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存在が奇跡 【 勇気の推理 海苔 】(Switch)
それは一目惚れ
パッケージを見た瞬間「あ、買うわ」ってなるゲームってあるじゃないですか。それはイカすパッケージだったり、好みのゲームシステムだったり、凄いグラフィックだったり、美しいデザインだったり、可愛いキャラクターだったりで、自身の琴線に直撃して気づいたら財布から金を取り出しているという・・・そういうやつ。
そしてそれは僕にとって「勇気の推理 海苔」はそういったゲームだ。
僕はこのストアページを見た瞬間。「あ、買うわ」となった。
こんな嘘みたいに実写の海苔ごはんのビジュアルのゲームがあの天下のゲームハードNintendo Switchで遊べるわけない。
あの魑魅魍魎が跳梁跋扈するNintendo Storeでも流石にやらないだろうと僕は勝手に考えていた・・・。
しかしその一線を超える作品が遂に登場してしまったのです。
それがHERO GAMEから登場した、本作「勇気の推理 海苔」なのです。ちなみに値段は破格の150円。
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衝撃の本編
ストアのビジュアルでテンションが上がるのは良い事だ。製作者もそれを望んでいる。
しかしそれは序の口、これはゲームだ。ちゃんと中身がある。
本作「勇気の推理 海苔」のゲームジャンルは短編ノベルゲーム。
海苔が名産の都市「都海街(とかいがい)」に住む主人公の勇気くんが、女刑事の茜さんに父が有名な探偵であったことを見込まれ(?)共に事件を推理し解決していく物語だ。
しかしプレイして即違和感を覚える、そして考える「俺は本当に今Switchのゲームを遊んでいるのか?」
極端に簡素なグラフィックは往年のフリーゲームを思い出すには十分だった。いや、20年前でもちょっとコレは・・・と思うぞ。
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しかし本作はノベルゲーム。大事なのはグラフィックではない、ストーリーだ。前述した通り推理が主体のミステリーだ。
ゲームを開始と同時に即、推理パートに突入する。推理はシンプルな二択だ。AボタンとBボタンで選ぶんだな。わかった!ここはAだ!
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・・・ん?
おかしいな、Aボタンを押してしまったはずなのにBが選択されたぞ。
そうかわかった!きっとボタン配置が甘いんだ!昨今のゲームはXboxのボタン配置の方がPCゲーム的にはポピュラーだからね、AとBが逆なんだ!
ということでやり直して、次はBボタンを押すぞ!・・・あれ?
Bが選択されている。
実は本作のゲーム性と言える選択肢に見える部分は、なんとただのテキスト。どちらを選んでも同じ選択になってしまうのだ。なんて投げやりなんだ!
だが、ここで負けてはいけない。
読み進めていくと、本作の魅力がジワジワと出てくる。
勢い任せの荒唐無稽で納得できない推理に、突然目の前で前触れのない大事件が起こりまくる超展開、ギリギリすぎる表現、息つく暇を与えない怒涛のストーリーは好みが分かれると思うけど、僕は正直めちゃくちゃ楽しめた。どのくらいかというとクリアまで終始笑っていました。ネタバレは控えたいが、シュールな漫画が好きな方には是非とも遊んでみてほしい。
それと本編は40分ほどでクリアできる。衝撃のエンディングを見逃すなっ!!!もちもち〜
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特異点となるのか。
こんなに楽しめる「勇気の推理 海苔」。僕は完全に虜にされて次回作が発売されたら必ず買うし、パッケージ版が発表されたら予約して買うだろう。
しかし本作のクオリティはハッキリ言ってSwitchのゲームの中でも群を抜いて低い。それが堂々と任天堂やスクエニ、カプコンと肩を並べて販売しているのである。(こんな事が許されるのはXbox360インディーズゲーム時代だけだと思っていた。)
もちろん正規の手順を踏み、任天堂の審査をパスして(選択肢の指摘をスルーして)配信されており、製作者の解説動画の通り、任天堂の優しさに包まれたのだろう。それか奇跡か何かだ。
しかし本作が面白いことには変わりはない。
↓製作者による解説動画↓
まぁそんなわけで荒削りでも熱意さえあればSwitchでゲームが配信できる事が実証されたのである。
今後本作が特異点となりSwitchのインディーズゲーム達がどうなっていくのか、その点でも楽しみだ。
是非ともHERO GAMEには次回作も僕らを驚かせ、笑わせ、楽しませてほしい。
みなさんもSwitchのライブラリに海苔を加えて彩りを持たせてみてはいかがだろうか。
DATA
勇気の推理 海苔
発売 / 開発:HERO GAME
対応ハード:Switch
発売日:2022年9月15日
ジャンル:テキストノベル
価格:150円
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