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SF的映画レビュー

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ネタバレだらけの散文のようなレビューです。 旧作から新作、往年の名作から変なサメ映画までいろいろレビューしていきます。
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#SF

シュワが2人!? 【 シックス・デイ 】(2000)

クローン技術でシュワが二人になっちゃった![注意:本文はネタバレを含みます] …で、俺はどっちのシュワなんだ?オリジナルかクローンか?そんな事を考えている暇もなく俺を狙う魔の手が迫る。殺しても殺しても刺客がクローンとして復活してきやがるぜ!そんなクローン人間を題材にしたシュワSF。 なんともいえない未来ガジェットや乗り物、文化、情勢が所々に盛り込まれているのはやっぱりSF映画のいい所。シンディはホラー。 まぁ途中で主人公側のシュワがクローンだったと判明しますが、さすがに途

悪ハミルと不思議SF【 風の惑星 スリップストリーム 】(1989)

​強い風とどこまでも続く平原と砂漠パッケージに躍るキャッチコピーとマーク・ハミルに釣られて視聴した本作は予想の斜め上を行く静かなSF。紳士的なロボットが間抜けな男と共に飛ぶ未来世界は、設定は説明不足だし、展開も唐突なところが多く、登場人物の描写も荒く極端で、見る側を突き放した部分が多々ある。まぁ同監督作品のトロンも似たような所はあったけど。人間だが不完全な主人公と、人間ではない完璧さを持ったロボットとの対比が面白い、そしてロボットがどんどん人間になって行くまでを哲学的に描いて

サイバーウォー前日譚【 バーチャルウォーズ 】(1992)

サイバーウォーの原点へ…あのPS1の奇作「サイバーウォー」を十二分に理解するにはやはり元となった映画を見るのが一番だ。 しかし日本ではDVD化されておらずVHSで見るしかない…ということでAmazonで購入。(1円と送料しか払ってない気がするぜ。) あんな凄いゲームの映画なんだから、さぞ難解な映画なのだろうと思ってスタッフ欄を見てみたら、原作者はなんとシャイニングやスタンドバイミーでご存知、泣く子も黙るスティーブン・キング。 主演はサイバーウォーでも一瞬出てきた5代目007

映画:ジオストーム (2018) ネタバレ有

お前達は行け!俺は残る!政府の陰謀!無駄に多い爆発!王道!テンプレ!お約束!ベタ!ありがち!でも細かいことは考えるな!それが最高な一本それがジオストーム! とんでも技術で地球を覆う超衛星の暴走!人工知能の暴走かと思いきや、黒き陰謀が隠れていた! 地球と宇宙で兄弟二人が力を合わせて解決に向かうその道のりのテンションはエンジンのかかりがちょっと悪いけど、スピードが出ると止まらない展開がたまりません。気合の入った宇宙ステーションの映像はもちろん見せ場の天災シーンも素晴らしく、ブラ

映画:ストレンジ・デイズ/1999年12月31日 (1995) ネタバレ有

バーチャル体験は最高さ!どんな体験だって五感を感じられる!美女とのセックスだって、マッチョになってバイオレンスだって、死の瞬間だって…。 そんな1999年から2000年を迎えるという、世紀を跨ぐのとはまた違う大きな節目。思えばノストラダムスやら2000年問題やらいろいろあったけど結局なにもなかったし、人間もさほど進化はしていない。でも2000年、なにかが変わるという感覚はあった。 しかし主人公のレニーは違う。VRで人間の過去の記憶を疑似体験出来る装置を使って現実逃避の真っ最

20年前の実写ガンダム【G-SAVIOUR (2000)】ネタバレ有

これが実写ガンダムだ! ガンダムと実写。思えばガンダムと実写というのはなかなか結びつきが弱い。昨今では「レディ・プレイヤー・1」にガンダムが登場した事もあったけれどアレはゲスト出演という形。 初代プレステでも実写の太いシャアが登場する「GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH」なるゲームもアレな内容ではあったが頑張って一年戦争を再現していた。しかし今回レビューを書く「Gセイバー」は完全新作!なんと海外との共同制作で作られたインターナショナルなガンダムだ! …

映画:キャプテン・マーベル (2019) ネタバレ有

彼女は一体何者なのか?人間か!?宇宙人か!? 正直あまりにも日本ではドクターストレンジやアントマン並に馴染みがないキャプテンマーベルさん。 そんな彼女の登場は予想より遅く、そして想像以上に魅力的だ。歯に着せぬ立ち振る舞いは可愛いしイカす!戦闘スタイルも思考より先に手が出るタイプなのも好きです。 映画のストーリーも記憶喪失からの敵味方逆転など飽きない内容でしたが、一体変身宇宙人の家族達はなぜ宇宙船に隠れていたのか、宇宙猫のグースは何故いたのかなどなどわからない…というより引っ

地獄のバカンスへ…【 マタンゴ 】 (1963)

60’s意識高い系リア充共が乗ったヨットが難破。漂着した先は鳥も近寄らぬ謎の無人島。和気藹々としていた彼らも不安と空腹が心を狂わせて行く…。そして見つけたのは謎のキノコ…。 今でも全然古臭く感じない弱い心のぶつかり合いっぷりはなんとも生々しい。だんだん感情と暴力がエスカレートしていく様はそれだけでも十分サスペンスとして成り立っている本作。しかし本作の主人公はなんといってもキノコ!そう「マタンゴ!」 キノコの誘惑!そして恐怖はシュールだけど恐ろしい!美味しく、トリップしちゃ

映画:バンブルビー (2019) ネタバレ有

これだよ!こういうデザインのトランスフォーマー が見たかったんだよ!(以下用語全てG1アニメ準拠です) 初っ端から怒涛のセイバートロン星の戦いは見ごたえたっぷり。まるで初代アニメ版を見たご褒美のように今回のTFのデザインはどれも初代のアニメ準拠になり知っていれば一発でわかるデザインなのがとても嬉しい。しかもバーゲンセールの如くラチェットから始まり、ホイルジャック、レーザーウェーブに声まで再現されたイカすサウンドウェーブにワクワクしない訳がない。足りないのはメガトロンと政宗一成

映画: SPACE BATTLESHIP ヤマト (2010) ネタバレ有

キムタク!お前艦長代理をやれ!お前が古代進だ! わかってる。2時間であの遠いイスカンダルまで行って帰ってくるのを馬鹿正直にまとめるのは無理がある。なので今回のアレンジは結構驚きだけど納得してしまう。ガミラスもイスカンダルも意識集合体というよくわからないモノにするのもアリといえばアリだ。 双子星を表裏一体の惑星にしたり、エイリアンにしたり、森雪をパイロットにし、相原や佐渡先生を女にするのもこうなったらもうアリだ。 映像もいい。素晴らしい迫力のヤマトを見せてくれる。ドッグファイト

ジェット旅客機 vs ナチス戦闘機【エアポート2015 (2015】)ネタバレ有

謎の乱気流の向こうは1940年ドイツ上空でした。 ダラスからロンドンに向けて飛び立ったAI42便。突如、目の前に現れた巨大な雷雲を抜けると、地上の街は炎に包まれていた。そして、複数の爆撃機が機体を取り囲んだ。機長は無線で助けを求めるが、繋がった先は管制塔ではなく、連合国軍の伍長を名乗る男。時は、ヒトラーが進撃する第二次世界大戦中であった…。(Amazon説明より) アイデア一発勝負とはまさにこの事。 あらすじでコレでもかとワクワクさせてくれますが、やっぱりこのタイトルとい

映画:アリータ・バトルエンジェル (2019)ネタバレ有

これが実写化ってもんだ! 風の噂に銃夢の実写化の話は聞いており、キャメロン印で出ると聞いてから急いで原作を読んで待ってきた。そして出た特報の邦題は銃夢とはかけ離れた謎の題名。アリータ!?なんだそいつは!ガリィじゃないの!?だから漫画の実写化は信用ならんぜ!…と、一端によくある文句の一つもでちゃいそうなお披露目だったが予告を見れば見るほど「あれ?これ?…もしかして…」となり、監督が我らがマチェーテでシンシティなロバート・ロドリゲスに決まり見るっきゃないという流れへ…。 おい!!

映画:エレクトリックドリーム (1984) ネタバレ有

コンピューターだって恋がしたい! チェスも将棋も人間に勝った!次はその美人ちゃんの争奪戦だ! 自我に目覚め、人間の女性に恋をしてしまったコンピュータとの三角関係はたまらなく微笑ましくそして楽しい。 恋する気持ちは人間と変わらない。いや、それ以上かも。ならば恋敵はやっつけなければ!それ俺が作った歌だろ!俺の歌に彼女はホレたんだよ!ズルすんな人間!…そんな健気で好奇心おう盛なコンピュータがなんとも可愛い。たまに怖いけど。 全編MVのような映像と気持ちのよいPOPな80'SMUSI

映画:2001年宇宙の旅 IMAX版 (2018)

圧倒的な音の宇宙 2001年宇宙の旅。それはSF映画の金字塔であり映像的にも作品的にも風化しない奇跡の作品だ。もちろん僕も大好きな作品だ。 まぁ僕が本作について語らなくても、腐るほど語られている作品なので今回はIMAX版はどうであったかという所だけの感想です。 僕はこれまで2001年は2回劇場で見ている。両方「午前十時の映画館」で上映された時だ。(一つは六本木で一番前の席で見た。もう一つは友人を誘ったが寝てた。)その時もその圧倒的な迫力と音楽に驚いたが、今回のIMAXは格が違