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【林業日記16】人生初の特殊伐採の現場を終えて。特殊伐採は儲かるのか?

林業を仕事にしていると、林業は儲かるのか?という話になります。

結論から言うと、林業は「やり方」によっては儲かります。

木をいつお金に変換させるのかがポイントなだけで、今、儲からない形の林業をしていても、十年後、数十年後に儲けることができるかもしれない。

ただし、それはきちんと手入れがされた山の場合。

私たち夫婦は、「間伐」といって、他の木が育ってくれるように、混み合ったところの木を間引く作業をメインに仕事をしています。

しかし、どちらかというと、少し言葉は乱暴になりますが、適正な手入れがされてきていない山を任せていただくことが多い中で、儲かる仕事だとは口が裂けても言えません。

そんな中で、夫が注目したのが「特殊伐採」の仕事。

参考:【林業日記11】木の「上」で林業をする。

最近では林業をしている方がちらほらと参入している業界ではありますが、地面で木を伐るのとはちがい、木の上でそれを行うので、林業自体、もともとリスクがある仕事ですが、さらに別のリスクが加わります。

この特殊伐採をなるべく安全に行うべく、ツリークライミングの技術を応用する方法を学び、実践しているのですが、ツリークライミング自体、ロープやカラビナなどの道具を使って、木登りをします。

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そのロープやカラビナを安価な値段で手に入るからと、見知らぬネットショップでポチッとしていたのであれば、きっと自分が死ぬリスクが高まります。

そのために、ちゃんと信頼のおけるショップで、信頼のおける道具を購入する必要があるわけですが、そうなると、それなりに道具代を揃えるにもお金がかかります。

「え、これ全部揃えていたら、私たちはセルフビルドで家を建てるのを予算600万円くらいでやろうと思うけど、スッとそれくらいいくのでは!?!!」

と思うほど、本当に(笑)

さすがにここまで初期投資はしていませんが、特殊伐採をするとなると、地上での林業の道具とも適した道具が異なるし、別で道具を揃える必要も出てくるのです。

そう考えると、まずその初期投資を取り返すのに何年かかるのだろうとちょっと途方に暮れそうになるし、そうこうしているうちに、地上での林業を地道にコツコツやりながら、地上でできる支障木伐採などの仕事を請けている方がいいのでは…と現実的な思考が頭をよぎります。

「引き返すなら今のうちだぞ」と夫にも呟きつつ、でも夫は「もうすでに踏み込んでしまったからもう後には引けないので、やるしかない」と腹をくくっている様子。

夫には夫の人生があるからと思う反面、家族を養っている身で、結婚をするときに私を守ってくれると宣言してくれたのだから、それを有言実行するべく長生きしてくれよ(ただでさえ年の差18歳差あるのだぞ)と内心で思いながらも、しばらくは夫のやりたいという「特殊伐採」の仕事を見守ろうと思います。

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とはいえ、特殊伐採の仕事はひとりでできるものでもなく、木の上に登る人以外に、グラウンドワーカーといって、地上に樹上のことを気にかけつつ、地上でさばける仕事をこなす存在が必要となってきます。

このグラウンドワーカーは、本来は木の上に登るリスクやそのこと自体を把握している必要があり、木の上に登るクライマー以上に知識が必要とされています。

だって、もしクライマーが樹上でケガをして身動きを取れなくなってしまったら…?

ツリークライミングやレスキューのことを知らないグラウンドワーカーが果たして、クライマーを助けられるのかというと、これはもはや見過ごし殺人のようなことになってしまいます。

なので、そういう意味でも本来ならば、夫と私と比較したときに身重なのも、体力があるのも夫なので、夫婦2人でチームとしてやっていくとなれば、理想形としてはグラウンドワーカーは夫で、クライマーは私が適しているという話もされたことがあります。

私もそれには心底同意なのですが、では果たしてクライマーとして特殊伐採の仕事ができる根性があるかというと、さてそれはどうだろうなというのが心境。

だって、やっぱり怖いじゃないですか。

林業も一生勉強だなと感じますが、この特殊伐採もそんな業界な気がしています。

そんなわけで、無事に夫の特殊伐採、デビュー戦はつい先日、信頼する先輩方に全面的なサポートをいただき、無事に終わったのですが、またその後の様子もこんな感じで文章にしながら、自分の中に落とし込んでいきたいと思います。

林業も気軽にやりなよ!とは言えないけれど、特殊伐採はそれをさらに超える気がしますよ、本当に(笑)

それと同時に、世の中にはいろいろな仕事があるんだなあと三十路を超えても、はじめて知ることが多くて、人生100年時代、この先どんな知らないことだらけなんだろうと、赤ちゃん時代に戻った気分です。

というわけで、今回はこのあたりで。

今回もお読みいただき、ありがとうございました!



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セイカ
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