2023年業務血風録〜そして誰も近寄ってこなくなる
ああオレ、いま猪木だわ
会社の1セクションの管理職であり、基幹業務全般の一次責任者であり、ふたつの番組のプロデューサーであり、Web関連の実務者であり、と挙げればいろいろありますが、特に精神に異常をきたすこともなく、よくもまあ適当に乗り切れたなと。
とは言え、ひとつひとつの仕事は恐ろしく濃厚となりました。
長年の趣味である音楽制作と、広報担当時代に覚醒したクソコラ動画師としての両面が、昨秋から始めたポンチ絵創作で完全に融合してしまい、もはや労働時間24時間という状況に陥った一年でもありました。
昨年10月天に召された猪木寛至さんは「24時間アントニオ猪木であり続けた」と評されていますが、拙者⭐️みくばんPも深夜にシンセを弄りつつ「ああオレ、いま猪木だわ」と感じることの多い仕事ぶりでした。
趣味がゴルフやパチンコであれば、その時間を作るために猪木寛至に戻れるわけですが、「いつ何時誰の挑戦も受ける」と自分の首を絞めたがゆえに、三越前でタイガー・ジェット・シンに襲われたのは当然のハナシでして、僕もうっかり「ボカコレに参加する」と公言してしまったが故に、清水藍からZepp Nagoyaで「私には(サンボル参りで)時間ないんで、早く曲作ってくださいね」と言われるのも、これまた当然のハナシであります。
ダギャーで得た「気づき」
常々ラジオ番組にはビジュアル・インパクトが必要だと考えております。
それゆえまもなく開始3年となる担当番組では、おぐちさんによる公式キャラクターを前面に、時折手持ちのフィギュアのクソコラを使ってその考えを実践してきました。
が、さすがに世界的IPでもあるマルシー(©)案件を汚すのも忍びないとは思っていて、昨年11月に描いたキャラクターが「ダギャー」です。
当初は前述の公式キャラのデフォルメだったのが、「V3とV4Xを掻き分けられるか」などという個人的興味から、この一年で商品版のパッケージイメージを網羅してしまいました。
1枚描くのに公式三面図をはじめ10枚以上の参考画像を研究し、細かなディテールの違いにもこだわり、挙げ句「ポメイコ」「みくばんP」という派生キャラまで描き上げました。
しかし「何事もやり過ぎると、他人は引いていくんだなあ」とのほろ苦い気づきもありました。
人生、毎日が勉強です。
みんなで裸になりましょう
担当番組に関しては、後述するニコニコの「ボカコレ」「初音ミク16周年 1枚絵動画投稿祭」で3動画を作成しましたが、それとは別に今年新たにスタートした企画で2動画を作っています。
部下が撮影した素材を観て感想を言っちゃった流れから、自分が編集することになってしまったものですが、両企画とも今年初めてやってみて、なんとか成功で終わったのが幸いです。
もちろんリスナーや参加者たちに見せるのが前提ですが、企画が本格的に動く前、他社含む関係各位に「こんな緩さでいいんじゃないの?」と方向性をプレゼンするインナーな目的が最優先でした。
何年も僕と仕事をして苦汁を飲まされてきた同僚は「どうせみくばんはこんなヤツ」で割り切りますが、仕事で初めて組んだ他社の人からは「誰?コイツ」から始まります。
そこで『北京原人』における緒形直人さんがごとく、パンツ一丁で「敵じゃありませんよ。みんなで裸になりましょう」と解きほぐすつもりで作ったわけですね。
しかし「何事もやり過ぎると、他人は引いていくんだなあ」とのほろ苦い気づきもありました。
人生、毎日が勉強です。
オレもたまにはエンターテイナー
ジャイアント馬場さんの著書に『オレもたまにはエンターテイナー』(かんき出版刊)というエッセイがあり、なんとも馬場さんらしいなと中学生ながらにほくそ笑んでいたわけですが、最近このタイトルが頭を擡げることがあります。
自分の顔を売る気は毛頭ありませんが、人前で緊張することも全然ないので、目的を早く伝える手段として自分が喋る、ということも多くありました。
この配信の派生からイベントまで開催し、照明、音響から客電スイッチのオンオフまで担当しつつ、マイクでも喋りました。
このイベント、一応「公開録音」と「非公開配信」の二部構成で、僕がマイクで喋ったのは完全クローズドな後者だけです。
しかしその後、タイムラインを見ていたら記憶がごっちゃになった方もいるようです。
念のため「番組本編には出ないこと」には徹したので、そこんとこ何とぞ。
オンエアに乗らないからと適当に喋ったことを観客の皆さんに笑っていただけたのは嬉しかった反面、「何事もやり過ぎると、他人は引いていくんだなあ」とのほろ苦い気づきもありました。
人生、毎日が勉強です。
仕事を遺して逝く
前方を走るクルマを煽ったり、コンビニでアイスケースに入ったり、回転寿司店で醤油を舐める姿が全世界に公開され、「うしろゆびさされ組」として余生を送る人たちが増える昨今です。
ただ「デジタルタトゥー」だって、考えようによってはスーパー銭湯に堂々と入れるものもあると思うんですよ。
例えば、こういうの。
僕の仕事領域であるラジオは、賞でも獲らない限りアーカイブが永遠に残ることはありません。
上の動画で「ああ、また友だちがいなくなっちゃったな」という程度にやり過ぎたタトゥー映像も、誰かが覚えていてくれれば、僕が死んでも残っていくんです。
まあ今年の作品で言えば「楽耳未来神社」なんてその際たるものですし、16年前に初めて作った番組が、無許可とは言え、こうしてアップされて聴かれているのは当事者として実に幸せなことなんですよね。
本音を言えば、歳も食ったし、若い奴の上納金だけでのうのうと暮らしたいんで、来年はもう少しヒマになりたいんですけど、ヒマにさせてもらえなければ、開き直ってもっとデジタルタトゥーを量産して、他人が誰も近寄らなくなる程度に頑張りたい、と強く思う年の瀬であります。