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【イベントレポート】Sustainable Food NIGHT #18 2024_20240627

こんにちは! Sustainable Food Asia株式会社(以下SFA)のインターンの丸山です。

2024年6月27日に開催された『Sustainable Food NIGHT #18』〜3Dフードプリンターが実現する『共に食べる』選択肢の拡大〜の開催レポートをお送りいたします!


Sustainable Food NIGHTって?

日本・アジアから世界に「サステナブルフード」を定義するべく国内外でイベント開催や出展、現地ツアー等を行うSustainable Food Asia株式会社が主催する、月例ナイトイベントです!2023年6月グランドオープンのSustainable Food Museum(以下:ミュージアム)内で毎月、サステナブルな食の未来を作るため奔走するスタートアップ企業の代表をゲストに招き、トークセッション+試食懇親会を開催しています。


登壇者プロフィール

◇メインゲスト:
Byte Bites株式会社 代表取締役 CEO 若杉 亮介氏
1994年生まれ。慶應義塾大学・大学院にて、3Dプリンタをはじめとしたデジタルファブリケーション技術の研究に従事。
3Dプリンティング技術を用いて、看護や教育、食など、多領域分野での異分野横断型デザイン実践を専攻。
2021年、3Dフードプリンターを切り口に、食製造・食体験の拡張を目指すフードテックスタートアップ、Byte Bitesを設立。料理の監修から機材の導入支援を行う。

◇モデレーター:
株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻修了 博士(農学)上級バイオ技術者
【専門分野】農学、分子生物学、土壌微生物学
設立初期よりリバネスの運営に参加。教育・研修事業、各種ライティングに関する実践を学んだ後、アグリ分野の先進技術開発・導入、地域創業エコシステム構築事業の立ち上げを行う。

Sustainable Food Asia株式会社 代表取締役 海野 慧
1984年生まれ。高校生の時に「世界がもし100人の村だったら」という本を読み、国際協力開発に関与する仕事を志ざし、立命館大学国際関係学部に進学。株式会社じげんの創業期に2007年新卒で入社。2013年に事業管掌取締役となり、東証マザーズへ上場。2019年退社。
2020年、CarpeDiem株式会社を創業。社会課題の本質的解決を実現するためにSTART CAMPなどのカンファレンスを運営。2022年、アジアからサステナブルな新しい食産業のエコシステムを創るため、子会社にSustainable Food Asia株式会社を設立。フルーツミートの展開や、アジアのフードテックスタートアップを集めたSustainable Food Camp、Sustainable Food Museum/サ
ステなおむすび等運営。


今回は、Byte Bites株式会社(以下Byte Bites)の代表、若杉 亮介氏をゲストにお招きし、「3Dフードプリンターが実現する『共に食べる』選択肢の拡大」というテーマでのトークセッションと、3Dフードプリンターで作られたいちごのレイヤーケーキの試食会兼交流会が実施されました。

イベント概要

日時:2024年6月27日(木)18:00~20:45
会場:Sustainable Food Museum(サステナブルフードミュージアム)
参加料金:5000円(※Peatix事前申し込制
主  催:Sustainable Food Asia株式会社
プログラム:
・ Byte Bites株式会社 事業紹介 
・トークセッション「3Dフードプリンターが実現する
 『共に食べる』選択肢の拡大」
・試食を兼ねた懇親会
※本交流会における全ての情報は、主催者の知的財産であり、無断での録音・録画、複製、頒布、改変、公衆への送信、展示、実行、および利用を禁止します。


トークセッション「3Dフードプリンターが実現する『共に食べる』選択肢の拡大」

▼トークセッションテーマ
「3Dフードプリンターが実現する『共に食べる』選択肢の拡大」
▼トークセッションゲスト
Byte Bites株式会社 代表取締役 CEO 若杉 亮介氏
▼モデレーター
Sustainable Food Asia株式会社 代表取締役 海野 慧
   株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平

<左からSFA海野、Byte Bites若杉氏、リバネス塚田>


Byte Bitesについて

若杉氏は、2021年に3Dフードプリンターの技術を活用し、商品開発を行うスタートアップ「Byte Bites」を設立。現在は多くの企業と協力しながら、新しい食体験を提供しています。Byte Bitesは技術と食の融合によって、これまでにない食の楽しみ方を創造することを目指しています。

3Dフードプリンターの最大の魅力は、その形状や構造の自由度です。例えば、同じ材料でも異なる構造にすることで、様々な食感に変えることができます。また、同じ見た目でも、食する人に適した成分やかたちで成形することも可能となっています。


さらに、3Dフードプリンターはデータを共有することで、遠く離れた場所でも同じ食体験を提供できるという利点があります。この技術は、地球と宇宙のように遠く離れた場所でも同じ食事を楽しむことができる未来を実現する可能性を秘めています。


これまでのプロジェクトでは、新宿のハンズにて、構造を変えることで食感が異なるチョコレートの販売を行ったり、規格外の野菜を使ったレシピやレストランでの導入、プラントベースやパーソナライズされた食品の開発など、多岐にわたる活動を行ってきました。


また、3Dフードプリンターを活用することで、手作りでは難しかった細かい調整や多様なバリエーションの試作が可能になることから、食品メーカーが新しい試作品を作る際に活用できるよう、食品メーカーなど商品開発を行う企業への導入支援を行っています。

加えて、3Dフードプリンターを使ったイベントも数多く開催されています。例えば、コンピュテーショナル食感デザインプロジェクト「3D構造体食感パティスリー」では、AIを使って食感を生成するソフトウェアが開発され、参加者が自分の名前や好きな言葉を入力するだけで、その言葉に合った食感の食品を3Dフードプリンターを用いて作ることができるというイベントを行いました。


参加者は自分の名前や好きな文章を実際に抽出して食べるという、今までにない食の体験に感動し、こういったイベントがこの新しい取り組みの認知を広めるための発信のきっかけにもなっています。


様々な取り組みを行ってきたByte Bitesですが、今後はこの経験を生かしてペット用の3Dフードプリンターを活用した新しいプロジェクトに取り組んでいく予定とのこと。ペットと飼い主が同じ食卓を囲むことで、「共感や絆を深める」ことをコンセプトに、試作品の開発や市場調査を進めつつペットフードの新たな可能性を探っています。


ディスカッションテーマ「3Dフードプリンターが実現する『共に食べる』選択肢の拡大」

イベントの後半には、「3Dフードプリンターが実現する『共に食べる』選択肢の拡大」をテーマにディスカッションが行われました。
参加者からも活発に質問が生まれ、会場全体でこのテーマについて考えました。


<ディスカッションの様子>
<質疑応答の様子>


このテーマで一番の議論となったのは、「ペットと同じものを食べるというニーズ」について深掘りをした中で、食3.0の共感を促す食事において何が最も重要なのか、です。
そもそも、前半のトークセッションの中で、若杉氏は「共感のための食事」が今後の食の価値になっていくのではないかとおっしゃっていました。

そのことも踏まえ、この議論の中で、「そもそも人間は同じ動きや近しい動きをすると共感しやすくなるのではないか」とモデレーターの塚田。
だからこそ、素材や味が違っても、同じ食感や見た目のものを人間だけでなくペットとも一緒に食べることができるという事実が食3.0の世界で重要なポイントだ、という意見には私自身も非常に納得感がありました。

さらにここから派生し、アレルギーや食事制限、宗教的・主義的な理由で共食が難しいケースについても話題になりました。現状これらに対応できる飲食店は多くありません。しかし、3Dフードプリンターを使えば、異なる素材で同じ見た目の料理を作り、同じお店で楽しむことが可能になるかもしれません。
そしてこれにより、宗教や文化、食の多様性を尊重しながら、どこでも皆が同じ食卓を囲むことが可能になるのではないか、という実現が大変楽しみな結論となりました。


今回のトークセッションを通じ、様々な障壁を超えた「食3.0 共感のための食事」の実現に3Dフードプリンターが寄与する大きな可能性を感じることができました。



ここでは書ききれない内容も盛り沢山なので、ぜひイベントの熱量を体感しにお越しいただけることを楽しみにしております!


試飲会&交流会の様子

後半は、1Fのミュージアムスペースにて試飲会&交流会を実施。
Byte Bitesの3Dフードプリンターで作られたいちごのレイヤーケーキを楽しみつつ、池田糖化工業さんが岡山県で生産している青昊(あおぞら)にんにくを用いたフジッリのジェノベーゼ、牡蠣とエビのアヒージョ、エスビー食品・食文化未来研究所さんの、ハーブをアップサイクルした開発中のクラフトジンなどを味わいながら、先ほどの内容の深掘りや新たな共創のアイデアを話し合い、みなさん盛り上がっていました!

<乾杯の様子>



<交流会の様子>


試食ラインナップ


<Byte Bitesのいちごのレイヤーケーキ>



<明治チョコレート効果W+使用・池田糖化工業さんのブラウニーサンド>



<鴨とオレンジのサラダ 明治チョコレート効果W+使用のバルサミコドレッシングで>



<青昊(あおぞら)にんにくを使ったフジッリのジェノベーゼ>


<ミニトースト 〜青昊にんにく使用・タプナードとガーリックバター添え〜>


<青昊にんにくと広島県産牡蠣使用・牡蠣と海老のアヒージョ>


<エスビー食品・食文化未来研究所さんのバジルを使ったクラフトジン>


<Ninja Foodsの糖質ゼロ唐揚げ>



業界の方々が集う秘密基地的な場所として、Sustainable Food Museumは、今後も定期的にイベントの開催や各社とのコラボ企画を進めてまいります!


次回イベントのご案内(2024/7/25開催)

次回は、7月25日(木)18:00~20:45にて開催予定です!
「笑顔の循環で100年後のサステナブルな社会を支える挑戦~高品質へのこだわりで、”チョコレートを新しく”する~」
日本人が持つ「きめ細やかさ」を生かし世界に誇れるモノづくりをしようと、素材に徹底的にこだわりシンプルかつ本物のチョコレートづくりに取り組むMinimal - Bean to Bar Chocolate - 代表山下 貴嗣氏をゲストに迎えて、トークセッション&試食会を行います!!

https://sustainablefoodnight019.peatix.com/view

お申込みはこちらのPeatixからお願いいたします!


まとめ

Sustainable Food Museumでは定期イベントの実施だけではなく、ワークショップなどのイベント開催、サステなおむすびでのコラボ商品の展開、ショーケースプロダクトの募集等、幅広い展開を予定しております!

ご興味ある方は、ぜひ以下へのご連絡お待ちしております。
当日お越しの際は、ぜひ運営スタッフにも直接お声がけください!

Sustainable Food Museum お問い合わせ窓口 
showcase@sustainablefoodasia.com

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