三国志をまったく知らなかった人間が横山先生と三国志展で曹操の沼にドボンした
※はじめに、この文章は自身の気持ちを整理するために記述したものなので、長文でしかも少々まとまりの無い内容となっています。それだけ冷静さが無い状態だと思ってください。
結論からいうと、三国志展で曹操と関羽の関係を知ってしまい頭が沸騰した、というものです。よろしくお願いいたします。
縁がなかった30余年間
三国志といえば魏・蜀・呉の三国の独立と統一を記した中国の史実ですが、それを題材とした小説・三国志演義は、小説だけに留まらず、ゲームや漫画など様々な媒体で展開、老若男女問わず、今も世界中の方に愛されるコンテンツです。
ところが自分はタイトルの通り、三国志のさの字も知らずに過ごしてきました。
知らなかった理由としては、歴史と読書が苦手、ゲームに対しても飽き性なので全然触れる機会がなかった
…というのもあるんですけど、単純に今まで興味が湧かなかったのです。
きっかけ
そんな自分がなぜ今さらドボンなのか。
きっかけは、いつもSNSでお世話になっているフォロワーさんからいただいた、一通のグループDMでした。
いま東京・上野で行われている三国志展へ、3人で一緒に行きませんかというお誘いの内容です。
3人で会うのは去年の夏以来だったので、自分としてはまたご一緒できるならなんでも良いやと、あまり考えずに『行きます』と二つ返事を送ったのですが、その後に続いたお二方のやり取りを伺うと、どうやら三国志への思い入れや熱量に、自分はかなりの温度差があることに気がつきました。
・これでは折角お会いしても中途半端にしか楽しめない
・しかもなんの知識も想いもないから鑑賞もあっという間に終わってしまう
・『あっという間』に入場料1,600円は絶対もったいない
以上の理由から、自分は触りだけでも勉強しておく必要がある、
そう判断しました。
横山光輝先生の漫画を読み始める
お誘いをいただいてから約束の日まで、残された時間は2週間ほどしかありませんでした。
2009年に映画化されたレッドクリフ(赤壁の戦い)は、おそらく三国志演義の中でも最大の見所ではあるものの、全体からすると物語の終盤あたり、予備知識がない自分には少し敷居が高い気がしました。
そして先述した通り、読書もゲームも苦手なので、自分にとって手っ取り早く情報を飲み込むには、横山光輝先生の漫画・三国志が最適だと考えました。
単行本3巻分で見つけた推し
自分は今回、今年の6月から再再販されたというカジュアル版を読むことにしました。現在で2巻まで出ており、単行本全60巻中、3巻あたりまでの内容です。
かなり序盤すぎる部分ですが、それでも主な登場人物がわかったので、自分としてはこれで十分でした。
劉備玄徳を主人公とした話ではあるのですが、自分はこの時、後にライバルになるという曹操のことが気になっていました。
出自や肩書ではなく、ちゃんと相手の実力を見て公平に評価する姿勢に好感を持ったからです。
早くも推しに出会った自分は、『三国志展は曹操の箇所を重点に見て回ろう』そう思い、その日が来るのを心待ちにしていました。
いざ三国志展へ。付け焼き刃状態がかえってこじらせた
展示内容は往年のファン層だけでなく、自分のような初心者でもわかりやすい作りになっていました。
三国志と三国志演義、両方の要素をうまく取り入れた内容で、ほかにもゲーム三國無双のキャラパネルや、NHK人形劇で使用した人形の展示、そして横山光輝先生の生原稿も展示されていました。
至れり尽くせりでした。
特に前半部分は、横山先生の単行本でいう第3巻あたりまでを濃縮した内容だったので、まさに自分が読んだ箇所を復習するような形となり、尚更テンションがあがりました。
やっぱりあの時の選択は正しかった。
触りでも読んでいて良かった。今めちゃくちゃ楽しい。
そうワクワクしながら未開の地となる次のブースへ
足を踏み入れた時のことでした。
『貢物を受け取らず、曹操から劉備のもとへ行く関羽。関羽の忠義を貫く姿勢を、曹操はますます気に入る』
展示されていた一節が 、 こうだったかどうかは今はもう思い出せないのですが、この展示を見た時、自分はなにか、頭を鈍器でぶん殴られたような衝撃と、胸の高鳴りを感じました。
これは一体どういうことなんだ……
関羽は豪傑と言われるほど文武に長けた人物で、劉備玄徳の重要な部下でもあるのですが、劉備とは物語冒頭で義兄弟の契りを交わすほどの間柄でもありました。
その関羽が紆余曲折をへて、一時期敵方だった曹操のもとに留まっていたとのこと。
しかも曹操は関羽の実力をものすごくかっており、どうしても自分の家臣にしたくて、関羽に対しあの手この手でめちゃくちゃ貢いだというのです。
(けどその想いは届くことなくすべて断られる)
全く自分になびかない関羽に対し曹操は、業を煮やすどころか、そういうところが良いと折れ、同じく義を通し、劉備のもとへ旅立つ関羽を見送りました。
関羽はその後、曹操と手を組んだ孫権(呉)によって討たれるのですが、その首を呉は曹操の元へ送り、曹操はそれを丁重に埋葬したとのことです
…って
ちょっと待ってよ、史実!! !!!!!!!!!
まったく予想もしていなかった情報の波により、自分は見事、曹操・曹関の沼へ突き落とされたのでした。
俺の三国志はこれからだ
赤壁の戦いを再現した無数の矢の展示や、近年発掘された曹操のお墓の実物大など、いくつも見どころがあった三国志展でしたが、先の曹操と関羽の印象があまりにも強く、残念ながら後半についてはよく覚えていません。
自宅に戻ってからの自分は、何かに取り憑かれたように曹操と関羽についてググったり、Pixivで曹関のタグを敢えて漁るという暴挙にでたりもしました。
自分の中で彼に対する情報が色々と増えていきましたが、やっぱり自分は、横山先生の描く曹操が一番好きだなぁとこのとき改めて思いました。
横山先生版の曹操は、劉備玄徳のもとへ赴く関羽を見送った際にこうつぶやきます。
『玄徳よ、お前がうらやましいぞ』
はぁ……曹、操っっっっっ!!!!!😭😭😭😭😭
彼にはどうか幸せになって欲しい、そう願いました。
冒頭で述べた通り、自分はまだ単行本第3巻の段階で止まっています。
孔明も孫権も出ていないのに、この有様です。
曹操がこの後どうなるのか、自分はこの話の続きが読みたい、知りたいと思うようになりました。
今月末に自身の誕生日を迎えるのですが、今年はそんな自分にそっと、横山光輝先生著『三国志』文庫版全30巻を贈りたいと思います。
そして願わくば、来月の16日まで開かれている三国志展にもう一度足を運び、失ってしまった後半部分の記憶を取り戻したい、そう思っているところです。
おしまい。