ノブレス・オブリージュと顧客本位業務運営原則
『ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)』とは、<19世紀にフランスで生まれた言葉で、「noblesse(貴族)」と「obliger(義務を負わせる)」を合成した言葉。財力、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことをさす。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会に浸透する基本的な道徳観である。法的義務や責任ではないが、自己の利益を優先することのないような行動を促す、社会の心理的規範となっている。>とありました。
また、聖書の「すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、さらに多く要求される」(『ルカによる福音書』12章48節)に由来するとも言われているそうです。
特に欧米、<例えばイギリスでは、国家・国民のために尽くす義務があるという意味に受け取られ、貴族やエリートの教育で扱われる。アメリカでは「慈善を施す美徳」の意味があり、富裕層が貧しい人々に慈善を施すという形で実践されている。最近では、主に富裕層、有名人、権力者が社会の規範となるようにふるまうべきだという社会的倫理として用いられる。>とされているそうです(公益財団法人 日本女性学習財団HPより引用)。
確かに、欧米の著名人などは、社会貢献活動をされていますね。
藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長・最高投資責任者)が以前、「世界一、寄付しない日本人」と称した事もありますが、世代にもよるのかも知れませんが、あまり積極的に寄付だけでなく、社会貢献活動も含めて、なかなか実行している方は少ないかも知れません。
その意味では、ワタシも勤める企業も含め、自己の利益の追求だけでなく、社会を構成する責任ある主体としての取組が求められていると思います。
資産運用業は、金融商品取引法の<国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資する>ために、顧客の最善の利益(顧客本位業務運営原則)を追求するため、真摯に向き合わなければならないと感じています。
今週の金曜日、6月21日10時から金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」の第29回の会合が開催されます。
その中の議題のひとつに「プロダクトガバナンス」があります。
YouTubeによる同時配信もされますので、興味のある方は覗いてみてください。
プロダクトガバナンスとは、「顧客の最善の利益に適った商品提供を確保するための枠組み」とされています。
これは、金融商品を設定・運用する資産運用業者のみならず、金融商品を販売する銀行・証券を含めた製販すべての金融商品取引業者に求められるものだと思います。
本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。