西国街道8 長船→吉備津
本格的に街道を歩きはじめて3年目、夏は歩く時間がまとまって取れるので、ぐいぐいと街道を進む事が出来ます。1年目は中山道、2年目は北国街道・三国街道、3年目に選んだ道は西国街道。
真夏の京都から下関まで約570km、猛暑との共存も年々コツを得てきましたが、身体と会話しながら西を目指します。
2023.08.09
1.長船
この流れは恐ろしい。
昨夜食事をご一緒した岡山市在の田村さんが、水路に人がよく落ちてしまうと話していました。
只今の時刻06:04。
この時間にこの高さを飛んでいるという事は、国際線かなぁ。
岡山市内には東から、吉井川・百間川・旭川、が流れています。
まずは吉井川を渡ります。三本も川があると、橋がなかった頃の往時の人々は、「また川だよ~」みたいな感じでうんざりしていたでしょうね。
漁師さんの船が見えます。
何が獲れるのかなぁ。
土手の上から眺める街道の風景が好きです。
往時の旅人たちは、橋がない頃は渡し船で岸に着き、土手を昇ってこれから歩く街道を見つめたのだと想像します。
私も同じ事を、川を渡る度にやっております。
街道の近くに乗馬クラブ。
昔は当たり前に馬が街道界隈にたくさんいたのに、今は殆どいません。
不思議な光景でした。
2.桃太郎文化
大きなタニシ。
ゴルフボールを一回り小さくした大きさまで成長しています。食べれられるのかなぁ?
そういえば、東海道の大津宿に”たにしあめ”を販売する店がありました。
買えませんでしたが、タニシの形をした飴の様です。
街道沿いの柳も絵になります。
今まで街道を歩いた中で印象的だった柳と街道の風景を4つ紹介します。
たんぼにはいってはいけません。
わかっちゃいるけど、これが入ってしまうのですよね〜。
子どもの頃茨城県に住んでおり、近所の水田でカエルをつかまえたりして、ドロドロになりながら遊んでました。
岡山県は桃太郎が大好きなのですね。
デザインマンホールはほぼ桃太郎、アパートの名前は桃太郎。
貨物機関車の桃太郎は偶然でしょうか。
3.葡萄畑
岡山の葡萄というと、マスカットのイメージが強いです。
国内の葡萄生産量は、山梨県・長野県・山形県・岡山県の順で続き、4県でシェアは5割強と、他県を圧倒してます。
3年くらい前にシャインマスカットブームが起こりましたが、高くてなかなか手が出せなかった記憶があります。
葡萄の収穫期ですね。
朝食はサラダが山盛り、これは嬉しかったです。
手作りパンに美味しいコーヒー、落ち着いた雰囲気でとても居心地の良いお店でした。
昨日朝から珍しく風邪をひいてしまい、昨年夏にコロナに感染して以来の体調不良。
普段は扇風機で寝ているのですが、宿泊先でエアコンつけたままで寝てしまい喉をやられました。
熱中症予防に細心の注意をしながら歩いているのに、こんなときに風邪なんて、街道の神様、助けてください!
街道を歩いていると、新幹線は何度も目にしますが、高い場所を走る姿ばかりです。
今回は新幹線の数メートル横、しかも線路が丸見え、なのでなかなか見る事ができない新幹線の車輪の撮影に成功しました。
街道沿いで新幹線にここまで近付けるスポットは、なかなかないと思います。
福山通運のお膝元が近いので、全貨車が福山通運の貨物列車が走っています。
それにしても山陽本線は貨物列車が多いです。通過する列車の4割位は貨物の様な気がしました。
4.藤井宿
古都ふれあい祭り。
「そろそろせにゃぁ おえまぁ」
参加しないと、ポスターのお父さんにこっぴどく怒られそうです。
熱中症予防対策として、水分塩分補給と共に、頻繁に身体を冷やしながら歩いてます。
今日は喫茶店以外では、コンビニやスーパーマーケットなどの、エアコンが効いた商業施設が無いので、身体を冷やす場所がありませんでした。
こんなときは神社の境内で身体を冷まします。
30分位ベンチで寝転んでから、歩き始めました。
大好きな里山の長閑な風景もそろそろ終わり。
岡山の中心部に入っていきます。
5.水路の街
水路がとにかく多いです。
先ほどまで歩いてきた区間も同じくらい水路があったはずで、岡山市内中心部に近付き、元々は農地であった場所が住宅地に変わった為、水路が目につく様になってきたのだと思われます。
岡山県が2020年に”用水路等転落事故対策ガイドライン”を作成。52ページにも及ぶ大作で、読んでみると驚きの数値が。
これは深刻です。
このタイプのコカコーラ自販機は珍しいです。
宗家 源吉兆庵。
岡山発祥の和菓子店、北海道から沖縄まで国内約150店舗、海外約30店舗も出店してます。
原尾島原町町内会の掲示板。
涼を感じられる素晴らしい暑中見舞いの絵と一句が、貼られていました。
作者の千代さんありがとうございます。
熱さで枯渇していま心が潤いました。
只今の時刻は12:47。
百閒川を渡ると、いつの間にか景色が都市に変貌。
さぁ、岡山市内でお昼のエネルギー注入だ!
6.路面電車
廣榮堂 本店。
きびだんご発祥の店。夫婦で歩く時はいつも日帰りなので、子どもたちに土産を購入します。いろいろ試しましたが、今風の洋菓子よりも、不思議と団子が一番喜ばれます。
今回は本日含めあと3日歩くので買えません。
路面電車をみると興奮してしまいます。
どうしてなのでしょう、自動車と共存し走っている姿が、何か心を揺さぶるのでしょう。
7.岡山宿
アーケードが終わり、灼熱の道に放り出されました。
すぐ近くが後楽園。
後楽園の中にある、井田(せいでん)と呼ばれる昔からある水田を見たかったのですが、あまりにも熱くて無理、修行がまだ足りませんね・・・・。
城下町を抜けました。
往時の街道は川が街を遮っていましたが、現代は鉄道が川の如く、街道を遮っています。
線路の向こうの街の表情が、どの様に変化するのか楽しみです。
8.奉還町
上の画像の付近から奥のアーケード迄の間に、洒落たカフェなどが3件点在していました。あきらかに今まで歩いてきた線路のあちら側とは、違う自由な雰囲気の街並みです。
奉還町。
この付近は、江戸時代は城外の農村地域でした。
明治維新で職を失った武士が、この地で藩から与えられた、奉還金を元手に商売を始めたのが地名の由来。
マップを見て、この商店街が若々しく自由な雰囲気なのかが判明しました。
近くにノートルダム清心女子大学、少し離れて岡山大学があります。
ぼ~っと歩いていたため撮影していませんが、古着屋さん雑貨屋さんなどが、結構ありました。
國神社。
鳥居の先に見える一直線の階段。
西国街道を歩き播磨國に入ったあたりだと思うのですが、本殿を山の上に建立し、うんざりする様な一直線の階段参道がある神社が多い気がします。
階段といえは、街道歩きの仲間7人で、家訓”街道歩き鬼十測”を定めました。
その中のひとつに、
という定めがあります。
今回はあまりにも階段のある神社が多すぎて、半分くらいの神社の階段しか昇れていません・・・・。
まだまだ修行が足りませんね・・・・。
鬼十則にご興味がある方は↓
街中なのに水路が綺麗で驚きました。
綺麗な水路といえば中山道の醒ヶ井宿、
水路の前の古民家に宿泊しましたが、夜が特に綺麗でした。
さぁ今日もあと少し、
焦らず一歩一歩進もう。
9.矢坂
谷坂東町集会所。
入口上の表札に大きく"茶屋"と記されています。
かつてこの付近には何軒か茶屋があり賑わっていたそうなので、私も少しベンチに座り、賑わっていた頃の様子を想像しながら休みました。
板野酒造。
きき酒3年連続王座が、お店にいらっしゃるそうです。
昨年夏に三国街道を歩いた時は、新潟の日本酒が好きなので、毎晩の様に日本酒を飲んでました。
今回は熱すぎて飲む気が失せているのか、西宮と上郡でしか飲んでいない事に気がつきました。
まぁ身体が求めたら飲みましょう。
10.吉備津
本日はここまで。
この付近の街道沿いには宿がない為、近くの吉備津駅から鉄馬車で一駅移動した、備中高松駅近くの宿に向かいます。
ちょうど列車が行ってしまったので、のんびり景色をみて楽しみます。
吉備中山ルートの地図を読んでいると、吉備津神社の本殿と拝殿は国宝指定と書かれてます。
調べてみると、国宝以外にも見たことがないくらいの長さの回廊があったり、次に来る時は絶対に行ってみたいです。
鉄馬車で備中高松駅まで移動します。
この色のディーゼルカー、カッコいいですね。実際乗ると通勤客で立っている人もかなりいました。
本日の宿泊先の名前は旅籠屋。
街道歩きにはピッタリの名前です。近所に飲食店がないので惣菜で乾杯。
さぁ明日は台風の影響が出るのか出ないのか、答えは街道の神様しか知りません。