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4年かけて作っている家。いや、育てている家なのかもしれない

構想から4年、着工して2年、完成まであとどのくらいかかるのだろうと、うちのことを知っている人たちは誰しもがそう思っていることでしょう。

私たち夫婦でさえも思うことなのだから(笑)

大工でもない私たち夫婦が家づくりをはじめて、建て方までがまず一つの大きなハードルでした。

ちょうどその頃、私自身は第3子の妊娠時期と重なり、刻みは夫に丸投げ。夫はまさに「死に物狂い」という、この言葉がこれ以上似合う人はいないのではと思うほど、毎日必死に、見慣れない設計図をにらめっこしながら、墨付けをして、刻みを進めてくれていました。

(毎日せっせと刻む夫)

そこから、2つ目のハードルだと感じるポイント「土壁」。

これもまた自分たちが選んだ道ですが、土壁でなかったら今頃、引っ越しはできていたと思います。

(下地となる竹小舞だけでも2ヶ月かかった)

ですが、土壁でなければ、これほど家づくりを楽しめなかったとも断言できます。土壁だからこそ、多くの人を巻き込んで、思い入れがより深い家になっていて、遠回りだけど最高の道を選びました。

自分たちの手で、左官屋さんに習いながら土を仕込み、その土を使って「荒壁土」をつけて完成したのが10月。

(ようやく全ての壁に土がついた瞬間!)

参照:さらば竹小舞のある風景。家に壁ができていく。

家に壁ができると、家の中は途端に暗くなり、ガラッと違った雰囲気に生まれ変わりました。そして同時に、「これぞ家」と思えて、壁ができると一気に暮らせる感じがしてきます。

荒壁土を塗ると、乾燥してひび割れが生じます。それにより、ほんのわずかながらも隙間が生まれ、覗き込むと、向こう側の景色が見えてきます。

(荒壁土)

そう、つまりは荒壁土だけでは壁としては成り立たず、この壁だけでは寒すぎるので、壁なようで壁ではないのが、この荒壁土。

そこで、10月下旬に、そのひび割れを埋める作業の「大直し」という工程をワークショップ形式で行いました。

(大人も子どももみんな一緒に大直し!)

今回、2日間の開催で、連日参加してくださった方もおり、延べ20人ほどが大直しの工程を手伝ってくれました。

砂と藁、荒壁土を配合してよく練ったものを、荒壁土の上から重ねていきます。そのため、土を使う量は前回よりも少なく、せいぜいつけても1cmほどの厚み。そう聞くと、作業量的にしんどくなさそうな気がしてきますが、ヒビにこの特別に配合した土を刷り込ませていく作業なので、意外と肉体労働。

(みんなでまずは土や砂の配合から始めます)

私も後日、できていなかった箇所を壁2枚分やりましたが、指にマメができました。参加してくれた仲間からも「手が筋肉痛になりました」とのご報告も…!

それだけ力を入れてヒビに土を擦り込んでいかないと、後々、土が落ちたりする原因にもなるので、この作業はかなり重要なのです。

できあがった大直しの壁は、荒壁土の壁とはまた大きく違う顔をみせてくれ、砂が入ったことでギュッと引き締まり、かっこいい印象に。

「これで完成でもいい気がする」と夫は言いますが、果たしてどうなることやら…。

いよいよ霜も降り、キーンと冷える朝が続くようになりました。

こうなると、土壁は塗るのに適していない時期に突入するため、別の作業を進めることになります。

そうしてはじまった、床作りの作業。

これもまた悲願の作業です。一般的な家屋よりも基礎が高いため、アップダウンのある、ハードル走のようなことが、移動のときには必要だったのです。

(地味にストレスだったここの移動…)

これがとにかく疲れる疲れる…。というのも、1日の終わりに片付けるために、工具をまとめているところへ道具を運び込もうとして、基礎をまたいで越えようとすると、足が疲れて上がらない、なんてことも。

根太が一部ついてからは、毎日が「平均台競技」そのもので、これもまた集中力が切れると、踏み外して、足の一部を打撲なんてことがありました。

「は、早く床をつけねば…」と、常に頭にあったので、床作りは待ちに待った作業そのもの。やる気も俄然出てきます。

ということで、次回は床の話。
床がある生活も当たり前ではない私たち夫婦にとって、床は革命。

床を歩きながら「あの夫婦そんなこと言ってたな〜」なんて、いつもの日常の中で感じてみてくださいね。

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