これがFPS原体験 【 ゴールデンアイ 007 】(N64 forNSO)
刺激的すぎるFPSの入り口
あれは1997年、小学生4年の頃。デパートのおもちゃ売り場の試遊台にソイツはいた。見たこともない視点で銃を撃ちまくる、あまりに暴力的で刺激的すぎるゲーム「ゴールデンアイ 007」が…。
その瞬間その年の誕生日プレゼントは決まったのであった。
そんな本作「ゴールデンアイ 007」はニンテンドウ64対応の1995年公開の映画「007 ゴールデンアイ」をモチーフとした1997年に発売されたレア社開発のFPS。
今までのニンテンドウ6 4の可愛らしいゲームたちと同じハードで遊んでいるとは思えない、大人な世界観と自由な操作性、ピストルからロケットランチャーそして一撃必殺の黄金銃と多様すぎる武器の数々、なんでも破壊可能なオブジェクトに、スパイらしい秘密アイテム、抱腹絶倒のチートモードと小学生男子が憧れる作りに当然のように夢中になってしまった。(にしてもこのCM今見ても謎である。)
もちろんそれは僕だけではなくクラスの男子ほとんどが熱狂していた。一人でコツコツとミッションを攻略するもよし、休みの日に友人が4人揃えば悲鳴と笑いが絶えない「対戦モード」でルールやステージ、武器を変えるだけで一晩中遊んでも飽きない最高に雑な対戦ツールとして大活躍。それが中学生、高校生、大人になっても4人揃えばみんなで遊ぶ定番ゲームになってしまったのだから驚きだ。
当時チートモードを攻略を自力でパターン化して全開放していた友達がいて彼は皆のヒーローだった。(現代なら彼はRTA走者だったな…。)
そして今遊ぶと、操作に慣れが必要だが強めのオートエイムでガンガン敵を倒せる爽快感と、昨今のFPSには乏しい自由に探索していく謎解き感もあるミッションを攻略はやっぱり楽しい。難易度も3段階に分けられ、イージーは手軽で撃ちまくれる爽快感たっぷりだし、ハードも限られた弾数でのヒリついたステルスプレイ必須でシビアな立ち回りがスリル満点だ。
そして原作映画を観ると原作のロケーションを上手にアレンジしてゲーム化しているし、要所要所のシーンはきっちりと再現されているし、旧作の007映画の悪役たちをゲストで登場させたりなど、007愛もたっぷり詰まっている。
開発に関してはこちらの記事が大変素晴らしいので読んでいただきたい
今遊べる幸せ
その後もリメイクや移植が待たれたがなかなか登場しなかった本作、伝説的な本作以降、ゴールデンアイと名の付くゲームはPS2でEAから発売された謎007ゲーム「ゴールデンアイ:ダークエージェント」やアクティビジョンが発売し日本では任天堂が販売したWii版「ゴールデンアイ 007」なども存在したが、やはり本作と比べると個人的には満足できるものではなかった。
本作の移植は映画版権もあるし、レア社がマイクロソフトの子会社となりずっと無理なものだと諦めていたが、近年XBOXでHD版の発売や「Nintendo Switch Online」で配信されたりと驚きの連続である。あのニンテンドーダイレクトで発表はマジで声をあげて喜んだよ!もちろんSwitch用の64コントローラーも即購入したぞ。(21分あたりをチェック!)
本作は任天堂から発売したとはとても思えない(逆にとてもレア社らしい)非常に暴力的なゲームなので、当然のようにZ指定を食らって他の64タイトルからパーフェクトダーク、スターツインズ共々隔離された状態で配信されたのには笑ってしまった。しかし現状二つのハードで本作を楽しめるなんてまるで夢のようだ。
以下の記事を見ると移植に至るその紆余曲折っぷりが凄まじい!そして愛も凄まじい!
本作があるから今の自分がいる
FPSも年を重ねるごとにハードの性能が上がり、グラフィックが良くなり、ネット対戦が実装されても、本作が今でも僕の中で燦然と光り続けているのは、思い出補正はもちろんあるけれど、このゲームの完成度の高さ、自由度の高さ、そして対戦モードの笑える面白さがあるからだろう。
そして僕が「SF007」なんてハンドルネームにしたのも本作が影響している。
特撮ヒーローに憧れるようにジェームズ・ボンドに憧れ、 007映画にどハマりしたのも本作がきっかけだ。このゲーム一本で人生は大きく捻じ曲げられたが、今でも敬服させられる素晴らしいゲームなんだ。そう、ゴールデンアイがあったから、ゴールデンアイを遊んで来たから今の自分があるのだ。
DATA
ゴールデンアイ007
発売:任天堂
開発:RARE
対応ハード:N64、Switch、XBOX ONE
発売日:1997年8月23日
主な移植:NintendoSwitchOnline (Switch)
Rare Replay (XBOX ONE)
ジャンル:FPS