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就活生の頃の話


大学4年生、私は路頭に迷っていた。仕事にしたいことと自分の実力は見合っておらず、就活は難航していた。

いろんな企業の説明会や選考を受けるも、いかに自分が無能な人間であるかを思い知らされた。

すがる思いで学生就活支援サポートみたいなやつに登録して、なんとも胡散臭い就活アドバイザーにマンツーマンで相談していたことがある。

いかにも「人生エンジョイしてます!!!!!」「俺やったります!!!!!」な人であった。

そのジャニーズ系イケメンアドバイザー(ジャニーズ系イケメンアドバイザーなんかい)に助言されたことで唯一、「あー本当にその通りだな」と思ったことがある。

『仕事なんていずれ嫌になるもんだから、好きなことを仕事にするよりも、興味のないことを仕事にした方がいいよ』

当時の私は、「絶対に自分のやりたいことでしか働きたくないっす!!!!!」と思っていたので、そんなの絶対嘘ですやん(苦笑)と思った。

結局私は、なにひとつ興味がなかった地元の金融機関で働くことになるのだが、働き出して三年が過ぎ、今いちばん思うことは「興味ない仕事めっちゃいいやん」である。


働き出すと否応でもその専門知識を学ぶことになる。なんとも金融関係の知識は全般的に全て、自分の人生に役立った。

ローンのことだったり、資産形成のことだったり、すでにその知識たちがいかに私の人生を豊かにしたか計り知れない…わたしが死ぬ時にはあのジャニーズ系イケメンアドバイザー()にも感謝を述べることだろう…

そして好きなことを仕事にしなかったおかげで、プライベートも大変充実している。

もちろん自分の好きなことを仕事にできている人ほど尊敬する人はいないのだけれども。
これはひとつの経験談である。

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