうやり口がマフィアとかヤクザ、もしくは時代錯誤の悪代官の手法のようで乾いた嗤いしか出ませんでした。


異質に異を唱える為に

 2日間の表明を受けて脳の表側に去来したのは「異質」の二文字、そして裏側には「安直」の二文字。

 明らかに異質な事象に自分と仲間の命を取られてたまるか。異を唱えて足掻いてやろう。

しかし、異を唱えるにも足掻くにも、先ずはこの異質の原因を探らないといけないわけです。調べたらキリがない程の異が出てきそうですが。


異質に備えよその①:あくまで依頼文書。

 そう、これ依頼だから何の法的措置も出来ないんですよ。

 しかし、前回は「あんまり言う事聞かないと30万円とっちゃうよ?」的な後付けブッコンで来たので油断できません。実際、罰金徴収できたの?とも思いますけどね。


異質に備えよその②:文書出すの早すぎ

 ちょっと面倒な話しますね。前提は必要なので。

 原則として行政手続法は「行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないことに留意しなければならない」

「またその相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない」

という規定に基づいて手続きを行わなければならないという法です。

 しかし、酒税課と内閣官房が管轄するコロナ対策推進室は、今回の文書を提出するに際、規定に抵触する可能性を検討していないとのこと。

 また、そもそもこの依頼文書には、法的根拠が存在せず、権限に基づくものですらないのです。

 規定に基づいた検討もフルシカト、権限の存在しない法的根拠も存在しない身勝手な「お願い」が書かれた文書ならそりゃ出すのも早い訳ですよ。

 

異質に備えよその③:現状ペナルティがない。

 で、この勝手なお願いとはいえ厄介なところが都と国からの依頼だから違反したらすごいペナルティが・・・え?ないの?ペナルティはない?はぁ。

 実は、この依頼に反して飲食店と取引を継続した際のペナルティがそもそも記載されていないのです。 もちろん2日間の表明でも口頭でペナルティが有無に関して説明などはありませんでした。

 でもでも、もしかするとこの後「取引続けたら酒販免許はく奪しちゃうよー?」「期限付きで販売停止にしちゃうよー?」なんてまたまたまた後付けしてきそうだから油断・・・いやいいわ。「依頼文書」じゃ絶対そんな事出来ないんだから。

 

 異を唱えようと思ったら

 よっしゃ数え役満。異を唱える為に原因を全て揃えようと思う前に判断材料が揃いすぎました。

 しかし、調べれば調べるほど・・・なんという安直な愚策を繰り広げてきたんだ。東京大丈夫?都政息してる?

 

 結論:身勝手なお願いなんて聞かないよーだ

 だって強気なだけで何のマイナスもペナルティも無いんだもん。で、五輪はやるんでしょう?

 「お客様が求めているのなら提供は止めない」

 「売ったら免許はく奪なんて言われたら徹底的に抗議」

 それが原理原則、善し悪し、是非、で判断した結果です。

 

私見と余談:近代最悪の執政・政策では?

 これはあくまで私個人の主観ですが、近代の日本の政(まつりごと)において最悪最低では?と感じています。

 国民一丸となって疫病という国難に立ち向かう事が何より重視すべきことなのに、あろうことかスポーツの祭典を優先したのです。

 経済の維持よりも都民の安全と不安よりも「昭和産まれのロマン!五輪開催!やれば経済も潤うでしょ!!」とお祭りを優先したのですよ。

 国民の総意や都民の総意を代弁なんざ出来ませんが、死ぬほど五輪やりたーい見たーい、とか思ってる方が何人いるのでしょうか。

 こっちは、酒売れなきゃ死ぬんだよ。飲食店さんも死ぬんだよ。ロマンとお祭りじゃ食っていけないんだよ。そろそろ理解しろよ。

 言葉が汚くなって大変申し訳ございませんが、これが心の中で叫び続けている本音です。

 酒に携わるすべての皆様、飲食に携わるすべて(第一次産業も)の皆様、足掻いて足掻いて生存してやりましょう。国に潰されてなるものか。

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