僕たちが遊べるまでの物語【 テトリス 】(2023)
究極のゲーム「テトリス」
テトリス。それは気づいた頃には当たり前のように遊んでいたオチものパズルゲームの元祖にして頂点。84年に生まれ現在でも多種多様なハードで多くの人に遊ばれている。
落ちるスピードが上がるあのスリル、うまくハマった時のあの気持ちよさ、そして縦棒で4列を一気に消した時の快感、根源的な楽しさが詰まった最高のゲームだ。
配信元は…あそこ!?
そんなテトリスの映画が登場した。
しかも配信元はApple TV+。あのオリジナル作品オンリーの知らない映画と知らない番組だらけの非常に取っ付きにくいあのApple TV+で…。
しかし僕には強い味方「Apple One」に加入していた!例のApple Musicとそのオマケたちがお得な価格で利用できるプランだ。そのオマケたちの中にはApple AcadeやiCloudもあるがApple TV+も入っているのだ!
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ライセンスを巡る男たちの物語
思えばテトリスの生まれはソ連…と言うことくらいしか僕は知らなかった。
発売されてホイホイとスムーズにこの世界にテトリスが浸透して人気になっていったのだろうと考えていたが、この映画を見るとそれはだいぶ違っていたようだ。
そんなゲームが生まれた経緯、そしてソ連という共産主義国を相手にどのようにして任天堂はライセンスを得たのかというのが本作のストーリー。
主演はあのキングスマンでロケットマンなタロン・エガート。あのボンクラ高校生みたいだった彼も思いのほかいい感じのお父さんやってますね。
ここはソ連。誰も信用できない。
当初はただのゲームボーイ版テトリスのライセンスを得るまでのシンプルな話かと思ったら大間違い。複数人の人物が絡みあう複雑なビジネスと契約の話で、最初はそれを整理するだけでも大変だったけれど、中盤からは主人公が単身絶賛冷戦中のソ連に乗り込み一人頑張りまくる姿ににハラハラさせられます。尻に火がついた人間の行動力は凄え…。
そして当然KGBの影が蠢くようになり盗聴、盗撮、暴力が当たり前の恐ろしい国家の魔の手がテトリス一つを巡って襲いかかるサスペンスな展開に驚きました。高官のヤクザな立ち振る舞いが最高にワルですね。
関わる人間みんな嘘つきに見えてくる展開は本当に恐ろしいです。
ライセンスと利権を取り合うあまりにも醜い戦いは、テトリスというゲームひとつでこんな事になっていたのかというくらい白熱するので驚かされます。まぁこの映画、話を盛っているところは結構あるでしょうけど、KGBが絡んできたり、無茶な行動でヘンクとアレクセイの友情の間で生まれたのは確かなんでしょうね。でもあのカーチェイスは流石に盛ってるよ!
謎日本描写もあるよ!
そして日本人的にはやはり気になる任天堂&日本描写でしたが、主人公の住んでいる東京のアパートやオフィスも日本感があまりなく、面白さには欠けるのがちょっと残念。でもあのシーンでしゃぼん玉の歌は結構怖かった…。
そして任天堂の山内社長も登場しますが、貫禄とオーラがゴルバチョフ以上だったのが面白かったです。この人完全に親分!
そんなこんなで本作は今現在我々が気軽に遊んでいるテトリスには、さまざまな人々の行動の上で成り立っている一本だという事がよくわかる面白い一本でした。これからテトリスを遊ぶ時、製作者やライセンスを巡る周りの人々のことを考えながら遊ぶ事になりそうです。
そういうワケで、みんなもApple Musicで音楽を聴いて、ソリティ馬を遊ぶついでに見ようぜテトリス!50GBのcloudも付くぜ!(宣伝)
DATA
テトリス
公開年:2023年
製作国:アメリカ
配信:AppleTV+
上映時間:117分
監督:ジョン・S・ベアード