【読了記録】今月読んだ本 ~23年10月編~
下半期
星新一『宇宙のあいさつ』
大好きな星新一のショートショート集です。35編収められていますが、『治療』や『景品』あたりが面白かったです。
相変わらずオチが予想できないものばかりで楽しめました。
大村大次郎『お金の流れで見る世界史』
こういった歴史の本が好物なのですが、今回は「お金」の世界史です。といっても「貨幣の歴史」というより「経済の歴史」といった内容です。
人類の経済活動は古くは銀や銅などの金属の重量換算に始まり、通貨の概念は中国の殷王朝が貝を用いて取引を始めたことに由来します。当時より今日まで、世界の歴史は「富や材を如何に追求するか」いうことでもあります。
著者も指摘していますが、国の盛衰は一定のパターンがあります。古代より良い国家は盤石な経済基盤が整えられており、古代エジプトやローマは徴税システムが上手く機能していたことがわかっています。しかし、そこから凋落しておくのも今と変わらず(徴税)役人の腐敗から始まっています。また富裕層が特権を設けて税を逃れ、中間層にしわ寄せがいく際に国が傾くとも語っています。まあ間違いないでしょう。
現在もタックスヘイブンに資産を移転し、租税回避を図る巨大企業が後を絶ちません。こういった特権を設けることは本来健全なシステムではなく、国を運営するためには特権階級を設けないことが重要です。国民から分け隔てなく適切に税金を徴収することが国を豊かにします。現在の世界はどうなんでしょうか。興味深い本でした。
読みかけの本が多く、結局読み切ったのはこの2冊だけでした。noteの執筆もちょっとサボっていたのもありますが、仕事の諸事情もあって遅れました。読書の秋、もっと読みたい。