【凸版印刷】フレックスが認められ視覚障がいの子の介護をしながら仕事を続けることができるようになりました。一方で続く労災の私傷病扱い・・・
私は凸版印刷で働く子育て中の母親です。総合サポートユニオンに加入し、昨年12月以来、団体交渉を続けています。
主な議題は、フレックス制を適用することと、一昨年に労基署から労災認定を受けた精神疾患について、会社でも労災として扱うことの二点です。
組合に加入した経緯の詳細はこちらの記事をお読みください。
【凸版印刷株式会社】労災認定された精神疾患を会社としても業務上の災害として認めてください
記者会見から約1か月が経過し、第5回目の団体交渉が4月13日に開催されました。
この間の成果と課題を皆さんにお伝えします。
■フレックスタイム(スマートワーク)の適用が認められました
まずはよい報告です。団体交渉を粘り強く続けた結果、会社から条件付きでフレックスタイム(スマートワーク)の利用が認められました。視覚に障がいのある息子も4月に小学校へ無事に入学をし、私は息子の介護をしながら仕事も続けております。
総合サポートユニオンの組合員になって団体交渉をしていなければ、恐らくスマートワークを使えるようにはなっておらず、仕事を辞めなければならなかったと思います。2020年から3年かけてやっと獲得したスマートワークの利用。どんなに一人で頑張って会社にお願いをしても利用が認められなかったスマートワークでしたが、総合サポートユニオンに加入しての団体交渉では、約3か月間という短期間でスマートワークの利用を獲得という大きな成果を出していただきました。これがユニオンの力だと実感することができました。
視覚に障がいのある子を育てる親として、息子を特別支援学校へ通わせるという選択をしてあげられたことも、総合サポートユニオンの組合員になったから実現できたことでした。スマートワークの利用について行き先が見えない中では、自宅から電車に乗って通う視覚特別支援学校の受験も断念していたと思います。総合サポートユニオンのお力添えがあったので、息子が安心して小学校生活を送れ、私たち家族も日常を取り戻しつつあります。
■国が労災認定した疾病を「私傷病」と言い張り続ける凸版印刷
労働基準監督署は私の精神疾患を労働災害と認定しております。その事実を会社は労働基準監督署から説明を受けたにもかかわらず、現在でも業務上の疾病とは認めず、私傷病扱いとして取り扱われており不利益を被っております。会社は労働基準監督署の結論を否定し、私の労災が業務上の災害であったと判断する材料を持ち合わせていないと言い張っているのです。
このため、私はあくまで私傷病による病気欠勤をしたことになっており、評価は一番下のD評価。休んでいた期間の年金は減らされ労働条件や処遇にも影響が出ています。
一方で会社によれば、労災事故などの負傷と異なり、労災認定された病気を「業務上の疾病」として認める手続きを定めた規定は、凸版印刷には存在していないそうです。また、これまで精神疾患で労災認定されたケースは凸版印刷には一人も前例がないといいます。
判断する基準も手続きも存在しないということは、就業規則は「労災認定された疾病」=「就業規則の業務上災害」として扱う前提で作成されていると考えたほうが自然です。
これはつまり、私が凸版印刷ではじめて精神疾患の労災認定になったことを受けて慌てて、労働基準監督署の認定する「労災」と、凸版印刷の「業務上の疾病」は違うという見解を立ち上げたということになります。
それにもかかわらず、労災認定を認めないことは、不当な権利侵害であると考え、強く抗議しています。
■提出されない懲罰委員会の議事録
凸版印刷に対し、労災認定された精神疾患の原因となっている不当な懲罰について、一体どのような手続きや議論で調査が行われ、処分が決定されたのかを明らかにして、再検証するよう求めています。しかしながら凸版印刷は、懲罰委員会の議事録の提出を拒否しており、懲戒についての詳細な回答もしようとはしません。
5月22日には、第6回目の団体交渉が行われます。今後の展開についても、こちらで公開していく予定ですので、引き続きよろしくお願いします。