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日光東往還1 柏豊四季→中里宿

日光道中以外で日光に向かう三つの脇往還、日光御成道・日光例幣使街道・日光壬生通、は夫婦で歩きました。
調べていると千葉県内の水戸街道から分かれ、茨城県西部を北上し栃木県内の雀宮宿で日光道中に合流する日光東往還を発見。
歩程距離は約40里、年末をはさみ極寒の時期に北を目指します。


2024.12.08

1.スタート地点まで

与野駅
05:20の電車
南浦和駅

気温3℃、氷点下までいかないものの、この冬の街道歩きの朝で一番の冷え込み。スタート地点最寄駅の常磐線南柏駅迄は約1時間、電車を待つホームが一番寒く感じます。
実は昨日の夜迄は、違う道を歩く予定でした。その道とは、大山道の厚木宿と甲州道中吉野宿を結ぶ国道412沿いの、地図では甲州道と呼んでいる道でした。

歩く予定だった道の本

地図も用意し、朝食・昼食の場所から帰りのバスの時間まで調べ終え、風呂に浸かりながら明日の歩く様子を想像していたのですが、何となく今歩く道ではない様な気がして来ました。
街道を選ぶ際に自分の中で、前回歩いた街道からのストーリーを重視する中で、どうしても繋がらなかったのです。

前回歩き終えた道は、銚子街道。
利根川の雄大な流れに心打たれました。

(2024.11.23 銚子街道 香取神宮浜鳥居)
(2024.11.24 銚子街道 利根かもめ大橋)
(2024.11.24 銚子街道 銚子港)

利根川の事を想っていたら、その近くを歩きたくなり、探した結果行き先を日光東往還に変更。

日光東往還 地図

日光東往還は、水戸街道の小金宿と柏宿の間から、日光道中の雀宮宿手前までを結ぶ道。
地図はいつもお世話になっている、「日本の街道地図と走り歩き旅」です。
1,000近い全国の街道が1/25,000の地図上に100m間隔の点がプロットされており、自身で調べたり考えたりしながら歩ける秀逸な地図です。


南柏駅
水戸街道の松並木
水戸街道の松並木 説明看板

スタート地点までは、2022年5月に歩いた水戸街道を数100m北上します。
今までに歩いた道は殆ど覚えているのですが、何故か記憶にありません。きっと道を間違えていたのでしょう。

道を間違えたと思われる、水戸街道を歩いた時の記録はこちら↓


2.柏豊四季

スタート地点

スタート地点。
上の画像、左が日光東往還、右が水戸街道、冬の行軍の始まりです。

常磐線
黄色いボーリングピン
旧日光街道入口

旧日光街道入口の信号にテンションが高まります。知らない人が見たら、何故この地に日光街道入口があるなのだろうと思うでしょうね。

国道6号 水戸方面
街道の風景
珈琲館 蔵 南柏店

珈琲館 蔵。
珈琲館の蔵ブランドは、ロードサイドや観光地に出店しており中庭があるそうです。開店前で入れませんでしたが、いつか街道歩きの朝食時に行ってみたいです。

朝の風物詩 山崎パン配送車
自販機 ド冷えもん

自販機 ド冷えもん。
秀逸なネーミングの寿司自販機でした。

千葉県で一番うまい店

千葉県で一番うまい店。
強気のキャッチコピー、ドーンと中国野菜・ちゃんぽん、と書かれています。
その理由が向かい側の道端に立つ石碑を見て判りました。

中国野菜栽培草創の地

中国野菜栽培草創の地。
西川ファームのオーナーが、1975年に青梗菜の栽培方法を日本で初めて確立した場所の様です。この農園で採れた中国野菜を使ったちゃんぽんが、千葉県で一番うまい、という事なのですね。

4号稲荷神社
拝殿
稲荷神社 由来
石祠
ゆで太郎
一本松稲荷神社
豊四季町公民館


3.上野牧

馬のオブジェ

馬のオブジェがあります。
先程訪れた4号稲荷の由来に、この付近は幕府直轄の野馬の放牧地で、上野牧(かみのまき)と呼ばれていたと記されていました。牧とは牛・馬などを放ち飼いにする土地を表します。
江戸時代、牧と村の間には野馬土手と呼ばれる、馬が行き来できない様にする土手がありました。今も日本屈指の野馬土手が残っており、今回は見つけられませんでしたので、いつか見に行きたいと思います。

野馬というと、福島県浜通りの相馬の野馬追を思い出します。
陸前浜街道を茨城県の水戸市から、宮城県岩沼市まで歩いた際に、南相馬市の野馬追祭の会場周辺を歩きました。

(2024.03.12 陸前浜街道 原町宿)
相馬太田神社
(2024.03.12 陸前浜街道 原町宿)
南相馬市博物館
(2024.03.12 陸前浜街道 原町宿)
野馬追祭会場 雲雀ヶ原祭場地

南相馬市の地名に馬が入っているだけあって、馬に対する思い入れが違う街です。
陸前浜街道、相馬野馬追祭の開催地、原町宿を歩いた時の記録はこちら↓


本日の朝食会場
いただきます
ジロー珈琲

ジロー珈琲。
落ち着いた雰囲気でメニューが豊富、流行るかもしれません。

東武アーバンパークライン
和菓子杵屋
焼きそばのまるしょう 豊四季本店
美味しそうな焼きそばです

焼きそばのまるしょう。
千葉県内3店舗、都内に1店舗の焼きそばローカルチェーン店。つまみ4品+焼きそば食べ放題+120分飲み放題で@4,000円のコースが気になります。

季節料理 たまご
和菓子 とみい
グリーンバス停留所
柿と街道
旧家の奥に油屋の屋号発見


4.流山おおたかの森

顔写真付き家族葬の広告看板
顔写真付き家族葬の広告看板

家族葬の看板に、なぜかオーナーなのかモデルなのか、大きな顔写真が掲げられています。

流山市に入りました

流山市は市役所の内に全国の自治体で初となる、マーケティング課を設置。
共働ぎ子育て世代の移住者を呼び込むために作ったキャッチコピーが、
 母になるなら流山市
 父になるなら流山市
ベタなコピーです。

つくばエキスプレス

2005年つくばエクスプレスが開通。
大型商業施設や宅地開発が進み、人口増加率は2016から6年連続で日本一。人口は10年間で16万人から約3割増え21万人に急増。

大型商業施設

旧に人が増えると、学校が大変なんだろうなとか、数十年後はどうなるのかなとか、多摩ニュータウンの姿が頭をよぎります。しかし歩いていると素敵な街なので、人々が移住したくなるのが、感覚的にわかりました。

落ち着いた街並み

街並みは派手な看板などは無く、茶色で統一され、落ち着いています。
歩いている人も全体的に若く、日曜日の朝なのでたくさんのランナーが駅の周りを走っていました。

ロピア

ロピア。
最近テレビなどで話題になっている、神奈川県のローカルスーパー。ロープライスユートピアが名の由来で、その名の通り低価格路線で店舗を増やしています。

ザクロ
ENEOS 流山おおたかの森 SS
保育園

移住者に人気の街だけあって、保育園がたくさん目に入ってきます。

西初石ふれあいの森
パチンコ屋の看板

パチンコ屋の看板。
このタイプの看板は全国的にも珍しい存在になってきました。

流山西初石郵便局

流山西初石郵便局。
街道歩きで各地の郵便局を撮影してきましたが、入口までのアプローチが一番美しい郵便局です。
咲いているピンクの花の木はサザンカ。
サザンカと椿の見分けかたは、散った花びら。花ごとボテっと落ちるのが椿、花びらがヒラヒラ散るのがサザンカです。

初石駅前商店街
ベーカリー コロレ
セブン-イレブン 流山西初石3丁目店

セブン-イレブン 流山西初石3丁目店。
兜を被った様なセブンイレブン、かっこいいです。

日光街道大橋
常磐道防音壁

日光街道大橋。
常磐道を渡る橋ですが、道路は防音壁に囲まれており、自動車の姿は見えず音は殆ど聞こえません。
知らずに歩いていたら、高速道路の存在に気が付かない位の静けさ。街と調和した高速道路を初めて見ました。

桝形?
東武アーバンパークラインと並走
街道の風景
洋菓子 マロン
カフェ ドイル
蝦夷の味 我が家

蝦夷料理と記された店は初めて見ました。
ジンギスカンと書いてあるので、北海道料理の店、行ってみたくなる店です。

菊と街道
十九夜塔
ENEOS 運河SS
坐像

小さな祠の中の坐像。
布がぐるぐる巻かれており、台座には靴と瓶が描かれています。謎だらけですね。


5.利根運河

洋菓子 オランダ家
和菓子 丸嶋屋
ENEOS 東深井SS
駒形神社
拝殿
駒形神社 由来
浅間大神
初詣の幟
キンカン
馬の石碑

駒形神社。
かつてこの付近は官営の野馬放牧場であったため、馬を祀っています。
往時は乗り物が無かったので、例えが正しいかわかりませんが、野間放牧場は自動車工場みたいなものかもしれません。

新川郵便局
東武アーバンパークライン
利根運河

利根運河。
江戸時代に江戸の人口が100万人を超え、食糧などの物資が不足し東北から船で江戸に運ばれていました。
東京湾の入口の浦賀水道は暗礁が多く危険であったため、利根川を北西に遡り、江戸川経由で江戸に物資が運ばれる様になります。
ひらがなの"く"の字の様な航路になり、その曲がり角である、利根川と江戸川の合流地点である関宿付近は、砂が堆積し中洲ができやすく船の通行が困難でした。
解決案として作られたのが利根運河、開通により銚子から江戸まで、移動距離が40km、移動時間は3日から1日に短縮されました。

利根運河ビリケンさん
利根運河ビリケンさん 説明看板

利根運河ビリケンさん。
ビリケンさんはアメリカ生まれの幸福の神で、運河周辺の繁栄を願い建立されたそうです。

家族葬

本格的に街道を歩き始めて4年、道沿いの風景が時流を感じる事が多々あります。
家族葬の広告看板が増えてきているのも、超高齢化とコロナ禍で家族葬が常態化したり、諸条件が重なった結果ですね。

鉄塔
片膝坐像
石像群
野田市まめバス停留所

いつの間にか野田市に入ってました。


6.山崎宿

山崎貝塚
山崎貝塚 案内図
貝塚跡

山崎貝塚。
貝塚跡が畑の様に耕されていました。少し貝が散らばっています。
先月銚子街道を歩いていた時に訪れた、余山貝塚は、ザックザックと歩くと音がするくらいの貝殻が残っていました。

(2024.11.24 銚子街道 余山貝塚)
(2024.11.24 銚子街道 余山貝塚)

他の貝塚を知らないのですが、想像の遥か上をいく貝の残量でした。

(2024.11.24 銚子街道 余山貝塚)

銚子街道 余山貝塚を訪れた時の記録はこちら↓


立派な屋敷
野田山崎郵便局
山崎宿バス停留所
山崎宿 石柱
山崎宿 説明看板

山崎宿は、日光東往還は将軍が通る道では無かった為、本陣や脇本陣は定めていませんでした。
将軍が日光道中を経由し東照宮を参詣する時に、警固をする諸大名が日光東往還を利用したそうです。

うどん やぶ栄
街道の風景
宿 自治会館
東武アーバンパークライン
まめバス

野田市のコミュニティばすの、まめバスは、天井に枝豆が乗っています。
名の由来は、野田市が枝豆の産地であることと、市民にマメに乗って欲しい、そんな思いが詰まっています。

花井明神神社
花井明神神社 由来
社殿
花井自治会館
月讀大神
菅原神社
菅原神社 由来
踊り七夕

踊り七夕。
七夕の飾りを持って踊るのかと思っていたら、七夕の日に様々な人々がさまざまな踊りをするパレード祭りでした。
70年もの歴史があるそうです。

YAMATO SAKANA

YAMATO SAKANA。
南房総直送の鮮魚の販売と料理、両方提供する複合店。洒落た雰囲気の店でした。


7.もりのゆうえんち

もりのゆうえんち 観覧車

もりのゆうえんち。
小さかお子様向けの入場無料の遊園地。場違いな大きさの観覧車が静かに回転していました。

ENEOS 野田中央 SS
団地

昭和の高度成長期に建てられたと思われる団地、美しいフォルムですね。

冬桜と街道
セイヨウマユミ
ふれあいの杜 説明看板
ふれあいの杜
ふれあいの杜
野田市役所
国道16号に合流
横浜から120km
本日の昼食会場
いただきます

昼食会場は国道16号沿いの、懐かしい感じの定食屋さん。北風が吹き始めたので、食べて飲んでまったりしていたら、歩く気力が無くなってきました。

国道16号を進みます
春津島弁財天
社殿
千葉カントリークラブ野田コース
千葉カントリークラブ野田コース

春津島弁財天。
千葉カントリークラブ野田コースの敷地の中の様な場所にあります。神社の裏がゴルフ場の池、なかなかお目にかかれない風景でした。

グリコピアCHIBA

グリコピアCHIBA。
見学したかったのですが、予約制で入れず。

面白いデザインのトレーラー
エネオス 稲荷松SS
横川造園の紅葉
横川造園の紅葉
街道の風景

街道の神様に怒られそうですが道が、道が単調で遺構がなく飽きてきました…

家内が
「今日このまま終わったら、記憶に残らない一日になりそう」
とぼやいたので、
「こういう日は最後の最後に、街道の神様がご褒美をくださるはず」
と励ましながら進みました。


8.中里宿

中里宿本陣

中里宿本陣。
古美術商の看板に中里宿本陣と書かれています。本日初の本陣跡、日光東往還でこの先本陣を感じさせる建物に出会えるのでしょうか…

呑龍上人雷除名號
柳寿司暖簾に中里宿の文字発見
朝日バス停留所
ネオパキスタン

ネオパキスタン。
シーシャカフェと書いてあります。シーシャとは水タバコ、本格的なパキスタンの店ですね。

境15km結城37km
愛宕神社
参道
銀杏に包まれた社殿
神輿殿
神輿
銀杏の葉

愛宕神社。
社殿の屋根の上に積もった銀杏が綺麗でした。

銀杏に包まれた神社といえば、奥州道中の白河宿で、バージンスノーの様な誰にも踏まれていない、銀杏の落ち葉の絨毯を見ました。

(2023.11.26 奥州道中 白河宿)
金刀比羅神社

街道から100m位奥に入った場所にある金刀比羅神社。レッドカーペットならぬ、ゴールデンカーペット、これは行かないわけにはいきません。

(2023.11.26 奥州道中 白河宿)
金刀比羅神社

山道の階段はこんな感じで、夜中の間に葉が散ったのか、この時もハラリハラリと舞っており、足元をよく見ると人が歩いた痕跡が感じられません。

(2023.11.26 奥州道中 白河宿)
金刀比羅神社

上から見下ろすと滑り台の様で、帰り道は少し怖かったです。
奥州道中、白河宿金刀比羅神社のゴールデンカーペットを歩いた時の記録はこちら↓


エネオス 中里SS
街道の風景
千葉カントリークラブ 川間コース
春菊

街道歩きで数多くの畑を見てきましたが、初めて春菊を見ました。寒いので鍋が欲しくなってきます。

本日のゴール 喜八堂 休み茶屋

今日のルートは途中から鉄道から離れ、路線バス通りを歩くので、どこまで歩くかは適当に決めようとしておりました。
一日感動する景色などに出会えず、このまま終わってしまうのか地図を見ていると、"喜八堂 休み茶屋"を街道沿いに発見。

喜八堂 休み茶屋 の看板

往時の街道には当たり前のようにあった茶屋、現代ではコンビニエンスストアがそれに当たります。
実際に街道を歩いていて、屋号に茶屋が残っている店は滅多に出会えません。という事で本日のゴールは、喜八堂 休み茶屋に決定。

喜八堂 休み茶屋

喜八堂 休み茶屋。
中々良さそうな店構え、バス停留所が目の前にあり、ロケーションは100点満点。

正面入り口

上の画像入り口すぐ右では、煎餅の焼き台があり、職人さんが煎餅をこまめにひっくり返しており、100円払うと熱々の煎餅を醤油に付けて、ビニール袋に入れて渡して貰えます。

サービスの団子とお茶

店内に入ると、なんとお茶と団子のサービスが。女将さん風の方が、お茶のおかわりを、コミュニケーションを取りながらこまめに注ぎまわってます。

購入した商品と店内

商品は全国の高島屋、そごう西武、その他多数出店しています。
団子に煎餅を購入して、帰宅後に食べましたが本当に美味しく、また買いたくなる味でした。

帰りのバス停留所
川間駅
アーバンパークライン

喜八堂 休み茶屋。
一日の最後に、街道の神様からプレゼントを頂きました。

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