007一本目は地道な捜査【007 ドクター・ノオ】(1962)
ジャマイカの諜報員仲間が殺された!動機は!?犯人は!?調べてみた!
そんなノリの記念すべきシリーズ1作目。こりゃ悠々自適にバカラで美人を引っ掛けている場合ではありませんな。もちろんボンド役はショーン・コネリー。この時御歳32歳。...32歳!?
オープニングシークエンスのグラフィカルっぷりは今見てもクールですね。
舞台となる南国ジャマイカの南国感は大変素晴らしいけれど、そこでやる事は聞き込み。とにかく聞き込み。誰かに変装とかではなく刑事ばりに関係者を捜査するボンドが新鮮。空港に着いただけで流れる007テーマが今見ると面白いぞ。
しかしここは既に敵のテリトリーの中。疑心暗鬼必至のスパイ映画なだけに尾行され、盗聴され、盗撮されいつどこに刺客が潜んでいるかわからないドキドキ感があります。ちなみに今回の強敵は蜘蛛。我々がゴキブリ相手に必死になるように、一瞬の隙を見て瓶で応戦するボンドの必死の戦いが若干笑いを誘います。
そして見どころは敵がやってくるまで暇つぶしにソリティアを嗜むボンド。
そのあと弾切れでボンドを撃ち損なった教授を殺す所はさすがの殺しのライセンスを持つエージェント感ある冷酷なシーンで良かったですね。
蟹ヶ島は魔の島!
敵のアジトである島「クラブ・キー」についてからは捜査から一転してアクションに。忍者ばりの水遁の術、そして髪を乱しダイハード如しボロボロになりながらの脱出がハラハラしますし、ジャマイカの自然豊かな景色から一転しての敵基地内の人工的で幾何学的な構図がクールだ。
だけどドラゴン戦車はやっぱり弱そうだね。
今回のヴィランであるドクターノオの手厚い出迎えも余裕たっぷりでなかなか良く、食事シーンではボンドの煽りスキルが存分に披露されるの見てるこちらがヒヤヒヤするぞ。
にしても本作は放射能関係の描写に関してはかなりフワッとしており、放射線をブラシで洗い落としたり、基地をメルトダウンで爆破したりと「オイオイ...😅」と思うところは多いです。ジャマイカの海はこの映画だともうおしまいだ...。
ドクターノオとのバトルも自慢の怪力ハンドの見せ場もなく結構あっさり終わってしまうのは残念でした。
本作は以後のシリーズにある、Qのガジェットやボンドカーもありませんが、旅情感たっぷりな正真正銘のボンド映画でした。
DATA
007 ドクター・ノオ (007は殺しの番号)
公開年:1962年
製作国:イギリス、アメリカ
上映時間:105分
監督:テレンス・ヤング