大嶋本の読み方
大層なタイトルを掲げてしまったが、今日、Twitterで『憂うつデトックス』に苦戦しているとのコメントをいただいたため、現時点で私が認識している大嶋先生の本の読み方のコツをまとめてみたいと思う。
1.通して読む
大嶋先生の本は基本的に「催眠スクリプト」を用いて書かれている。そのため、一言一句考えて(≒論理的に理解しようとして)読もうとするのはあまり得策とはいえない。よくわからない言葉や表現が出てきても「忘れてもいいや!」くらいの感覚でとにかく通して読んでしまうのが良い。というか、誤解を恐れずに言えば忘れていい。大嶋本は一冊がまるまる催眠スクリプトであることが多い。通読することで、無意識さんにはちゃんと響いているので安心して委ねてしまいましょう。
2.言葉や表現にとらわれない
大嶋先生が書籍で用いる言葉や表現は独特なものが多い。もう、その言葉や表現それ自体が催眠スクリプトだと思って、ひとつひとつの言葉や表現にこだわらずに受け止めてしまう。例を挙げると、リミットレスの呪文「沈着冷静と瞬発力」なんて普通の日本語の並び方ではない。だがしかし、そこで「沈着冷静じゃなくて冷静沈着だろ!」と突っ込んでしまう方はまだまだ意識的な読み方から解放されていない(=催眠誘導に乗れていない)。
大嶋心理学の中核概念は無意識である。沈着冷静を深く考えずに「へ〜、沈着冷静なんだ」と受け止めながら読めれば、あなたの無意識さんが起動する。
また、本の構成自体に逆接などの心理的技法が用いられていることもある。先の『憂うつデトックス』でいえば、「悟り」として憂うつな未来を受け止めると言った後に「成功の未来」との繋がり方の話が出てくる。これも上で述べたことと同じで、論理的に矛盾している!と頭で考えず、矛盾によって生じる意識の混乱をそのまま受け止めてみる。そうすると仕掛けが起動して催眠に入ることができる。
あとはまぁ、大嶋先生の文章の癖は確かにありますよね(笑)これは慣れましょう(笑)
3.繰り返し、流し読みする
既に実践している方もいるかもしれないが、大嶋先生の本は繰り返し読むことで効果を発揮する。これについては新刊『人のことばかり考えて凹んでしまうあなたが「ま、いっか」と思える本』の冒頭で大嶋先生ご自身がこのように仰っている。
「…何も実践しなくても、繰り返し流し読みをするだけで、何かが変わっていくはずです…」
『人のことばかり考えて凹んでしまうあなたが「ま、いっか」と思える本』9頁より引用
これは大嶋先生ご自身による、大嶋本を読むためのコツの紹介であり、たいへん重要なテクニックだ。しつこいようだが大嶋先生の本は催眠スクリプトの手法が用いられている。意味がわからなくても、テクニックがうまく覚えられなくても、繰り返し、流し読みするだけで無意識に“何か”がインストールされる。
4.催眠スクリプトに触れてみよう
そもそも催眠スクリプトって何?と思われた方。実際に催眠スクリプトに触れてみましょう。大嶋先生のブログ「緊張しちゃう人たち」19/12/28記事「心の傷を洗い流すスクリプト」にて無料公開されているし、小説『催眠ガール』では主人公の夏目ちゃんとお師匠さんが「これでもか!」というくらい催眠スクリプトをばんばん披露してくれる。
なぜ催眠スクリプトに触れてみるといいかというと、「催眠スクリプトって意味がわからない!」ということがわかるから(笑)ああ、大嶋先生は“この”書き方で本を書いていたんだな、と納得できること請け合いだ。
何かあるようで何もない。何もないようで何かある。だからよくわからない。でも、何かが残る。それが催眠スクリプト、そして大嶋本である。
以上、おこがましいことながら私なりの大嶋本の読み方を紹介してみた。大嶋本攻略の一助になることを願っております。