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横浜市の火葬後の「残骨灰」売却の売上げは2億3千万円(日本経済新聞調査より)

火葬後に残る「灰」、つまり「残骨灰(ざんこつばい)」がどのように処理されているか、ご存じですか?

遺骨を骨つぼに納めた後に残った「残骨灰」から金や銀などの貴金属を抽出して換金する取り組みについて日本経済新聞の調査報道記事を読みました。

残骨灰には故人が生前に使用していた歯科治療で使われた金やパラジウム、人工骨に含まれるチタンなど、貴金属が含まれている場合があり、これを売却することで自治体の収入にしている例が増えてきているのです。

全国88都市を対象とした日本経済新聞の調査では、火葬後の残骨灰を売却して収入を得ている自治体が、2019年度から2023年度の間に3.4倍に増えたという結果が出ました。横浜市では、昨年度は2億3千万円をこの灰の売却で得ています。

この売却益は、火葬場の維持や修繕といった市のサービス向上に使われることが多いのですが、実際にはこの事実が市民に周知されているかと言うと、そうでもありません。全国の調査では、売却について市民に知らせている都市は45%にとどまり、多くの人が現状を知らずにいます。横浜市でも、ほとんどの市民は知らないと思います。

すべての自治体がこの方法を取っているわけではなく、相模原市のように「灰は人体の一部であり、供養の対象」と考え、業者に処分を依頼するケースもあります。このように、灰の取り扱いに関しては自治体ごとに対応が分かれており、今後の国によるルール整備が求められています。

自治体は、この情報を市民に対して積極的に開示した方がいいように思います。残骨灰の売却は単なる制度の話ではありません。遺族として、あるいは将来の自分や家族のために、どのような形でこの「灰」が扱われるべきかを考える必要があるのではないでしょうか。自治体がどのようにこの収益を使うか、透明性を高めてほしいという声も重要です。

横浜市は(たぶん)この記事が掲載された後に、横浜市の公式Webサイトの当該の投稿を削除したようです。

googleを横浜市、残骨灰 で検索した結果のページ

残骨灰が貴重な資源として使われることは理にかなっていますが、その扱い方や市民への情報提供のあり方について、私たち市民が声を上げていくことで、よりよい仕組みを作ることができるかもしれません。

特定の使途や目的に限定して使う「目的税」的な使い方を考えてみてほしいと思います。市民が政策や事業について、特にお金の使い方について考えるいい機会になると思います。

この取り組みの収益を指定された目的にのみ使うことができるのならば、どう使うのがいいと思いますか?

皆さんもぜひ、自分自身や家族、そして横浜市の未来について一緒に考えてみませんか?

火葬後の「灰」売却額3.4倍
88都市調査 貴金属含有、所有権は曖昧
2024年9月17日 2:00 [会員限定記事]
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO83496060X10C24A9NN1000/


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