PlayStation始動と共に【 クライムクラッカーズ 】(PS1)
PS1のロンチタイトルといえば…
アガる度に雄叫びを上げるサン電子の奇天烈麻雀ゲーム「麻雀ステーション 麻神」、ワーナーインタラクティブからはモッサリした球体アクションゲーム「TAMA」、そしてハードのポテンシャルを遺憾なく発揮したナムコの名作「リッジレーサー」…。
1994年12月3日、プレイステーション発売と同時に登場した個性的すぎるロンチタイトル達。そんな中、船頭たるソニー(SCE)はどんなゲームを出していたのか。実はPS1を好きと言っておきながら、恥ずかしながら最近まで知らなかった。
それらアークザラッドでもXIでもジェットモトでもない、「クライムクラッカーズ」だ。えっ!?アレなの!?
始まりはPCエンジン風味
そんな本作は宇宙の賞金稼ぎ「クライムクラッカーズ」となり、悪党どもを成敗するFPS的なアクションRPG。ポリゴンで作られた3Dダンジョンを探索しながら敵を倒し、謎を解いて任務を達成しよう。
実は本作は今は亡き漫画誌「月刊少年キャプテン」でここまひ氏が連載されていた漫画「超光世紀スター・クラッカーズ」が原作のキャラゲーという側面もあり、ビジュアルは可愛らしい美少女キャラとSFな世界観がたまらない…プレステなのに、まるで「銀河お嬢様伝説ユナ」的な美少女主人公のPCエンジンのゲームを遊んでいる気分だ。ただしボイスが無いのは少し寂しい。
ちなみに開発経緯に関してはこちらのインタビュー記事に載っております。5月に制作が決定して7ヶ月で仕上げたとは凄すぎる…。
スリル!探索!リソース管理!
そしてゲームとしても主観視点のダンジョン攻略は難易度、ボリューム含め歯応えバッチリ。
敵との戦闘も、FPSっぽいシューティング操作は慣れが必要だけど防御と回避が鍵を握るスリルある攻防が楽しめるし、回復アイテムや弾薬などのリソース管理も無駄遣いしにくい、節約を心がけたくなる上手なバランスで仕上がっている。にしてもこの頃って主観視点のダンジョン探索モノが多いですね。
ダンジョンの構造もなかなか広大かつ複雑で地図を何度も見ながらの攻略が強いられる。
さらにステージギミックや謎解きなども多いので手応えたっぷり、後半のステージはかなり広大でダンジョンも複数層の迷路になってくるので普通に長丁場になるぞ。しかし一部謎解きが難しすぎる点もあるのが難点かな…二点ほど僕は攻略情報を見てしまいました。
そんなわけでSCEの船出である一本目は、その後のSCEの洒落た路線からは想像もつかない最高の90年代アニメテイストと最後の最後まで弾薬や回復アイテムの事を気にしながら、ハラハラとスリルを味わいつつ、気が遠くなりそうな迷路に目眩しつつ楽しめるなかなか骨がある楽しいゲームでした。
DATA
クライムクラッカーズ
発売:Sony Computer Entertainment
開発:メディアビジョン
対応ハード:PS1、PS3(ゲームアーカイブス)
発売日:1994年12月3日
ジャンル:アクションRPG
[以降はの文章はネタバレを含みます。]
最高すぎるご褒美
そしてエンディング後はご褒美のようなアニメーションが拝める。今まで顔グラとテキストだけだったキャラクターがリッチにめちゃくちゃ動きまくっていて眼福でした。オープニングムービーでも良いモノだけど、キャラクターに愛着も沸いた頃のゲームクリアのご褒美としては最上級でしたね。今までの苦労も吹き飛ぶもんですよ。
おまけ
そんな本作は特撮ネタのパロディがチラホラあるのも嬉しい。